2018年5月25日金曜日

分子栄養学講習①

20日~21日の2日間、都内にて「分子栄養学講習・実践編」を開催しました。昨年から続く連続講座で、今回が4回目です。

当初は、このように何回も行う予定はなかったのですが、受講者の皆さんの旺盛な学習意欲に乗せられて、「次もやろう。もっと突っ込んだ内容を、少しレベルを上げたことにもチャレンジしよう」という気になり、ここまで到達しました。

じっさいに、向上心溢れる方々に囲まれて一緒に勉強するのは、私にとってもテンションマックスの時間です。その日が近づくにつれて、準備作業に追いまくられながらも、気持ちの高ぶりを抑えられません。

今回は、初回から学習を積み上げている加盟店関係者に加えて、新しいメンバーが3名加わりました(4/17付ブログで紹介)。むずかしさもありましたが、新鮮な息吹を感じながら進めるのも、これはこれで楽しいものでした。


初日、重点的に学習したのは「鉄」
三石分子栄養学の3本柱は、①メガタンパク ②メガビタミン ③スカベンジャー (5/7付ブログ)ですので、ミネラルに属する鉄は、後塵を拝しているようにも思えます。

しかし、分子栄養学が目指すところの一つが「代謝アップ」であることを考えれば、鉄欠乏の状態でそれを達成することは到底かなわないと言わざるをえません。
鉄のもっとも重要な役割は酸素の運搬。ヘモグロビンに結合する鉄が不足すると、体の末端まで酸素が届かなくなります。

これはエネルギー代謝が滞ることを意味します。このエネルギー代謝こそが生命活動の根幹であり、生物にとってもっとも大切な代謝はエネルギー代謝だからです。
ここに、ビタミンCやEと同様、鉄に関しても時間を掛けて学ぶ必要を感じます。

多くの受講者には、予備学習として『貧血大国・日本』(山本佳奈著)および『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった』(藤川徳美著)、近著である『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』(溝口徹著)を読んできていただいたので、掘り下げた内容で、かつ活発なやりとりのある時間となりました。

貧血を見る血液検査項目としては、赤血球RBCヘモグロビンHbが知られています。この2つは多くの健康診断でも含まれています。
これで鉄の過不足が判断できれば問題ないのですが、実際にはそうもいきません。そこで、さらに幅広い知識が必要になります。

上の2つ以外に鉄の過不足を推定できる項目として、フェリチン(貯蔵鉄)があります。フェリチンは、小腸上皮細胞や脾臓、肝臓、肺や膵臓などに貯蔵されている鉄のことです。
フェリチンの項目があれば、RBCやHbでは見えてこない潜在的な鉄欠乏が明らかになってきます。

ただ、①フェリチンは基本的にオプション検診のため血液検査表にない場合が多い ②フェリチンは体内で炎症を起こしている場合には大きく上昇する、といったことがあり、さらに他の項目に頼らなければいけないケースが出てきます。

他の貧血に関わる項目としては、Ht(ヘマトクリット)、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、さらにはFe(血清鉄)、TIBC(総鉄結合能)、UIBC(不飽和鉄結合能)といったものもあります。

これらを組み合わせて鉄の過不足を読み解きます。さぞかし難しそうに思えますが、一度読み方を覚えてしまえばそうでもありません。
鉄欠乏でエネルギー代謝が滞れば、ありとあらゆる不調を引き起こす可能性があります。受講された皆さんがそれを見抜いて、現場でカウンセリングしていただくことを願っています。


今回は、講習に集中するあまり、写真をまったく撮っていません。
まあ4回目ですし、いつも同じような写真なので、あらためて載せるまでもないでしょう。
(つづく)

2018年5月15日火曜日

GWに読んだ本③

もう1冊、連休に読んだのがコレです。
せっかくのGW、栄養学と生理学の本だけではもったいないですので。

帯に写っている著者の背景は、パリ・オランジュリー美術館の「睡蓮の部屋」。
↑    ↑    ↑
             オランジュリー美術館・入口

卵型の部屋に晩年のモネが描いた超大型の「睡蓮」が4枚。これが2部屋並んでいます。
数少なくなった「生きているうちに、どうしても観たい絵」の1つ(計8枚)です。

ちなみにモネは200枚前後の「睡蓮」を描いています。どれ一つとして同じものはありません。
国内には12箇所の美術館に所蔵されています。

モネが描写したかったのは、「睡蓮」ではなくて「水面」です。光の微妙な違いがもたらす色彩の移ろいが水面に映し出されています。 




前回の「体内時計」の関連記事が地元紙に載っていました。
激務等による平日の睡眠不足と、それを補う週末の寝だめを繰り返す睡眠変動のことを「社会的ジェットラグ(時差ぼけ)」と呼ぶそうです。
たしかに週末の寝だめで睡眠時間の帳尻は合いそうです。

しかし、これはもう体内時計が不安定になります。すると、自律神経やホルモンのバランスが崩れて、そこから肥満、血糖値の上昇、心の病など、あらゆる不調を引き起こします。
朝の光を浴びて体内時計をリセットすることも大切ですが、記事には夕方以降のブルーライト(パソコンやスマホなど)が体内時計を後退させる、とも書かれています。

私も、若い頃は体内時計が乱れまくった生活でしたが、若かったゆえ何とか病気にならなかっただけだと考えています。
現在、早寝早起きは問題ありませんが、夜のスマホ・・・そんなに長くはありませんが、もう少し控えたほうがいいかもしれません。


しっかりと体調を整えて、週末からは東京で栄養学講習です。

2018年5月11日金曜日

GWに読んだ本②

ゴールデン・ウイークは栄養学の本を1冊、もう1冊は生理学に関する本を読みました。
体内時計を取り上げた、結構おもしろい内容で、やさしく書いてある生理学の本です。
この本では、健康長寿の秘訣として体内時計、自律神経、ホルモン、毛細血管の4つの要素を挙げています。
この4つが有機的につながり、影響を与えながら、絶妙のバランスの上に私たちの健康、そして若さが成り立っていると述べています。
(この本では栄養に関してはほぼ触れていませんが、それは別の本で勉強するとしましょう)

毛細血管については先月のブログに書きましたので、ここでは割愛します。
自律神経やホルモンバランスの崩れが体の不調をまねく、ということも今さら説明するまでもないと思います。知っておきたいことは、自律神経もホルモン(内分泌系)も、その中枢部、司令塔としての役割を担うのは、脳の中の視床下部という部分で共通であるということです。
そのため、自律神経の乱れはホルモンバランスの乱れにまで影響が及び、その逆も然りということになります。

興味深かったのは体内時計。不規則な生活習慣が体によくないことは、感覚的には分かるはずです。
この本では、それを自律神経、ホルモン、毛細血管との関連で解説しています。
遅寝遅起きの人、昼夜逆転の人、睡眠が浅い人などは一読の価値がありそうです。


2018年5月7日月曜日

GWに読んだ本①

大型連休が終わりました。
私は例年通り、アニバーサリーのランチをのぞいては、仕事と読書の日々でした。少し遠出しても、県民+観光客でどこもかしこも雑踏ばかり。苦手です。


連休に読んだ本。まずはコレ。

右下隅に「最新刊」と印刷されていますが、著者は21年前に亡くなっています。
この作品は、1993年に刊行された『1901年生まれ、九十二歳、ボクは現役』を改題・修正し、文庫化したものです。

三石巌氏の分子栄養学の要諦は
1.メガタンパク(タンパク質をたっぷりと)
2.メガビタミン(ビタミンを浴びるように)
3.スカベンジャー(活性酸素を除去する栄養素)
この3本柱です。

基本的にどの本でも、このことが強調されています。3本柱の解説に多くのページが割かれています。そして、この本でも同じです。
であれば「そんなに何冊も何冊も買うことはないじゃないか」と言われそうです。

それでも買って読んでしまうのは何故なんだろう、と自分でも思わなくはないのですが、これがその答えかな、と思われる一節があったので抜粋します。(63ページ)

 ボクの本は、読んだときはわかった気になるけど、あとになってみると、わかっちゃいなかった、とよく言われる。
 これはなぜか。ボクの説明は一応すじ道が通っている。これは論理的ということだ。だから、読んだ時はわかるんだ。もしそのすじ道がそらでたどれたら、それはわかったことになる。それには一回読んだだけじゃだめだ。二回でもあやしい。五回も十回も読んだら、誰だってわかるようになる

現実には、同じ本を五回も十回も読んでいたら次第に飽きてきます。だから異なった本を読み、違った表現で、違った事例で、でも結局は同じことを説明してくれるくらいが無理なく学習できてよいのかもしれません(神代説)。


もう一つ引用。著書のなかで、100%共感できる、私も日頃まったく同じことを考えている、という箇所がありましたので、これも抜粋します。(71ページ)

 ボクだって絶対ガンにならないなどとは思っていない。(中略)ボクがガンにかかる確率は十分に小さいはずだが、ゼロではないんだな。
 ボクと同じような食生活をしたらガンにかかる確率はゼロといっていいほど小さい。

「なぜ、それほどまでに予防に力を注ぐのか」と聞かれたら、私もこんなことを言うでしょう。


最後に、分子栄養学と予防に関して ”ズバッとひと言で” 表しているセンテンスがありましたので紹介します。(105ページ)

とにかく、からだのメカニズムを知ってからだの要求する物質をとっていれば、おかしなことにならずにすむことが多いんだな。

2018年5月4日金曜日

10年後も20年後も・・・

おはようございます。GW中ですので、今回は栄養とも人体とも関係のない私ごとを綴ります。

学生時代に所属していた音楽団体のOB・OG向け会報(年2回)があり、先日、春号が届きました。
なんと105年も続いているクラブなんです。卒業後何十年を経ても、OB・OG間が強い絆で結ばれています。

沖縄に住んでいる私にとっては、じっさいに会える機会が限られていますので(大学は東京で、多くの人が首都圏近辺に在住)、OB・OGや現役部員の動静を知らせてくれる会報はありがたいかぎりです。
編集に尽力なさっているOB諸氏には頭が上がりません。


この号に、僭越ながら寄稿させていただきました。
私の代までは昭和卒、一学年あとになると平成卒です。
来年になり元号が変わると、いよいよ旧世代になってしまいます。


卒業して30年ですから、現役時代も含めて、もう書きたいことは山ほどあります。
しかし、字数制限があります。
こういうときの原稿は、じつに難しい。文章力を試されます。


近況については、ギュギュッとコンパクトに記しました。
「今、○○の仕事に精を出している」と胸を張って言えるものがあってよかった、とつくづく思います。この年代になると意外とそうでない人も多い、と聞きますので。

願わくば、10年後も20年後も、「今、グラウンドゴルフに精を出しています」ではなくて、今回と同じ言葉が言えることを目指したいものです。


昨日読み終えた本、『医学常識はウソだらけ・実践対策編』(三石巌著)の最後の方にこんな一節が書いてありました。

(高齢になったときに)俳句を楽しむのも、囲碁を楽しむのも、スポーツを楽しむのも、カラオケを楽しむのも結構だ。
 しかし、楽しみと生きがいとをごっちゃにしてはいけない。


もちろん、人それぞれでよいと思います。ただ私は、上の見解に同感です。

2018年5月1日火曜日

汗でデトックス?

先日見掛けた記事です。

汗は、果たして毒出しの効果があるのか。
この記事に関する、私の見解は

当らずとも遠からず といった所でしょうか。

体から排出する老廃物の手段とおおよその割合は以下の通りです。

便     75%
尿     20%
汗      3%
髪・爪     2%

汗が3%とは、かなり少ないような印象です。
ただし、75%を占める便に含まれる老廃物は、食事から発生した未消化物や大腸内の悪玉菌など。つまり、腸から吸収されて一度も血液中に入っていないものがほとんどです。
これを同列に扱って尿や汗のパーセンテージを出す、ということ自体が少し無理があるかもしれません。仮に、便を除いた3つで百分率に直すと、汗は12%ということになります。

いずれにしても、相対的には少ないようです。なぜこのレベルに留まるのかというと、
汗の成分の99%は水分だからです。
残りの1%の7割前後は、塩分(塩化ナトリウム)やカルシウム、マグネシウム、亜鉛、重炭酸イオンなどのミネラルや電解質です。


残りの残り。おそらく全体の0.3%以下が老廃物ということになります。が、これも添加物や薬物、水銀などの有害ミネラルといった外部から侵入してきたものではありません。乳酸や尿酸など、エネルギー代謝の際に体内で発生した老廃物がほとんどです。
写真の記事に、「普段の食生活で体内に取り込む汚染物質のうち、汗で出る量は0,02%に過ぎません」と書いてあるのは、そういうことでしょう。

では、そもそも汗の役割は何でしょうか?

汗のもっとも重要な役割は体温調整です。
体温が一定以上に上昇しようとしたときに、発汗によって36,5℃付近まで戻すことです。恒常性(ホメオスタシス)の一環といえます。
この機能を備えていなければ、熱が籠って生命の危機に陥ります。

温熱療法で大量に汗が出ているということは、しっかり体が温まって深部体温が上がろうとしている証左です。
体の芯まで冷えている人の場合、1~2回目ではほとんど汗が出ないことがあります。それは、体温調整が必要なほど体が温かくないことを意味します。