2018年6月27日水曜日

本当に伝えたいこと

約1週間の短期集中型の研修が終了しました。
今回の受講生は4名。東京から2名、神奈川から1名、沖縄県内から1名という構成。立場も、開業を控えた人、アシスタント施療師、すでに十数年の経験があるベテランの人とさまざまです。

実質5日半の中で、生理学と分子栄養学の学科講習、エネルギー測定&屋比久院長のカウンセリング、最後は私の施療実技演習で終えるという、目一杯盛り込んだ内容になりました。



分子栄養学講習でもっとも伝えたいことは、その具体的な内容もさることながら、「琉球温熱療法は熱と栄養の2本柱」という基本的な考え方、哲学です。
温熱だけでは不十分、栄養だけでも片手落ち。その両輪がうまくかみ合って回ったときに、健康レベル、代謝レベルが飛躍的に向上する、疾病が緩和、治癒の方向へと動き始めるということです。

このことを骨の髄まで理解して勉強を積み重ねた加盟店は、大きく伸びる可能性がある。そうでない加盟店は苦戦する、低空飛行に甘んずる可能性が高い。
伝えたいのは、そこです。
かく言う私も、それを理解できたのは店舗を始めて数年たってのことです。だからこそ、研修で関わった人には私のような回り道をしてほしくないという強い思いを持っています。

今回の受講生は、このあとどのような道を辿っていくでしょうか。
温かく見守りましょう。

2018年6月21日木曜日

怪しげな本

健康関連本、食事関連本は、毎月多数の新刊が出版され、玉石混交の様相を呈しています。
先日、書店で見つけた本はコレ。
正直なところ、これは「買ってはいけない」本です。

表紙の帯には、こんなフレーズが書かれています。
言ってみれば、常識の逆をいっています。なんか”売れる”臭いがします。
でも、これは「読むと逆効果」です。

それでも、少しだけ中を読んでみると、

×朝食に和食・・・和食は塩分が多いから(えっ、それだけ!)
 和食のプラス面はほとんど触れていません。また、洋食のプラスマイナスに関する記述もありません。
 別のページには、「塩などの調味料は殺菌効果があるので、弁当のうす味はよくない」。昼食であれば、塩分が多くてもよいということでしょうか?

×野菜から先に食べる・・・野菜に含まれるビタミンCやビタミンB群は、空腹時に摂ると体内蓄積時間が少なくなる ???
 では、何から先に食べたらよいのでしょうか? ビタミンB群は、肉や魚、卵、大豆食品など、主菜となりうるほとんどの食品に含まれています。
 ビタミンB群も含まれていないものといえば・・・ご飯(白米)。それでは時代と逆行もいいところです。

×食物繊維たっぷり・・・過剰な摂取はカルシウム、マグネシウム、亜鉛などミネラルの吸収を妨げる。
 これについても別のページでは、「健康的な快便のためには1000kcalに対して10gの食物繊維を摂ることが望ましい。毎日野菜をたっぷり食べるようにしていれば、自然と食物繊維もしっかり摂れるはずです」とまるで一貫性がありません。

 ようは、売りたいがために表紙と帯にショッキングな文言を印刷している、ただそれだけの本です。一部の民放健康番組みたいです。

 たとえば、食品のマイナス面を一つでも見つけて「これは食べない方がよい」と言うのであれば、ほぼすべてのものが食べられません。肉も魚も卵も乳製品も、そして米も小麦も。
 現実的には、食品や食べ方について多くのプラスマイナスを天秤に掛けて、最大公約数的な判断をするしかないと考えます

 そのためには、普段からたくさん勉強するしかありません。上のような本に右往左往されないように。
 この本、もちろん買ってはいません。立ち読みで十分です。
 みなさん、ぜひ良書を選んで読んでください。


 今日から約1週間の研修です。今回は分子栄養学が中心の学科講習。
 受講生は首都圏から3名、県内から1名の計4名。この方々には、上のような本に惑わされない実力をつけていただきたいと願っています。

2018年6月15日金曜日

怪しげなロジック

少し前の週刊誌に掲載されていた記事です。

これについての補足は後日のブログで書くとして(忘れなければ)、今回は別の組み合わせについて、個人的な意見を書いてみます。

「あつあつご飯と生卵の組み合わせ」はよくない、ということを2~3か月前にテレビ番組で取り上げていました。
もちろん答えは となるわけです。

数々の著書で有名な医学博士の白澤卓二氏が解説していました。
「納豆には血栓を溶解させるナットウキナーゼという酵素が含まれる。ただ酵素は熱に弱く、おおむね70℃くらいで活性が弱くなる。あつあつご飯は80℃前後なので、混ぜて食べるとナットウキナーゼの恩恵を受けられなくなる」。
(一言一句同じではありません。だいたいこのような内容のことを話していました)

ん?

ということは、80℃のご飯に混ぜると納豆も80℃くらいまで上昇する、ということか?

であれば、42℃の湯船につかっていたら、その人の体温も42℃に!?

そうであれば、がん患者さんは1回お風呂に入ればガン細胞が消える(ガン細胞は42℃以上で死滅すると言われています)ということになってしまいます。

そんなワケないですよね。

ちなみに琉球温熱療法の施療は、温熱器72℃を標準として1時間前後熱入れし、温熱ベッドや温熱ドームとの相乗効果で体を温めますが、施療前と施療後の体温差は平均で1.0℃前後です。
(相当な個人差がありますが、2.0℃上昇することは滅多にありません)
人体の場合は、体温が一定以上に上がると防御反応で発汗して放熱します。同列には論じられませんが、熱の拡散(移動)とはこの程度のものなのです。

そもそも炊飯ジャーから出したご飯は、その瞬間から冷め始めます。一方、冷蔵庫から出したばかりの納豆は10℃以下、もしくは10数度だと考えられます。
その納豆がご飯と混ぜて70℃以上まで一気に上昇する。これはもうナンセンスとしか言いようがありません。

むしろ、

酵素は37℃から45℃の間でもっとも活動すると言われています。あつあつご飯と混ぜることによって納豆の温度が多少上がり、あわよくば37℃まで上昇してナットウキナーゼの酵素活性がアップすれば儲けものです。
けれども、37℃までも上がらないと私は思います。確かめたわけではありませんが。

2018年6月8日金曜日

課題がまた一つ

3日間の短い実技研修が終わりました。

今回の受講生は、8年前すでに加盟店研修を終えていて、三重県津市で2年間現場に携わっていた方です。その後、「もっと深く学びたい」ということで柔道整復師の学校に通い(3年間)、国家資格を取得、接骨院で経験を積んでいました。

この秋、名古屋で独立開業する予定となり、そのタイミングで琉球温熱も復活させたいという嬉しい知らせをいただきました。
3日間の研修は、約6年間のブランクを埋める再研修という意味合いでした。

3年間、必死に勉強されただけあって、話をしていて私の方が学ぶことも多々ありました。
日頃、生理学をそれなりに勉強しているつもりでも、筋肉系や骨格系は意外と盲点になりがちです。こういう方と話をしていると、その弱い部分が浮き彫りになります。

肩こり一つとっても、「どの筋肉とどの筋肉が、どこでどのようにつながっていて・・・」といったボディメカニクスを知っていないと、効果的な施術ができない可能性があります。
次の課題が見えた、なんだか自分にとって有意義な研修になってしまいました。

この方の店舗は、10月下旬から11月上旬くらいに、名古屋市名東区で開業予定です。

2018年6月4日月曜日

分子栄養学講習③

前回(昨年11月)に続き、今回の講習でも血液検査データの読み取りを学習しました。
タンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、コレステロールに加えて、初日に勉強した、そして亜鉛の過不足を推定していきます。

栄養素の過不足以外にも重要なことが読み取れます。
たとえば、尿素窒素BUNとクレアチニンCre の相対比から「脱水」または「上部消化管出血」の疑いが浮上します。上部消化管とは、食道、胃、十二指腸のことです。

これがなぜ大事かというと・・・。

脱水は、温熱療法にとって身近な存在です。
温熱療法は、言うまでもなく大量の発汗を促がします。水分補給をしなければ脱水症状を招きかねません。
ところが、ご高齢になればなるほど喉の渇きの感覚が鈍くなってきます。体は脱水に向かっているのに、それでも水を飲みたいと感じなくなるのです。

じっさいに温熱施療をやっていると、終了時に水をひと口もふくんでいない高齢者をしばしば見掛けます。これが非常によくないのです。
血液検査データから脱水を推定できる場合には、念には念を入れて水分補給をお願いすることができます。未然の事故防止策です。

上部消化管出血があると、一定量のヘモグロビンが流出するわけですから、鉄に関する検査データは軒並み下降します。
この場合の対策は、とにかく鉄を入れろ、にはなりません。入れることも大切ですが、流れる方を止めなければいけません。
つまり、上部消化管出血は摂取不足ではない鉄欠乏の推定に役立ちます


このパターンは、タンパク質でも近いケースがあります。
今回の受講者のなかに、食事ではしっかりタンパク質を摂っているはずなのに、検査データでは相当なタンパク不足が見られた方がいました。
考えられるのは消化不良です。摂っている程に吸収されていない可能性があります。

もしそうだとしたら、打てる手は「もっと入れろ」ではなく、消化の改善です。
消化酵素を飲むのもよし、腸粘膜のエネルギー源であるグルタミンを入れるもよし。あるいは、卵は半熟で、消化にすぐれた納豆を強化、など調理法や食材で消化を改善するのも一つ。
もちろん、腸の熱入れは欠かせません。

このように血液検査データを読めるようになってくると、少しずつお客様に的確なアドバイスができるようになります。
かく言う私も、まだまだ勉強不足。意識を共有する加盟店同志の方たちと、今後も研鑽を積んでいきたいと考えています。