2018年7月17日火曜日

人も犬も「予防にまさるものはなし」②

犬の栄養学を学習していくと、さまざまなことが分かってきました。

ドッグフードの原材料表記を見ると、人の食品には必ず表記義務がある、タンパク質、脂質、炭水化物の含有量のうち、炭水化物が抜けています。
※灰分とはミネラルのことです。

どういうことなのか、調べてみると、

・犬は炭水化物(糖質)の消化酵素アミラーゼを持たない。したがって、糖質を消化することはできず、糖質が含まれていても犬の栄養にはほとんどならない。
そのため、表記義務から外されているのでしょう。

その代わりに重要になってくるのが、タンパク質。タンパク質は大量に大量に必要です。
なんだか分子栄養学とあまり変わりません。

少し違うのは、
・犬にとっての必須アミノ酸は、人の9種類にアルギニンを加えた10種類であること。
消化率がよいのは肉や魚の動物性タンパク質で、植物性タンパク質の消化率は極端に落ちる。

驚いたのは、肉や魚よりも消化率にすぐれるのはであること。

しかも、卵はほぼ糖質ゼロ(60g中、わずか0.2g)の食品ですので、その点でも犬向きです。

さらに、卵にはビタミンCを除くすべてのビタミン、およびミネラルが含まれます
そのビタミンCは、犬の場合は体内で適量を合成できるので問題ありません。
(霊長類を除く哺乳類は、ビタミンCを自ら合成できます)

ただし、生卵は厳禁。卵白に含まれるアビジンという成分が、ビタミンB群の一つビオチンの吸収を阻害するからです。
これは、人の場合も同じです。


現在のご飯は、卵1個を1日3回に分けてそぼろ状にして、ドッグフード(これも商品を吟味中)に混ぜています。


もう一つ大切なのがカルシウム。カルシウムは、体重1kg当たり100~120mgグラムくらい必要だと言われています。愛犬は今1.3kgなので、130~150mgくらい必要です。
ちなみに、成人男性の推奨量が1日600mgなので、体重当たりにすると10倍強になります。

そこで、カルシウム豊富な卵の殻を煮沸殺菌したのち粉砕し、粉にしたものをそぼろ卵にホンの少量混ぜることを始めました。
煮沸しないと、サルモネラ菌、もしくは次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤が残留している可能性があります。

殻のカルシウムは吸収にすぐれ、これは人にも有効だという研究もあります。

ちなみに、Mサイズ卵の殻1個分には約2g(2000mg)のカルシウムが含まれます。



愛犬チョコは、ヒトの年齢に直すと2歳未満。今から栄養に配慮した食事を与えてあげれば、病気をせずに長生きするでしょう。
長寿も大切ですが、なにより病気をしないでほしいと願います。
(リラックスし過ぎ)

安価なドッグフードに比べればコストも手間ひまも掛かりますが、つまるところ、それは高額な医療費が不要になります。
その考え方は、人とまったく同じです。


そんな気持ちを知ってか知らずか、チョコは幸せそうです。

2018年7月12日木曜日

人も犬も「予防にまさるものはなし」

先日、我が家に仲間が加わりました。
トイ・プードルとダックス・フンドのミックスで略称ダップーと言うそうです。

生後3か月のメス。非常に賢く、活発で甘えん坊。
甘えん坊なので「チョコ」と名付けたのですが、実際のところチョコは犬には与えてはいけない食べ物なんだそうです。中毒症状を起こすとか。

飼い主同様に、犬も食事が大切です。もちろん、運動や歯磨き、ストレス解消も。
食事については、内容もそうですが、甘やかして食べ過ぎると、すぐに糖尿病になってしまいます。

今のペットは、人が掛かる生活習慣病のほとんどを発症するようです。
そうならないように気に掛けなければいけない対象が、また1匹増えました。

2018年7月7日土曜日

研修担当として

水曜日から金曜日まで、急な出張で愛知県春日井市に行ってました。
私はかつて1年間だけ名古屋市に住んでいましたが、愛知県を訪れたのはそれ以来、15年ぶりのことです。

当時の空の玄関口は名古屋空港でしたので、中部国際空港(セントレア)に降り立つのは始めてです。とても洗練されたターミナルビルですが、一番端っこのゲートになってしまうと、じつに遠い!
行きの飛行機が遅れた都合で、300mのダッシュになってしまいました。



今回の目的は、施療実技のフォローアップ。細かな事情は長くなるので省略しますが、5年前に研修を受講された加盟店オーナーを訪ねました。
自分が研修を担当した方と5年ぶりにまとまった時間を過ごすと、さまざまなことに気づかされます。

・ 5年間、研修で伝えた通り、基本に忠実な施療をしていたこと。
・ 一方この5年間で、私の解剖学の学習にともなって、変更・改良を加えた箇所が数点あったものの、それを伝える機会がなかったこと。
・ 施療以外のことでも、伝えたいことはたくさんあり、また先方も聞きたいことが数多くあったということ。

とくに、最後の1対1のコミュニケーションはとても大切です。全国の加盟店が集まる研修では、どうしても1人1人と話せる時間は限られます。
もちろん私も体一つなので、すべての店舗に出向いて同じことを行うことはできません。それでも、仕事の組み方、スケジュールの組み方をさらに工夫して、このような時間を生み出していきたい、とあらためて感じました。


2018年7月2日月曜日

下半期もやることいっぱい

昨日は久しぶりにシネコンで映画を楽しみました。
一昨年の本屋大賞作、『羊と鋼の森』。若手ピアノ調律師の成長を描いた、人間模様のストーリーです。
かつてピアノと関わる仕事をしていた私にとっても、大変興味深く、また感銘を受ける作品でした。



さて、今年も後半に突入しました。皆さんの上半期はいかがでしたか?

私はというと、3月の新潟講習(生理学)、5月の東京講習(分子栄養学)、6月の本院研修2件を軸に過ぎて行きました。新潟講習も東京講習も2日間ずつの研修でしたが、それぞれの内容に対応したテキストを新たに作成したため、結構な準備時間を取りました。

それでも、そのテキスト作成の過程が勉強そのものですので、きわめて充実した時間ではあります。そこで勉強したことは、次回以降の研修でまた違う研修生の方に伝えることもできます。

同じテキストを用いて全く同じことを繰り返す、という手を抜く方法もありますが、どうも私の精には合わないようです。
また秋の講習に向けて、着々と準備を進めています。



秋に向けて勉強していることの一つが、もはや「わからない」では済まされない糖質制限食
糖質制限食は、なにもダイエットに限らず、うつ、パニック障害、自律神経失調症などのメンタル疾患には欠かせない食事療法になっています。

それだけではなく、十分に学習してプランを練り上げて実行したならば、がんや糖尿病に対する最強の食事療法になる可能性を秘めています。がん細胞を増殖させるのはブドウ糖のみ、血糖値を上げるのもブドウ糖(正確には糖質)のみだからです。

ただ、理屈は明快にもかかわらず、その実践はかなり難しいと言えます。糖質を大幅にカットした分のカロリーを、残るタンパク質と脂質でカバーするのが意外と高いハードルだからです。
結果としてエネルギー不足になった場合、代謝・免疫がダウンして逆効果になります。
(先月の地元紙の記事)

したがって、見よう見まねで行うのは危険です。某ノンフィクション作家や福岡県の大物政治家が、糖質制限食を続けたあとに亡くなったという話があります。海外の研究論文などでも、糖質制限食が死亡率を上昇させている、という事例が複数あります。

失敗に終わらない正しい糖質制限食をただいま研究中です。この成果を琉球温熱療法の強力な援軍アイテムにする。これが秋に向けての大きなテーマになりそうです。

が、その前に研修がまた一件決まりました。今年下半期もやることいっぱいです。

2018年6月27日水曜日

本当に伝えたいこと

約1週間の短期集中型の研修が終了しました。
今回の受講生は4名。東京から2名、神奈川から1名、沖縄県内から1名という構成。立場も、開業を控えた人、アシスタント施療師、すでに十数年の経験があるベテランの人とさまざまです。

実質5日半の中で、生理学と分子栄養学の学科講習、エネルギー測定&屋比久院長のカウンセリング、最後は私の施療実技演習で終えるという、目一杯盛り込んだ内容になりました。



分子栄養学講習でもっとも伝えたいことは、その具体的な内容もさることながら、「琉球温熱療法は熱と栄養の2本柱」という基本的な考え方、哲学です。
温熱だけでは不十分、栄養だけでも片手落ち。その両輪がうまくかみ合って回ったときに、健康レベル、代謝レベルが飛躍的に向上する、疾病が緩和、治癒の方向へと動き始めるということです。

このことを骨の髄まで理解して勉強を積み重ねた加盟店は、大きく伸びる可能性がある。そうでない加盟店は苦戦する、低空飛行に甘んずる可能性が高い。
伝えたいのは、そこです。
かく言う私も、それを理解できたのは店舗を始めて数年たってのことです。だからこそ、研修で関わった人には私のような回り道をしてほしくないという強い思いを持っています。

今回の受講生は、このあとどのような道を辿っていくでしょうか。
温かく見守りましょう。

2018年6月21日木曜日

怪しげな本

健康関連本、食事関連本は、毎月多数の新刊が出版され、玉石混交の様相を呈しています。
先日、書店で見つけた本はコレ。
正直なところ、これは「買ってはいけない」本です。

表紙の帯には、こんなフレーズが書かれています。
言ってみれば、常識の逆をいっています。なんか”売れる”臭いがします。
でも、これは「読むと逆効果」です。

それでも、少しだけ中を読んでみると、

×朝食に和食・・・和食は塩分が多いから(えっ、それだけ!)
 和食のプラス面はほとんど触れていません。また、洋食のプラスマイナスに関する記述もありません。
 別のページには、「塩などの調味料は殺菌効果があるので、弁当のうす味はよくない」。昼食であれば、塩分が多くてもよいということでしょうか?

×野菜から先に食べる・・・野菜に含まれるビタミンCやビタミンB群は、空腹時に摂ると体内蓄積時間が少なくなる ???
 では、何から先に食べたらよいのでしょうか? ビタミンB群は、肉や魚、卵、大豆食品など、主菜となりうるほとんどの食品に含まれています。
 ビタミンB群も含まれていないものといえば・・・ご飯(白米)。それでは時代と逆行もいいところです。

×食物繊維たっぷり・・・過剰な摂取はカルシウム、マグネシウム、亜鉛などミネラルの吸収を妨げる。
 これについても別のページでは、「健康的な快便のためには1000kcalに対して10gの食物繊維を摂ることが望ましい。毎日野菜をたっぷり食べるようにしていれば、自然と食物繊維もしっかり摂れるはずです」とまるで一貫性がありません。

 ようは、売りたいがために表紙と帯にショッキングな文言を印刷している、ただそれだけの本です。一部の民放健康番組みたいです。

 たとえば、食品のマイナス面を一つでも見つけて「これは食べない方がよい」と言うのであれば、ほぼすべてのものが食べられません。肉も魚も卵も乳製品も、そして米も小麦も。
 現実的には、食品や食べ方について多くのプラスマイナスを天秤に掛けて、最大公約数的な判断をするしかないと考えます

 そのためには、普段からたくさん勉強するしかありません。上のような本に右往左往されないように。
 この本、もちろん買ってはいません。立ち読みで十分です。
 みなさん、ぜひ良書を選んで読んでください。


 今日から約1週間の研修です。今回は分子栄養学が中心の学科講習。
 受講生は首都圏から3名、県内から1名の計4名。この方々には、上のような本に惑わされない実力をつけていただきたいと願っています。

2018年6月15日金曜日

怪しげなロジック

少し前の週刊誌に掲載されていた記事です。

これについての補足は後日のブログで書くとして(忘れなければ)、今回は別の組み合わせについて、個人的な意見を書いてみます。

「あつあつご飯と生卵の組み合わせ」はよくない、ということを2~3か月前にテレビ番組で取り上げていました。
もちろん答えは となるわけです。

数々の著書で有名な医学博士の白澤卓二氏が解説していました。
「納豆には血栓を溶解させるナットウキナーゼという酵素が含まれる。ただ酵素は熱に弱く、おおむね70℃くらいで活性が弱くなる。あつあつご飯は80℃前後なので、混ぜて食べるとナットウキナーゼの恩恵を受けられなくなる」。
(一言一句同じではありません。だいたいこのような内容のことを話していました)

ん?

ということは、80℃のご飯に混ぜると納豆も80℃くらいまで上昇する、ということか?

であれば、42℃の湯船につかっていたら、その人の体温も42℃に!?

そうであれば、がん患者さんは1回お風呂に入ればガン細胞が消える(ガン細胞は42℃以上で死滅すると言われています)ということになってしまいます。

そんなワケないですよね。

ちなみに琉球温熱療法の施療は、温熱器72℃を標準として1時間前後熱入れし、温熱ベッドや温熱ドームとの相乗効果で体を温めますが、施療前と施療後の体温差は平均で1.0℃前後です。
(相当な個人差がありますが、2.0℃上昇することは滅多にありません)
人体の場合は、体温が一定以上に上がると防御反応で発汗して放熱します。同列には論じられませんが、熱の拡散(移動)とはこの程度のものなのです。

そもそも炊飯ジャーから出したご飯は、その瞬間から冷め始めます。一方、冷蔵庫から出したばかりの納豆は10℃以下、もしくは10数度だと考えられます。
その納豆がご飯と混ぜて70℃以上まで一気に上昇する。これはもうナンセンスとしか言いようがありません。

むしろ、

酵素は37℃から45℃の間でもっとも活動すると言われています。あつあつご飯と混ぜることによって納豆の温度が多少上がり、あわよくば37℃まで上昇してナットウキナーゼの酵素活性がアップすれば儲けものです。
けれども、37℃までも上がらないと私は思います。確かめたわけではありませんが。

2018年6月8日金曜日

課題がまた一つ

3日間の短い実技研修が終わりました。

今回の受講生は、8年前すでに加盟店研修を終えていて、三重県津市で2年間現場に携わっていた方です。その後、「もっと深く学びたい」ということで柔道整復師の学校に通い(3年間)、国家資格を取得、接骨院で経験を積んでいました。

この秋、名古屋で独立開業する予定となり、そのタイミングで琉球温熱も復活させたいという嬉しい知らせをいただきました。
3日間の研修は、約6年間のブランクを埋める再研修という意味合いでした。

3年間、必死に勉強されただけあって、話をしていて私の方が学ぶことも多々ありました。
日頃、生理学をそれなりに勉強しているつもりでも、筋肉系や骨格系は意外と盲点になりがちです。こういう方と話をしていると、その弱い部分が浮き彫りになります。

肩こり一つとっても、「どの筋肉とどの筋肉が、どこでどのようにつながっていて・・・」といったボディメカニクスを知っていないと、効果的な施術ができない可能性があります。
次の課題が見えた、なんだか自分にとって有意義な研修になってしまいました。

この方の店舗は、10月下旬から11月上旬くらいに、名古屋市名東区で開業予定です。

2018年6月4日月曜日

分子栄養学講習③

前回(昨年11月)に続き、今回の講習でも血液検査データの読み取りを学習しました。
タンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、コレステロールに加えて、初日に勉強した、そして亜鉛の過不足を推定していきます。

栄養素の過不足以外にも重要なことが読み取れます。
たとえば、尿素窒素BUNとクレアチニンCre の相対比から「脱水」または「上部消化管出血」の疑いが浮上します。上部消化管とは、食道、胃、十二指腸のことです。

これがなぜ大事かというと・・・。

脱水は、温熱療法にとって身近な存在です。
温熱療法は、言うまでもなく大量の発汗を促がします。水分補給をしなければ脱水症状を招きかねません。
ところが、ご高齢になればなるほど喉の渇きの感覚が鈍くなってきます。体は脱水に向かっているのに、それでも水を飲みたいと感じなくなるのです。

じっさいに温熱施療をやっていると、終了時に水をひと口もふくんでいない高齢者をしばしば見掛けます。これが非常によくないのです。
血液検査データから脱水を推定できる場合には、念には念を入れて水分補給をお願いすることができます。未然の事故防止策です。

上部消化管出血があると、一定量のヘモグロビンが流出するわけですから、鉄に関する検査データは軒並み下降します。
この場合の対策は、とにかく鉄を入れろ、にはなりません。入れることも大切ですが、流れる方を止めなければいけません。
つまり、上部消化管出血は摂取不足ではない鉄欠乏の推定に役立ちます


このパターンは、タンパク質でも近いケースがあります。
今回の受講者のなかに、食事ではしっかりタンパク質を摂っているはずなのに、検査データでは相当なタンパク不足が見られた方がいました。
考えられるのは消化不良です。摂っている程に吸収されていない可能性があります。

もしそうだとしたら、打てる手は「もっと入れろ」ではなく、消化の改善です。
消化酵素を飲むのもよし、腸粘膜のエネルギー源であるグルタミンを入れるもよし。あるいは、卵は半熟で、消化にすぐれた納豆を強化、など調理法や食材で消化を改善するのも一つ。
もちろん、腸の熱入れは欠かせません。

このように血液検査データを読めるようになってくると、少しずつお客様に的確なアドバイスができるようになります。
かく言う私も、まだまだ勉強不足。意識を共有する加盟店同志の方たちと、今後も研鑽を積んでいきたいと考えています。

2018年5月30日水曜日

分子栄養学講習②

講習初日終了後は恒例の懇親会。3時間近く、それぞれ思いのたけを語りまくり、または笑い飛ばし、翌日への鋭気を養いました。
分子栄養学講習・実践編。2日目の大きなテーマは、メンタルおよび脳の疾患について。
具体的には、うつ、パニック障害、自律神経失調症、統合失調症、認知症、パーキンソン病、てんかん、などです。

琉球温熱療法院にいらっしゃる方の疾患は、がんや糖尿病、または高血圧や動脈硬化、動脈硬化が引き金の心臓病や脳卒中といったものが多数を占めます。
メンタル疾患というと、ややもすると縁遠いようにも感じます。

しかし、アメリカを源流とする栄養療法(オーソモレキュラー)は、そもそもは精神疾患の治療から始まり、領域を広げてきたという歴史があります。
その理由はわかりません。これは私の推測ですが、がんや糖尿病が紛れもなく全身病であるのに対して、脳という限定された部位の疾患のため栄養摂取の効き目が出やすいのではないでしょうか。

メンタル疾患に必要な栄養素は、タンパク質(なかでも、うつ・パニック障害の場合は、必須アミノ酸であるトリプトファン)、初日に勉強したビタミンB群(とくにB6は大切)がまず挙げられます。
疾患によっては、これにコレステロール、ビタミンE、亜鉛といった栄養素が加わります。

前回(昨年11月)と今回の講習で「血液検査表の分子栄養学的な読み解き方」を学習していますが、これを使えば上記の栄養素はすべて、その過不足を推定することができます。
講習を受講してマスターした方は、メンタル疾患のエキスパートへの第一歩を踏み出した、と言えるでしょう。



もちろん、温熱療法もメンタル疾患と無関係ではありません
メンタル疾患を抱えている方のほとんどは、ストレスや不眠などで自律神経のバランスを崩して、交感神経が優位になっています。交感神経が優位な状態では、血管は収縮して血流が滞ります。
つまり冷えがあるということです。「冷えは万病の元」はここでも当てはまります。

また、アルツハイマー型認知症のように、血流の悪化が症状を促進していると考えられる疾患もあります。
そして何より、上に挙げた栄養素も、毛細血管を流れて末端の細胞までしっかり届かなければ効果半減になってしまいます

メンタルおよび脳の疾患においても「熱と栄養」がカギであることに変わりありません。

2018年5月25日金曜日

分子栄養学講習①

20日~21日の2日間、都内にて「分子栄養学講習・実践編」を開催しました。昨年から続く連続講座で、今回が4回目です。

当初は、このように何回も行う予定はなかったのですが、受講者の皆さんの旺盛な学習意欲に乗せられて、「次もやろう。もっと突っ込んだ内容を、少しレベルを上げたことにもチャレンジしよう」という気になり、ここまで到達しました。

じっさいに、向上心溢れる方々に囲まれて一緒に勉強するのは、私にとってもテンションマックスの時間です。その日が近づくにつれて、準備作業に追いまくられながらも、気持ちの高ぶりを抑えられません。

今回は、初回から学習を積み上げている加盟店関係者に加えて、新しいメンバーが3名加わりました(4/17付ブログで紹介)。むずかしさもありましたが、新鮮な息吹を感じながら進めるのも、これはこれで楽しいものでした。


初日、重点的に学習したのは「鉄」
三石分子栄養学の3本柱は、①メガタンパク ②メガビタミン ③スカベンジャー (5/7付ブログ)ですので、ミネラルに属する鉄は、後塵を拝しているようにも思えます。

しかし、分子栄養学が目指すところの一つが「代謝アップ」であることを考えれば、鉄欠乏の状態でそれを達成することは到底かなわないと言わざるをえません。
鉄のもっとも重要な役割は酸素の運搬。ヘモグロビンに結合する鉄が不足すると、体の末端まで酸素が届かなくなります。

これはエネルギー代謝が滞ることを意味します。このエネルギー代謝こそが生命活動の根幹であり、生物にとってもっとも大切な代謝はエネルギー代謝だからです。
ここに、ビタミンCやEと同様、鉄に関しても時間を掛けて学ぶ必要を感じます。

多くの受講者には、予備学習として『貧血大国・日本』(山本佳奈著)および『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった』(藤川徳美著)、近著である『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』(溝口徹著)を読んできていただいたので、掘り下げた内容で、かつ活発なやりとりのある時間となりました。

貧血を見る血液検査項目としては、赤血球RBCヘモグロビンHbが知られています。この2つは多くの健康診断でも含まれています。
これで鉄の過不足が判断できれば問題ないのですが、実際にはそうもいきません。そこで、さらに幅広い知識が必要になります。

上の2つ以外に鉄の過不足を推定できる項目として、フェリチン(貯蔵鉄)があります。フェリチンは、小腸上皮細胞や脾臓、肝臓、肺や膵臓などに貯蔵されている鉄のことです。
フェリチンの項目があれば、RBCやHbでは見えてこない潜在的な鉄欠乏が明らかになってきます。

ただ、①フェリチンは基本的にオプション検診のため血液検査表にない場合が多い ②フェリチンは体内で炎症を起こしている場合には大きく上昇する、といったことがあり、さらに他の項目に頼らなければいけないケースが出てきます。

他の貧血に関わる項目としては、Ht(ヘマトクリット)、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、さらにはFe(血清鉄)、TIBC(総鉄結合能)、UIBC(不飽和鉄結合能)といったものもあります。

これらを組み合わせて鉄の過不足を読み解きます。さぞかし難しそうに思えますが、一度読み方を覚えてしまえばそうでもありません。
鉄欠乏でエネルギー代謝が滞れば、ありとあらゆる不調を引き起こす可能性があります。受講された皆さんがそれを見抜いて、現場でカウンセリングしていただくことを願っています。


今回は、講習に集中するあまり、写真をまったく撮っていません。
まあ4回目ですし、いつも同じような写真なので、あらためて載せるまでもないでしょう。
(つづく)

2018年5月15日火曜日

GWに読んだ本③

もう1冊、連休に読んだのがコレです。
せっかくのGW、栄養学と生理学の本だけではもったいないですので。

帯に写っている著者の背景は、パリ・オランジュリー美術館の「睡蓮の部屋」。
↑    ↑    ↑
             オランジュリー美術館・入口

卵型の部屋に晩年のモネが描いた超大型の「睡蓮」が4枚。これが2部屋並んでいます。
数少なくなった「生きているうちに、どうしても観たい絵」の1つ(計8枚)です。

ちなみにモネは200枚前後の「睡蓮」を描いています。どれ一つとして同じものはありません。
国内には12箇所の美術館に所蔵されています。

モネが描写したかったのは、「睡蓮」ではなくて「水面」です。光の微妙な違いがもたらす色彩の移ろいが水面に映し出されています。 




前回の「体内時計」の関連記事が地元紙に載っていました。
激務等による平日の睡眠不足と、それを補う週末の寝だめを繰り返す睡眠変動のことを「社会的ジェットラグ(時差ぼけ)」と呼ぶそうです。
たしかに週末の寝だめで睡眠時間の帳尻は合いそうです。

しかし、これはもう体内時計が不安定になります。すると、自律神経やホルモンのバランスが崩れて、そこから肥満、血糖値の上昇、心の病など、あらゆる不調を引き起こします。
朝の光を浴びて体内時計をリセットすることも大切ですが、記事には夕方以降のブルーライト(パソコンやスマホなど)が体内時計を後退させる、とも書かれています。

私も、若い頃は体内時計が乱れまくった生活でしたが、若かったゆえ何とか病気にならなかっただけだと考えています。
現在、早寝早起きは問題ありませんが、夜のスマホ・・・そんなに長くはありませんが、もう少し控えたほうがいいかもしれません。


しっかりと体調を整えて、週末からは東京で栄養学講習です。

2018年5月11日金曜日

GWに読んだ本②

ゴールデン・ウイークは栄養学の本を1冊、もう1冊は生理学に関する本を読みました。
体内時計を取り上げた、結構おもしろい内容で、やさしく書いてある生理学の本です。
この本では、健康長寿の秘訣として体内時計、自律神経、ホルモン、毛細血管の4つの要素を挙げています。
この4つが有機的につながり、影響を与えながら、絶妙のバランスの上に私たちの健康、そして若さが成り立っていると述べています。
(この本では栄養に関してはほぼ触れていませんが、それは別の本で勉強するとしましょう)

毛細血管については先月のブログに書きましたので、ここでは割愛します。
自律神経やホルモンバランスの崩れが体の不調をまねく、ということも今さら説明するまでもないと思います。知っておきたいことは、自律神経もホルモン(内分泌系)も、その中枢部、司令塔としての役割を担うのは、脳の中の視床下部という部分で共通であるということです。
そのため、自律神経の乱れはホルモンバランスの乱れにまで影響が及び、その逆も然りということになります。

興味深かったのは体内時計。不規則な生活習慣が体によくないことは、感覚的には分かるはずです。
この本では、それを自律神経、ホルモン、毛細血管との関連で解説しています。
遅寝遅起きの人、昼夜逆転の人、睡眠が浅い人などは一読の価値がありそうです。


2018年5月7日月曜日

GWに読んだ本①

大型連休が終わりました。
私は例年通り、アニバーサリーのランチをのぞいては、仕事と読書の日々でした。少し遠出しても、県民+観光客でどこもかしこも雑踏ばかり。苦手です。


連休に読んだ本。まずはコレ。

右下隅に「最新刊」と印刷されていますが、著者は21年前に亡くなっています。
この作品は、1993年に刊行された『1901年生まれ、九十二歳、ボクは現役』を改題・修正し、文庫化したものです。

三石巌氏の分子栄養学の要諦は
1.メガタンパク(タンパク質をたっぷりと)
2.メガビタミン(ビタミンを浴びるように)
3.スカベンジャー(活性酸素を除去する栄養素)
この3本柱です。

基本的にどの本でも、このことが強調されています。3本柱の解説に多くのページが割かれています。そして、この本でも同じです。
であれば「そんなに何冊も何冊も買うことはないじゃないか」と言われそうです。

それでも買って読んでしまうのは何故なんだろう、と自分でも思わなくはないのですが、これがその答えかな、と思われる一節があったので抜粋します。(63ページ)

 ボクの本は、読んだときはわかった気になるけど、あとになってみると、わかっちゃいなかった、とよく言われる。
 これはなぜか。ボクの説明は一応すじ道が通っている。これは論理的ということだ。だから、読んだ時はわかるんだ。もしそのすじ道がそらでたどれたら、それはわかったことになる。それには一回読んだだけじゃだめだ。二回でもあやしい。五回も十回も読んだら、誰だってわかるようになる

現実には、同じ本を五回も十回も読んでいたら次第に飽きてきます。だから異なった本を読み、違った表現で、違った事例で、でも結局は同じことを説明してくれるくらいが無理なく学習できてよいのかもしれません(神代説)。


もう一つ引用。著書のなかで、100%共感できる、私も日頃まったく同じことを考えている、という箇所がありましたので、これも抜粋します。(71ページ)

 ボクだって絶対ガンにならないなどとは思っていない。(中略)ボクがガンにかかる確率は十分に小さいはずだが、ゼロではないんだな。
 ボクと同じような食生活をしたらガンにかかる確率はゼロといっていいほど小さい。

「なぜ、それほどまでに予防に力を注ぐのか」と聞かれたら、私もこんなことを言うでしょう。


最後に、分子栄養学と予防に関して ”ズバッとひと言で” 表しているセンテンスがありましたので紹介します。(105ページ)

とにかく、からだのメカニズムを知ってからだの要求する物質をとっていれば、おかしなことにならずにすむことが多いんだな。

2018年5月4日金曜日

10年後も20年後も・・・

おはようございます。GW中ですので、今回は栄養とも人体とも関係のない私ごとを綴ります。

学生時代に所属していた音楽団体のOB・OG向け会報(年2回)があり、先日、春号が届きました。
なんと105年も続いているクラブなんです。卒業後何十年を経ても、OB・OG間が強い絆で結ばれています。

沖縄に住んでいる私にとっては、じっさいに会える機会が限られていますので(大学は東京で、多くの人が首都圏近辺に在住)、OB・OGや現役部員の動静を知らせてくれる会報はありがたいかぎりです。
編集に尽力なさっているOB諸氏には頭が上がりません。


この号に、僭越ながら寄稿させていただきました。
私の代までは昭和卒、一学年あとになると平成卒です。
来年になり元号が変わると、いよいよ旧世代になってしまいます。


卒業して30年ですから、現役時代も含めて、もう書きたいことは山ほどあります。
しかし、字数制限があります。
こういうときの原稿は、じつに難しい。文章力を試されます。


近況については、ギュギュッとコンパクトに記しました。
「今、○○の仕事に精を出している」と胸を張って言えるものがあってよかった、とつくづく思います。この年代になると意外とそうでない人も多い、と聞きますので。

願わくば、10年後も20年後も、「今、グラウンドゴルフに精を出しています」ではなくて、今回と同じ言葉が言えることを目指したいものです。


昨日読み終えた本、『医学常識はウソだらけ・実践対策編』(三石巌著)の最後の方にこんな一節が書いてありました。

(高齢になったときに)俳句を楽しむのも、囲碁を楽しむのも、スポーツを楽しむのも、カラオケを楽しむのも結構だ。
 しかし、楽しみと生きがいとをごっちゃにしてはいけない。


もちろん、人それぞれでよいと思います。ただ私は、上の見解に同感です。

2018年5月1日火曜日

汗でデトックス?

先日見掛けた記事です。

汗は、果たして毒出しの効果があるのか。
この記事に関する、私の見解は

当らずとも遠からず といった所でしょうか。

体から排出する老廃物の手段とおおよその割合は以下の通りです。

便     75%
尿     20%
汗      3%
髪・爪     2%

汗が3%とは、かなり少ないような印象です。
ただし、75%を占める便に含まれる老廃物は、食事から発生した未消化物や大腸内の悪玉菌など。つまり、腸から吸収されて一度も血液中に入っていないものがほとんどです。
これを同列に扱って尿や汗のパーセンテージを出す、ということ自体が少し無理があるかもしれません。仮に、便を除いた3つで百分率に直すと、汗は12%ということになります。

いずれにしても、相対的には少ないようです。なぜこのレベルに留まるのかというと、
汗の成分の99%は水分だからです。
残りの1%の7割前後は、塩分(塩化ナトリウム)やカルシウム、マグネシウム、亜鉛、重炭酸イオンなどのミネラルや電解質です。


残りの残り。おそらく全体の0.3%以下が老廃物ということになります。が、これも添加物や薬物、水銀などの有害ミネラルといった外部から侵入してきたものではありません。乳酸や尿酸など、エネルギー代謝の際に体内で発生した老廃物がほとんどです。
写真の記事に、「普段の食生活で体内に取り込む汚染物質のうち、汗で出る量は0,02%に過ぎません」と書いてあるのは、そういうことでしょう。

では、そもそも汗の役割は何でしょうか?

汗のもっとも重要な役割は体温調整です。
体温が一定以上に上昇しようとしたときに、発汗によって36,5℃付近まで戻すことです。恒常性(ホメオスタシス)の一環といえます。
この機能を備えていなければ、熱が籠って生命の危機に陥ります。

温熱療法で大量に汗が出ているということは、しっかり体が温まって深部体温が上がろうとしている証左です。
体の芯まで冷えている人の場合、1~2回目ではほとんど汗が出ないことがあります。それは、体温調整が必要なほど体が温かくないことを意味します。

2018年4月27日金曜日

貧血

一昨日のNHK「ガッテン」で貧血を取り上げていました。
貧血は一般に考えられている立ちくらみの症状に限定されたものではなく、なんとなくだるい、疲れがとれない、集中力が出ない、肩こり、肌荒れ、爪の異常など、あらゆる症状を引き起こすことを解説していました。
わかりやすい内容の番組でした。

貧血の原因として意外だと思われているのが、手足が受ける強い衝撃。衝撃によって赤血球が少しずつ壊れて、中の鉄(ヘモグロビン)が流れ出してしまいます。

番組では帝京大学ラグビー部を例にとっていましたが、ラグビーほど激しくなくても体操、走り幅跳び、バレー、バスケットなど、ジャンプ(着地)をともなう競技は衝撃による貧血が日常的に起こり得ます。

中高生の運動部や大学体育会に所属する女性部員には、このケースで貧血に悩んでいる人が多いと聞きます。顧問の先生が勉強さえしていれば解決できる問題なのですが。

貧血をさらに深く、もっと広く学習したい方にお薦めするのが、この本。
帯で出版社が隠れていますが、光文社新書です。

番組で扱った「衝撃」についても、第九章「アスリートと貧血」に詳しく書かれています。帝京大学ラグビー部のことも。
この本を参考に番組をプロデュースしたのかもしれません。

興味のある方はGWに一読してみては。

鉄に関しての基本的な知識は過去ブログで

2018年4月22日日曜日

残留農薬

イチゴが旬の季節です。
もっとも甘く、もっとも安い、夏のマンゴーと並んでフルーツ的には一番いい時期かもしれません。
最近は沖縄でもハウス栽培でイチゴが収穫されているようです。ただ生産量が少ないため、スーパーで購入するのは九州産のものがほとんどです。
九州産といえば、福岡県不動のブランド「あまおう」を真っ先に選んでいましたが、去年からは復興への願いを込めて熊本産のイチゴを意識して選んでいます。


そんなイチゴのシーズンに水を指すような記事を見つけました。
ホントに記事の通りなのかは分かりませんが、相応に農薬が残っているのは間違いないようです。


そうであれば、多少でも除去したいものです。
いくつかあるアイテムのなかで、お手頃なのはコチラ。
ホタテの貝殻を焼成して粉砕、パウダー状にしたものです。どういう原理かは知りませんが、これが農薬を吸着するようなのです。
ボウルに水を溜めてパッとひとふり、数分浸すだけです。果物、野菜以外にも米の農薬除去にも威力を発揮します。

2018年4月17日火曜日

うれしい悲鳴!

東京での分子栄養学講習が約1ヶ月後に迫ってきました。
今回で4回目。内容も、基礎固めの段階から、だんだんと実践的、応用的なレベルに移行しつつあります。
と、そこに・・・

最近アシスタント研修を終えたばかりの、いずれも新しく若い方3名から、「自分も受講したい」との申し出が。

こんなに嬉しいことはありません。未来の琉球温熱を担ってくれるであろう人たちが、積極的に勉強したいと言ってきたのですから。

ただ・・・

この講習は積み上げ式で続けているので、まったく白紙状態の人がいきなり参加するというのは、かなり無理があります。せっかく受講しても、ちんぷんかんぷんのまま終わったのでは申し訳ないし。

それでも、溢れんばかりの意欲と向上心は受け止めたい。また、首都圏エリアにおける昨年からのいい流れに棹さして、さらに盛り上げたい気持ちもあります。

そこで・・・

急きょ予定より1日早く上京して、3人のための予備講習を行うことにしました。
そのあとの講習を何とか7割くらい理解できることを目標とした、応急的な内容です。

こういう講習は、もちろんはじめてです。20日からの本講習よりも難しいような気がしますが、決めたことなのでチャレンジしてみましょう!

ここからの1カ月間は、本講習と予備講習とを並行しての準備です。

2018年4月13日金曜日

10万kmの臓器③

毛細血管の話をもう少し。
2週間ほど前、たまたまNHKでゴースト血管を取り上げた番組を放映していました。
毛細血管の劣化が進むと、まずは外側を取り囲む壁細胞が剥がれ、そして内側の内皮細胞の隙間から血液成分が漏れてしまいます。
こうなってくると毛細血管の役目を果たさなくなり、やがてゴースト化します。
毛細血管のゴースト化が引き起こす疾患は、認知症をはじめ、骨粗しょう症、肝機能、腎機能低下など、さまざまです。
なかでも、認知症は見過ごせません。近年、介護が必要となった原因として、脳卒中を抜いて認知症がトップになっています。
認知症のリスク要因として、大脳の白質病変というものが注目されています。白質病変は脳の虚血性変化、簡単に言えば血の巡りが悪くなることで発生します。
裏を返せば、毛細血管のゴースト化を防ぐことで、認知症も予防できるということです。

丈夫でしなやかな血管を維持するために、たんぱく質を十分に摂り、ビタミンCもたっぷり入れます(血管壁の材料であるⅠ型コラーゲンの生成に必要です)。
そこに血液をしっかり流さなければいけません。日頃から体を温めるのが一番です。
ビタミンEイチョウ葉エキスが、その助っ人として働きます。

2018年4月8日日曜日

10万kmの臓器②

各地で寒の戻りになっているようです。こんなときこそ温熱療法でしっかり温めて、毛細血管をしっかり拡げたいものです。

毛細血管は総延長10万kmとは言いますが、その人の血流の良し悪しで増えたり減ったりします。
筋肉や脳も鍛えなければ衰えるのと同様に、毛細血管もそこにしっかり血液を流してあげなければ、「オラ、あまり使われていないようだから、サボろ~」となって劣化していくわけです。

医療機関等で、爪の生え際の毛細血管を観察出来るスコープがあります。 

血流がよい毛細血管の場合は、1本1本がピンと立って形状がハッキリしています。
血流が悪い毛細血管の場合は、次第に原形をとどめなくなり、
この状態が続くと やがて脱落し、消えてなくなります。


このことを毛細血管のゴースト化というそうです。ゴースト化が進むと細胞への酸素、栄養の供給が滞ります。そういった細胞は生き続けることができなくなります。
毛細血管の減少とともに、細胞もまた数が減少します。
すると、時間を掛けて健康レベルが低下していきます。

それだけ血流は重要です。温熱療法で血管を広げて血流を促進する大切さは、まさにここにあります。
栄養学的には、血管の材料であるタンパク質、血管壁に存在するコラーゲンの生成に欠かせないビタミンCを十分に摂取しなければいけません。
血管を広げるビタミンE脳の場合はイチョウ葉エキスも有効です。

生活習慣でいえば、ストレスは大敵です。交感神経優位の状態では、毛細血管は収縮して血流は悪くなります。
忙しいさなかにも、合い間合い間に緊張を緩める時間を持ちたいものです。とくに夜は、心身ともにリラックスして眠りにつくことが大切です。もちろん運動や入浴も必要です。

毛細血管のゴースト化が起きても、そこから血流と栄養状態が好転すれば毛細血管は復活します。これを読んだ今から、地球2周半分の毛細血管を大事にしましょう。

2018年4月3日火曜日

10万kmの臓器

上の写真は、マイカーの走行メーター。新車3台目にして初めての10万km到達です。
10万kmというと、だいたい地球2周半分です。じっさいには地球の裏側にさえ行ったことはありませんが、前半は九州、後半は沖縄本島という限られたエリア内の運転で、それだけ走行したことになります。
そういえば昔のメーターだとゼロに戻ったので、還暦を迎えたような気分が味わえたのですが、今は普通に6桁に突入してしまいます(残念!)。

メーターの話はそこまで。
生理学の世界で10万kmと聞いてピンと頭に浮かぶ人は、かなり勉強されている方です。
人体で総延長10万kmもの長さを持つ、ある物とは・・・

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毛細血管です。血管には大動脈(静脈)、中動脈(静脈)、小動脈(静脈)、細動脈(静脈)とさまざまな血管が存在しますが、総延長の99%を占めるのは、ごく微細な毛細血管です。
毛細血管は、その外径が10ミクロン(0.01mm)、内径はわずか5ミクロン(0.005mm)。その中を赤血球などが流れて、体の隅々の細胞まで酸素や栄養を届けます。

全身のどの細胞も、毛細血管から30ミクロン(0.03mm)以内に存在しています。近くの毛細血管から流れてきた血液から酸素や栄養を受け取り、逆に二酸化炭素や老廃物を渡します。
細胞は、その生存自体を毛細血管に依存しているといっても過言ではありません。

毛細血管は全身に張り巡らされているので、脳や肝臓、腎臓といった主要な臓器でも大切な役割を果たします。

臓器のなかで、もっとも血流の多いのが脳です。脳は酸素消費量が多く、血液の約15%を必要とします。日中活動している間はもちろんのこと、寝ている間にも記憶を司る海馬に記憶を定着させるなど、脳は24時間フル回転です。
それが潤滑にいくかどうかは毛細血管の血流次第です。

肝臓も、解毒作用など肝機能を促進するために血液を送ると同時に、その機能を担当する細胞に栄養を送って肝臓の働きを支えています。
腎臓には糸球体という毛細血管のかたまりがあり、ここで血液はろ過されて尿がつくられます。ここで毛細血管が丈夫でないと、老廃物はろ過されず体内に残ってしまいます。

毛細血管は、各臓器の機能を果たすところと、それを支えるところで働いています。
(つづく)

2018年3月29日木曜日

生理学講習②

今回の生理学講習は、循環器系、消化器系、神経系、内分泌系・・・ と、たんに教科書的、網羅的には行いませんでした。
時間が限られていることもありましたが、すでに経験を積んでいる温熱施療師がおもな対象であったため、施療と連動させてテキストを組んでみました。

腎臓と副腎は同時に熱入れができるので同時に取り扱う。腎臓で泌尿器を、副腎で内分泌系を勉強し、それに続く仙骨で自律神経とデルマトーム(皮膚神経の分布)を学ぶ、といった感じです。
「この臓器はどこから、どちら側から入れるのか?」は、皆さんとくに関心が高かったかもしれません。

テキスト、配布資料、人体模型、一緒に持ち込んだ温熱器(ダミー)を組み合わせて説明することによって、ある程度は「施療と連動させた生理学」の形になったような気がします。
なかでも3Dで伝えられる人体模型は、リアルな”生理学”にするための必需品です。手間ひま掛けても持ち込んで正解でした。

もちろん、栄養学との関連も大切です。
たとえば、「副腎皮質ホルモンのコルチゾール(糖質コルチコイド)をつくるときに大量のビタミンCを消費する。だからビタミンCをたっぷり摂る必要がある」。一方で、「副腎皮質は脂質を材料としてつくられている。だから酸化しないようにビタミンEも充分入れておく必要がある」といった具合です。

温熱施療と栄養学を組み合わせた生理学の講習は、考えてみれば今回が初めてです。一定以上の経験者が対象の場合は、このスタイルがいいのかもしれません。
もっとも、カリキュラムづくりは簡単ではありません。さらに完成度の高いものをつくって、また違うエリアで実施できればよいと考えています。

さいごに、今回お世話になった新潟市秋葉区加盟店さんのHPをリンクいたします。