一昨日と昨日は、所用で実家のある横浜へ。
横浜や東京に行くときには、出来るかぎり旧友や元同僚など、気の置けない人たちと会うことにしています。
今回もそのうちの一人と食事をしましたが、その時のひとコマ。
その人は十数年前に大病を患った経験があるため、一応は食事に気を使っているということ。
が、実際にはカロリー管理を中心としたものであったため、分子栄養学のサワリだけ簡略に伝えました。
体の材料であり、体の修復に不可欠なタンパク質が何より大切だ、ということ。
その必要量は、毎日、体重の千分の一 +α。体重50kg 前後と思われるその人の場合、毎日、60~70g くらい摂る必要があることを話しました。
すると、彼女(会ったのは女性です)。
「それって、案外簡単でしょ。お肉とかお魚をひと固まり食べればいいんじゃないかしら」。
つまり、こうです。お肉を100g 食べれば100g のタンパク質が摂取できる、というイメージのようです。
このパターンの会話を交わすのは、じつは数回目です。意外と多くの人がこのように考えているのかもしれません。
肉も魚も、そして人間の体も、半分以上は水分です。油(脂質)も相当部分を占めています。
残った部分がタンパク質だと考えても間違いではありません。
肉100g 中、タンパク質が100g はありえません。
実際には、どの程度タンパク質が含まれているのでしょうか。
肉類で見てみましょう。肉類の場合は、部位で大きく違ってきます。
牛や豚のバラ肉は脂質が多いため、タンパク質は思いのほか少ないのが実状です。
牛バラ肉の場合、(すべて100g あたり、四捨五入した数値)タンパク質はわずか11g。約1割に過ぎません。
比較的多いのがヒレ肉。牛ヒレ肉は19g、豚ヒレ肉では23g。それでも約2割にとどまります。
柔らかくて美味しい鶏もも肉は17g。鶏肉でタンパク質が多いのはササミで25g。
平均すると、やはり2割前後です。
ちなみに鶏卵はというと13g(Mサイズ2個分)。
どう思いますか?
体重の千分の一+αは、想像以上にハードルが高いことに気づかれたはずです。
横浜で会った女性にも納得していただけました。
卵、肉、魚、大豆食品、乳製品などを朝昼晩でどうやって振り分け、タンパク質の必要量を無理なく摂取していくのか。
これを考えることが大切なのは、何をおいてもこのハードルをクリアするためです。
2019年2月26日火曜日
2019年2月21日木曜日
『Newton』 亜硝酸塩
前回につづき発ガン物質がテーマです。
記事では、ソーセージ、ベーコン、ハムなどの加工肉の摂取が死亡率を上げると書かれています。
その正体は、それらに添加物として使用されることが多い亜硝酸塩(Na)です。亜硝酸塩は、血液の成分であるヘモグロビンやミオグロビンと結合することで鮮やかな血色を保持する働きがあります。
つまり、発色剤です。ソーセージ、ベーコン、ハムは、時間が経つにつれて色あせていきます。それでは見た目が悪く「売れない」ので、発色剤の出番となるわけです。
この亜硝酸塩が添加されるのは、牛豚鶏の加工肉だけではありません。魚を使ったハムやソーセージ、いくらや明太子などの魚卵も「鮮やかさ」が売りの食品です。
亜硝酸塩の毒性が危惧されるのは、亜硝酸が肉類、魚介類や魚卵に含まれる第2級アミン(アンモニアの水素原子2個を炭化水素基で置換した化合物)と酸性の環境で結合した場合、ニトロソアミンという発ガン物質に変化することです。
ニトロソアミンは、WHO(世界保健機関)によって第1級発ガン物質に指定されています。
体内でもっとも「酸性の環境」下にあるのは、強酸性の胃酸を分泌する胃です。
そのため、ニトロソアミンは胃ガンのリスクを高めると言われています。
では、ソーセージ、ハム、ベーコン、あるいは明太子、いくらは食べてはいけないのでしょうか。
対策は2つあります。
1つは、亜硝酸塩不使用の商品を選ぶこと。これについては、次回のブログで取り上げます。
もう1つは、ビタミンCを一緒に摂ること。ビタミンCにはニトロソアミンの生成を抑える働きがあるからです。
とはいえ、たとえ好物であったとしても、ほどほどにしておくのが無難でしょう。
記事では、ソーセージ、ベーコン、ハムなどの加工肉の摂取が死亡率を上げると書かれています。
その正体は、それらに添加物として使用されることが多い亜硝酸塩(Na)です。亜硝酸塩は、血液の成分であるヘモグロビンやミオグロビンと結合することで鮮やかな血色を保持する働きがあります。
つまり、発色剤です。ソーセージ、ベーコン、ハムは、時間が経つにつれて色あせていきます。それでは見た目が悪く「売れない」ので、発色剤の出番となるわけです。
この亜硝酸塩が添加されるのは、牛豚鶏の加工肉だけではありません。魚を使ったハムやソーセージ、いくらや明太子などの魚卵も「鮮やかさ」が売りの食品です。
亜硝酸塩の毒性が危惧されるのは、亜硝酸が肉類、魚介類や魚卵に含まれる第2級アミン(アンモニアの水素原子2個を炭化水素基で置換した化合物)と酸性の環境で結合した場合、ニトロソアミンという発ガン物質に変化することです。
ニトロソアミンは、WHO(世界保健機関)によって第1級発ガン物質に指定されています。
体内でもっとも「酸性の環境」下にあるのは、強酸性の胃酸を分泌する胃です。
そのため、ニトロソアミンは胃ガンのリスクを高めると言われています。
では、ソーセージ、ハム、ベーコン、あるいは明太子、いくらは食べてはいけないのでしょうか。
対策は2つあります。
1つは、亜硝酸塩不使用の商品を選ぶこと。これについては、次回のブログで取り上げます。
もう1つは、ビタミンCを一緒に摂ること。ビタミンCにはニトロソアミンの生成を抑える働きがあるからです。
とはいえ、たとえ好物であったとしても、ほどほどにしておくのが無難でしょう。
2019年2月15日金曜日
『Newton』 アクリルアミド
アクリルアミド。はじめて聞く人も多いはずです。
アクリルアミドは、でんぷん質を含む食品を高温調理したときに発生する発ガン物質です。
代表例は、記事にも出ているフライドポテトやスナック菓子。
家庭料理では、さつまいもの天ぷらがそうです。
120℃くらいから発生し、170℃を越えると大量に発生すると考えられています。
ここで問題になるのが、ファストフードで提供されているフライドポテト。
油を高温で揚げるほど、あの「カリカリッ」とした食感が出ます。
M c 社のフライドポテトのカリカリ感は相当なものです。180℃前後で揚げているからです。
もっともM c 社のフライドポテトは、ショートニング(トランス脂肪酸)を使って揚げている方が問題だと思いますが。
自宅で天ぷらをつくる場合には、温度計を用いて160℃前後で揚げることをお薦めします。
160℃と170℃では大きく違います。
つけ加えると、玄米を圧力釜で炊くのも注意。でんぷん質の高温調理そのものです。
アクリルアミドは、でんぷん質を含む食品を高温調理したときに発生する発ガン物質です。
代表例は、記事にも出ているフライドポテトやスナック菓子。
家庭料理では、さつまいもの天ぷらがそうです。
120℃くらいから発生し、170℃を越えると大量に発生すると考えられています。
ここで問題になるのが、ファストフードで提供されているフライドポテト。
油を高温で揚げるほど、あの「カリカリッ」とした食感が出ます。
M c 社のフライドポテトのカリカリ感は相当なものです。180℃前後で揚げているからです。
もっともM c 社のフライドポテトは、ショートニング(トランス脂肪酸)を使って揚げている方が問題だと思いますが。
自宅で天ぷらをつくる場合には、温度計を用いて160℃前後で揚げることをお薦めします。
160℃と170℃では大きく違います。
つけ加えると、玄米を圧力釜で炊くのも注意。でんぷん質の高温調理そのものです。
2019年2月9日土曜日
『Newton』 乳酸菌
今回は乳酸菌の話。
腸内環境を整えることが、かつてないほど重要だと言われています。
したがって、食品やサプリメントから乳酸菌を摂取することは大切です。
口から摂取した乳酸菌は、食道を通って胃に到達します。
そこでは、pH1~2という強酸性の胃酸に晒され、多くの菌が死滅してしまいます。
菌の1種である乳酸菌も、同じく胃酸によって死んでしまう、だから効果がないのではないか、ということは以前から言われています。
果たしてそうなのでしょうか。
近年、さまざまなことが判明しています。
たしかに多くの乳酸菌は、胃酸によって死滅する。しかし、死んでいても腸に届いて善玉菌のエサになる。
あるいは、
胃で一度は死活する。ただそれは「死んだふり」であって、完全には死んでいない。
弱酸性下の腸に入ると、再び活性化する。つまり、蘇る
やはり、乳酸菌を摂取することは意味があると思われます。
乳酸菌は、ヨーグルトや飲料(ヤクルト、カルピス etc.)のほかに、漬け物、味噌、醤油などの発酵食品にも含まれます。なかでもキムチや糠漬けは豊富です。
乳製品に含まれるものは動物性乳酸菌、漬け物などに含まれるものは植物性乳酸菌です。生存力の強さでいえば、植物性乳酸菌の方が勝っています。
胃酸によって死活することを気にするのであれば、キムチや糠漬けを積極的に食べることをお薦めします。
腸内環境を整えることが、かつてないほど重要だと言われています。
したがって、食品やサプリメントから乳酸菌を摂取することは大切です。
口から摂取した乳酸菌は、食道を通って胃に到達します。
そこでは、pH1~2という強酸性の胃酸に晒され、多くの菌が死滅してしまいます。
菌の1種である乳酸菌も、同じく胃酸によって死んでしまう、だから効果がないのではないか、ということは以前から言われています。
果たしてそうなのでしょうか。
近年、さまざまなことが判明しています。
たしかに多くの乳酸菌は、胃酸によって死滅する。しかし、死んでいても腸に届いて善玉菌のエサになる。
あるいは、
胃で一度は死活する。ただそれは「死んだふり」であって、完全には死んでいない。
弱酸性下の腸に入ると、再び活性化する。つまり、蘇る
やはり、乳酸菌を摂取することは意味があると思われます。
乳酸菌は、ヨーグルトや飲料(ヤクルト、カルピス etc.)のほかに、漬け物、味噌、醤油などの発酵食品にも含まれます。なかでもキムチや糠漬けは豊富です。
乳製品に含まれるものは動物性乳酸菌、漬け物などに含まれるものは植物性乳酸菌です。生存力の強さでいえば、植物性乳酸菌の方が勝っています。
胃酸によって死活することを気にするのであれば、キムチや糠漬けを積極的に食べることをお薦めします。
2019年2月4日月曜日
卵がピンチ!
『Newton』シリーズを中断し、気になる話題を。
「卵を食べるとコレステロールが上がる」も、今は昔。需要が高まってもおかしくないはずなのに、市場はそうでもないようです。
いたって微力ではありますが、わずかでも購買を喚起するべく、再び卵の栄養価を書き綴ってみます。
・アミノ酸バランスにすぐれた良質のタンパク質を含む(Mサイズで6.5g前後)。
・ビタミンCを除くすべてのビタミンと、すべての必須ミネラルを含む。
・細胞膜、なかでも脳細胞の材料となるレシチン(脂質)を含む。
・少量ではあるが、βカロテンやコエンザイムQ10、ルテインを含む。
・糖質は少ない(多くの人にとってはプラスでしょう)。
これだけ栄養価パーフェクトに近い食品が安価に入手でき、しかもレシピが豊富。
ぜひとも台所の主役に位置付けていただきたいと考えています。
ちなみに・・・
卵は、犬の食事にも打ってつけです。
犬は糖質を代謝する(エネルギーにする)能力を持たないため、ヒトよりも相対的にタンパク質が重要です。
糖質が少なくタンパク質の比率が多い卵は、その点で無駄がありません。
一方、卵に含まれないビタミンCは、犬は体内で合成する能力を持っています。
犬にとっての卵は、ヒト以上に完全食品かもしれません。
愛犬チョコは、どんなフードよりも卵が好物です。
「卵を食べるとコレステロールが上がる」も、今は昔。需要が高まってもおかしくないはずなのに、市場はそうでもないようです。
いたって微力ではありますが、わずかでも購買を喚起するべく、再び卵の栄養価を書き綴ってみます。
・アミノ酸バランスにすぐれた良質のタンパク質を含む(Mサイズで6.5g前後)。
・ビタミンCを除くすべてのビタミンと、すべての必須ミネラルを含む。
・細胞膜、なかでも脳細胞の材料となるレシチン(脂質)を含む。
・少量ではあるが、βカロテンやコエンザイムQ10、ルテインを含む。
・糖質は少ない(多くの人にとってはプラスでしょう)。
これだけ栄養価パーフェクトに近い食品が安価に入手でき、しかもレシピが豊富。
ぜひとも台所の主役に位置付けていただきたいと考えています。
ちなみに・・・
卵は、犬の食事にも打ってつけです。
犬は糖質を代謝する(エネルギーにする)能力を持たないため、ヒトよりも相対的にタンパク質が重要です。
糖質が少なくタンパク質の比率が多い卵は、その点で無駄がありません。
一方、卵に含まれないビタミンCは、犬は体内で合成する能力を持っています。
犬にとっての卵は、ヒト以上に完全食品かもしれません。
愛犬チョコは、どんなフードよりも卵が好物です。
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