2018年12月29日土曜日

年越しは『学問のすすめ』

明日から年末年始休暇。珈琲片手にどんな本に触れようかと考えていた矢先、先週のビジネス誌でこんな特集を見つけました。

『学問のすすめ』は私の愛読書で、幾度となく読み返しています。もちろん原語ではサッパリわかりませんので、現代語訳です。

この本は、ただ表題通りの内容を書いてあるにとどまらず、職業観、世界観、人間観、ひいては死生観にまで言及されています。
書かれたのは明治維新まっただ中ですが、今でもまったく色あせていないどころか、現代人にこそ意味がある、と『週刊ダイヤモンド』の特集には書いてありました。


その根底には、「人間は独立して生きるべきであり、そのためには何が必要か」というメッセージが込められています。
ここでいう独立とは、「自分で自分の身を支配し、何かを頼りにしようとする気持ちがない」こと。そうでないと、必ず人を頼り、人を恐れるようになる、と言っています。


この本で気に行っている箇所があります。

「『古事記』は暗唱しているけれども、いまの米の値段を知らないものは、実生活の学問に弱い人間である。(中略)独立した生活ができないものは、いまの世の中に必要な学問に弱い人間だといえる。」と唱え、

一生懸命にやるべきは、普通の生活に役に立つ実学である

と書かれています。
私が栄養学や生理学を勉強して、それを研修、講習等でアウトプットするときにも、この教え(実学)に外れていないかどうか、常に意識しています。
誰もが理解、実践できて、健康づくりに役立てられる内容であることが何よりも大切です。

『学問のすすめ』は、実際には「学問と実践のすすめ」を説いています。たんなる「知識の問屋」は無用の長物だと断じています。
健康づくりは、まさに勉強即実践の世界。この点でも親和性を覚えます。



こうやって『学問のすすめ』を紹介していますが、この本は人には薦めていません。
なぜならば、読者への要求レベルが相当に高く、厳しいからです。たとえば、

「人として自分で衣食住を得るのは何も難しいことではない。これができたからといって、別にいばるほどのことではない。(中略)動物に負けていない、というだけのことだ。
試しに見てみるといい。(中略)蟻にいたっては、はるかに未来のことを考え、穴を掘って住処をつくり、冬の日に備えて食料を蓄えているではないか。なのに、世の中には、この蟻のレベルで満足している人もいる」。

こういう感じです。
蟻のレベルで満足していない人は、一読の価値があるかもしれません。


年越しの節目に、あらためて熟読しようかと考えています。
皆様もよい新年をお迎えください。

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