2018年12月29日土曜日

年越しは『学問のすすめ』

明日から年末年始休暇。珈琲片手にどんな本に触れようかと考えていた矢先、先週のビジネス誌でこんな特集を見つけました。

『学問のすすめ』は私の愛読書で、幾度となく読み返しています。もちろん原語ではサッパリわかりませんので、現代語訳です。

この本は、ただ表題通りの内容を書いてあるにとどまらず、職業観、世界観、人間観、ひいては死生観にまで言及されています。
書かれたのは明治維新まっただ中ですが、今でもまったく色あせていないどころか、現代人にこそ意味がある、と『週刊ダイヤモンド』の特集には書いてありました。


その根底には、「人間は独立して生きるべきであり、そのためには何が必要か」というメッセージが込められています。
ここでいう独立とは、「自分で自分の身を支配し、何かを頼りにしようとする気持ちがない」こと。そうでないと、必ず人を頼り、人を恐れるようになる、と言っています。


この本で気に行っている箇所があります。

「『古事記』は暗唱しているけれども、いまの米の値段を知らないものは、実生活の学問に弱い人間である。(中略)独立した生活ができないものは、いまの世の中に必要な学問に弱い人間だといえる。」と唱え、

一生懸命にやるべきは、普通の生活に役に立つ実学である

と書かれています。
私が栄養学や生理学を勉強して、それを研修、講習等でアウトプットするときにも、この教え(実学)に外れていないかどうか、常に意識しています。
誰もが理解、実践できて、健康づくりに役立てられる内容であることが何よりも大切です。

『学問のすすめ』は、実際には「学問と実践のすすめ」を説いています。たんなる「知識の問屋」は無用の長物だと断じています。
健康づくりは、まさに勉強即実践の世界。この点でも親和性を覚えます。



こうやって『学問のすすめ』を紹介していますが、この本は人には薦めていません。
なぜならば、読者への要求レベルが相当に高く、厳しいからです。たとえば、

「人として自分で衣食住を得るのは何も難しいことではない。これができたからといって、別にいばるほどのことではない。(中略)動物に負けていない、というだけのことだ。
試しに見てみるといい。(中略)蟻にいたっては、はるかに未来のことを考え、穴を掘って住処をつくり、冬の日に備えて食料を蓄えているではないか。なのに、世の中には、この蟻のレベルで満足している人もいる」。

こういう感じです。
蟻のレベルで満足していない人は、一読の価値があるかもしれません。


年越しの節目に、あらためて熟読しようかと考えています。
皆様もよい新年をお迎えください。

2018年12月25日火曜日

一杯の珈琲②

愛犬チョコが2回目のドッグランへ。
今回は、お知り合いのプードル2匹と合流して、大・中・小の組み合わせに(小がチョコ)。
クリスマスというよりは運動会一色になってしまいました。



前回、コーヒーに含まれるクロロゲン酸の話をしました。
というわけで、今回は香り豊かなコーヒー談話を。

私は、そこそこコーヒーが好きです。1日平均3杯くらいでしょうか。
かつてはインスタントでも何でもよかったのですが、昨今はコンビニで挽き立てのコーヒーが100円で飲める時代になりました。

そこで私も、休日には相当こだわって1杯のコーヒーを味わうようになりました。

コーヒー豆は、那覇新都心の「美ら豆」で購入。

その日に焙煎した新鮮なコーヒー豆は、芳醇な香りが漂います。


ミル、ドリッパー、フィルターは、いずれもカリタ製のもの。

ミルは手動式。「ガリガリ」の音を楽しみの一つ。クラシック音楽でいえば序曲といったところでしょうか。

ドリッパーは3つ穴、陶器製のもの。

フィルターは、針葉樹パルプを材料としたもの。


カップは・・・、美濃焼の本場、岐阜県多治見で見つけたもの。
高そうに見えてじつは安い焼き物を見つけるのが、数少ない取り柄です。


蛇足ですが、こんなお菓子もあります。

本当にお金の掛かる贅沢は滅多にしかできませんので、日常はこんなプチ贅沢気分で満足することにしています。

もうじき訪れる年末年始休みでも、一杯の珈琲を味わいながら、「今年はこんなことがあったっけ」とか「来年はこれが叶うといいな」なんてことに耽りながらノンビリ過ごす予定です。

2018年12月21日金曜日

一杯の珈琲

沖縄もだんだん寒くなってきました。
こんなときは一杯のコーヒーが一段と体を温めます。
そのコーヒーですが、「体によい」「いや、よくない」と、とかく意見が2分する嗜好品の一つです。果たして、どちらなのでしょうか。

これまでの欧米やアジアの研究では、コーヒーの摂取量と死亡率の間に逆相関関係があることが分かっていました。ただ、1日に飲む量が多い人にも有益なのかどうかは明らかではありませんでした。
そこで、米国立衛生研究所が、英国在住で40歳以上の成人約50万人の健康情報を入手し、コーヒーの摂取量と死亡率の関係をあらためて検討しました。

その結果、レギュラーコーヒーを1日6~7杯飲む人では総死亡率が24%低下、8杯以上では26%低下していることが判明しました。

コーヒーの摂取量が、がん死亡、心血管(心疾患)死亡のリスクと逆相関することが示されたことになります。
インスタントやデカフェの場合は、やや効果は限定的のようです。

そのような効果を生んでいるのは、コーヒーに含まれるポリフェノール類の一つ、クロロゲン酸です。クロロゲン酸は強い抗酸化作用を持ち、血中LDLコレステロールが活性酸素の攻撃にさらされるのを防ぎます。
このことから、クロロゲン酸が動脈硬化の予防につながる、と考えられます。

ポリフェノール類には、アントシアニン(赤ワイン)、カテキン(緑茶)、イソフラボン(大豆)、ケルセチン(玉ねぎ)、クルクミン(ウコン)などがありますが、日本人が1日に摂取する総ポリフェノールの約半分はコーヒー(クロロゲン酸)から摂っているという調査結果もあります。

コーヒーの予防効果も意外と侮れませんが、もちろんカフェインの摂りすぎも考えものです。
1日5~6杯、あるいはそれ以上飲み続けていると、頭痛、集中力低下、疲労感、軽いうつ症状が現れることがあります。
1日2~3杯くらいがよいかもしれません。

2018年12月15日土曜日

来年のために

12月は大切な月だと位置づけています。
その年の仕事を納得いく状態で締めくくり、早めに来年の準備に取りかかるためです。

ここ数年、その区切りとして恒例にしているのが、本島北部への「ゆるりと1泊ツアー」。
今週行ってきましたが、昨年までと違うことが2つ。


一つは、オーシャンビューではなく、山の中のリゾートホテルを選んだこと。
本部町の中腹にひっそりと佇む「星のテラスもとぶ山里」。

全部で10部屋しかなく、一つひとつの部屋はテラス付きで広く、目玉はジャグジーバス付き。

テラスからの眺望は、連なる山々。

朝食は、小鳥のさえずりを聞きながら、やんばるの食材を中心としたもの。

静けさに包まれた空間で、ただただのんびり過ごしました。



もう一つ去年までと違うのは、愛犬チョコをあずける必要があったこと。
あらゆるルートから情報をかき集めた結果、読谷村のペットホテルにお願いしました。

はじめてのお泊りだったので最初は緊張したようでしたが、次第に他の犬とも仲よくなれたようです。

朝になると他の犬のベッドを占拠していたとのことでした。
(オーナーさんの話。下がその写真か?)



チョコの宿泊も無事終わり、自分もしっかりとリフレッシュできました。
ここからは来年の仕事の組み立て、必要となる勉強の準備や教材の確保など、大切な仕込みを始動させます。

2018年12月11日火曜日

朝からたんぱく質

『週刊朝日』今週号の記事です。

「10の新常識」は以下の通りです。
すべてをコメントするのは大変ですので、上から3番目の「朝食にたんぱく質~」について。

記事では、その理由を次のように述べています。
時間栄養学という言葉を最近ときどき耳にします。
朝の体内時計リセットを行わないと、自律神経やホルモンバランスに影響を与えますし、セロトニンやメラトニンといった睡眠に関わる神経伝達物質の分泌も乱れます。
朝食を食べることによって体内時計のズレを修正するとのことですが、なぜ「タンパク質」なのかは記事を読むだけでは分かりません。

私が研修等で「朝からタンパク質」を推奨しているのは、別の理由によります。
1日に必要な摂取量を3分割するという、単純な目的のために朝から摂るのです。

1日に必要なタンパク質は、最低でも体重の千分の一、つまり体重60kgの人は60g、50kgの人は50gです。
より積極的な予防、健康増進を目指すのであれば、これに1~2割増しするのが望ましいと考えます。体重63kgの私は、毎日70gはタンパク質を摂るように心掛けています。

ただ、タンパク質は炭水化物などと比べて消化が困難である、という側面を持っています。胃や膵臓、小腸の消化酵素を総動員しても、すべてのタンパク質がアミノ酸まで分解されて吸収されるわけではありません。
アミノ酸まで分解されなかった場合には、未分化タンパクというものが発生して、腸内環境を悪化させます。(覚えていますか?)

未分化タンパクを最小限に抑える対策はさまざまですが、まずは毎日3回に分けることです。
2回で必要量をカバーしようとなると、自ずと1回分が多くなり、消化のハードルが高くなります。


もちろん私は、朝食でしっかりタンパク質を摂ります。
目玉焼きを2つ。それぞれにスライスチーズをかぶせます。それにヨーグルトを100gくらい。
フルーツやパンに含まれる分まで合わせると、朝食だけで25g以上のタンパク質を摂っています。

2018年12月7日金曜日

基本を崩さずに進化を

3日(月)と4日(火)、恵比寿加盟店および武蔵小山加盟店(いずれも東京都)にて、温熱実技のフォローアップを行いました。

2日間、2会場で一緒に実技の勉強をした施療師(オーナー)は計6名。そのキャリア年数が実に多彩です。
もうすぐアシスタント研修を修了する方、研修修了後3カ月の方、同じく約1年、約5年、約10年、約15年の方と、みごとに散らばりました。
新人、若手、中堅、ベテラン、大ベテランの揃い踏みといった様相です。

その方々の施療を見て、また会話を交わしながら感じたこと。

温熱実技の研修修了から歳月が経過したときに、たどるパターンは概ね次の3つでしょうか。
① 初期研修で伝えた内容を、そのまま忠実に守り通している。
② いつしか基本が崩れてしまって、自己流になっている。
③ 基本を崩さずに、それでいて進化を遂げている。

②はもちろんダメ。①は、教えた側としては嬉しい反面、物足りなさが残ります。

中堅、ベテランになるほど③でありたいと考えます。
現場での経験を重ね、試行錯誤を繰り返すことで、「もっといい方法」が浮かんできます。
並行して解剖学や病理学を勉強することで、「より効果的な熱入れ」に近づきます。

では、現状はというと・・・
すべての加盟店の方の施療を見てはいませんが、残念ながら③のパターンはほとんど見掛けません。

このあたりが、来年取り組んでみたいテーマになるかもしれません。
新潟で今年3月、「施療を意識した解剖生理学」の講習を行いましたが、それを発展させて「人体を深く知って施療レベルを高める」実技講習にチャレンジする。
そう考えるだけで、楽しく年を越せそうです。

もちろん私も試行錯誤中、勉強中の身。向上心旺盛な加盟店の方と一緒に前進したいと考えています。



[ おまけ ]
街角で出会った、生後4か月のトイ・プードル、ピピンちゃん。
我が家のチョコ(同じレッドのメス)も、4か月前はこんな感じでした。

東京のまったく知らない人とでも、犬つながりですぐに仲よくなれるから不思議です。

2018年12月1日土曜日

体を温めれば健康になる?

12月になりました。沖縄はポカポカ陽気が続いていますが、本土の各地では寒さも本番。
となると、温熱の季節と言いたいところですが、先日こんな雑誌記事を目にしました。

世の中、Aという意見があれば、必ず反対のBという見解も現れます。
食材や食事法、健康法、サプリメント、薬 etc. 一つひとつの情報に右往左往していては、ただ混乱するばかりです。
しっかり勉強して、ぶれない軸を持ちたいものです。

しかし、それにしても「体を温めるのは有害」とは我が目を疑いました。
読んでみると、もちろん科学的根拠はありません。
その代わりに、医師の迷コメントが書いてあります。
思わず腰を抜かしそうになりました。

体温が高いと代謝がよくなることは認めています。
「代謝」ほど分かっているようで分かっていない言葉もありませんが、代謝といったときには
①エネルギー代謝(文字通りエネルギーを生み出す)
②毒素、老廃物の解毒、排泄
③組織の修復、再生
④免疫の維持、向上
この4つだと思えば、おおよそ当たっています。

つまり、体温が上昇すれば代謝が向上し、健康レベルも引き上がります。

が、「その分、活性酸素が増え~」には仰天です。
吸い込んだ酸素は、細胞のミトコンドリアという所でエネルギーを生み出すときに必要です。その内の1~2%は、不完全燃焼のような状態で活性酸素となってしまいます。
これは不可避的なものです。エネルギー代謝がよければ、これが4~5%に増えるというものでもありません。

活性酸素を大量に発生させる要因は、以下の通りです。
喫煙(受動喫煙を含む)
・強いストレス
激しい運動
・過剰な放射線、紫外線、電磁波
排気ガス
水銀、カドミウム、鉛、ヒ素などの有害ミネラル
食品添加物
・無添加を除く洗剤、石鹸、シャンプー、歯磨き粉
酸化した油トランス脂肪酸
・ほぼすべての
農薬、殺虫剤
抗生物質、抗がん剤

正確な知識を身につけておかないと、どこかの医師のナンセンスなコメントを鵜呑みにして、かえって不健康になってしまいます。
いつもいつも思いますが、健康になりたいと心底願う人は、楽ではないですけど地道な勉強を続けることを薦めます。

2018年11月27日火曜日

出張こぼればなし

講習の前日は羽田から銀座に直行し、銀座FANCLスクエアを4年ぶりに訪問。
ここでは、ユニークなものも含めて、体に関するさまざまな測定やカウンセリングを行っています。

今回、事前に予約したのは体バランス測定というもの。
内容は、骨密度指数(ロコモの兆候がないか)、体成分分析(水分、タンパク質、脂肪、ミネラルの比率)、骨格筋・脂肪の比率、肥満評価、筋肉バランスです。


この中で「なるほど」と感じたのは、骨格筋量筋肉バランス
沖縄に移住して6年あまり。4~5年間は歩かない生活にどっぷり浸ってしまい、筋肉量の減少はハッキリ自覚できる程でした。
それが尾を引いているのでしょう。骨格筋量は標準域ギリギリというレベルに留まっています。

それもあり、1年くらい前からウォーキングに加えて適度な筋トレを始めています。
筋肉バランスでは、右腕、左腕、体幹、右脚、左脚に5分画されています。
自分の体重に対する発達率(%)を見ると、脚 ⇒ 腕 ⇒ 体幹 の順になっています。

もっとも熱心にやったのはスクワット、次が腕立て伏せ、腹筋運動はサボり気味だったので、そのまま結果に現れた、ということです。
このあと取り組むべきことが明確になりました。



それ以外に、予約不要なものを2つ。

一つは、脳年齢チェック
結果はこちら
実年齢よりも10歳若返りました。
まだまだ、いろんなことにチャレンジできそうです。


調子に乗ってもう一つ試してみたのは、ストレスチェック。
自律神経のバランスを見るものですが、頭部、右肩、左肩、胸部と、こちらは4分画です。

「やはり」というか、これも予想した通りの結果です。
全体的には自律神経のバランス良好。が、頭部(脳)だけ交感神経優位になりました。
ようは使い過ぎということなのでしょうか。

自然と戯れる時間、愛犬チョコと接する時間を増やしたほうがよさそうです。
(本気で遊び過ぎているのかもしれません)

フル回転させた脳を休めるために、測定後は和光ビルをバックにバナナケールスムージーでブレイク。




銀座FANCLスクエアでは、先日ブログにも書いた「糖化」度を調べる糖化測定も行っています。
私は4年前に測定して、当時の年齢に応じた糖化度よりも「やや低かった」記憶があります。
来年あたり、あらためて測定しようかと考えています。

2018年11月23日金曜日

分子栄養学講習 in 東京③

糖質制限食のポイント、続きです。
糖質を大幅にカットしたカロリーを補う「別のもの」といっても、タンパク質と脂質しかありません。
結論から言うと、その分のカロリーをタンパク質で補うのは、事実上困難です。
ということは、大部分を脂質でカバーすることになります

そうはいっても、脂質は何でもかんでも摂ればよいというものではありません。
マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸、脂質の種類にかかわらず酸化した油は、もってのほかです。

大豆油、コーン油、菜種油などに含まれ、家庭や外食でもっとも多く使用されるのがリノール酸という脂質です。
これは適量は必要な油ですが、現代では適量をはるかに超えて過剰に摂取している人がほとんどです。過剰に摂ると、がんや炎症、アレルギーなどを促進してしまいます。
ですから、これも糖質制限食には積極的に使えません。

つまり、これらのものを除いた脂質、飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸を含む)やEPA、オリーブオイルなどを中心にカロリー数を積み上げていくことになります。
こうなると細部にわたって学習が行き届いていなければいけません。
糖質制限食を成功させるのは簡単ではないことは、勉強すればするほど痛感します。

だからこそ、今回の講習で時間を割いて取り組みました。
学習した加盟店オーナーにおかれましては、ぜひ患者さんにも紹介していただきたいと願っています。


糖質制限食を学習し終えたあとは、「サプリメント・上級編」「食事・上級編」をおさらいして講習は終了。

昨年2月から5回にわたって開催しましたが、かなり掘り下げた内容まで到達したという実感があるので、東京会場での講習はひと区切り。
来年は違う形での勉強会を継続できないか検討中です。

2018年11月20日火曜日

分子栄養学講習 in 東京②

糖尿病、血糖値スパイク、低血糖症の学習を踏まえて、今回の大きな柱である糖質制限食を掘り下げてみました。
大きなブームとなっている糖質制限食ですが、ダイエットだけではなく、上記の症状にも有効です。というよりも必須だと言えるかもしれません。

長らく糖尿病の食事療法としてカロリー制限が用いられてきました。実際に今でも、病院での食事指導はカロリー制限が主流であることに変わりありません。
しかし、血糖値を上げるのは糖質のみです。徹底的にセーブするべきは糖質です。
カロリー制限をしてしまっては、大切なタンパク質までその影響を被ってしまいます。

何より糖質制限食は、がんの食事療法としても期待を寄せることができます。
がん細胞の唯一のエネルギー源(エサ)はブドウ糖だからです。
ほとんどの加盟店には、がん患者さんが温熱施療を受けに通っています。講習で糖質制限食を取り上げたのは、その方たちの強力な援軍にしていただくためです。

「がん細胞の唯一のエサ、ブドウ糖(糖質)を断てばがんは広がらない」と理屈は明快ですが、いざ実践に移すと一筋縄ではいきません。
糖質を大幅にカットした分、別のもので補わないとカロリー不足、つまりエネルギー不足になってしまいます。
エネルギー不足では免疫を含めたすべての代謝レベルが低下します。これでは病気には勝てません。

じっさいにダイエット等の目的で糖質制限食を行っても、かえって体調が悪くなってしまったという声をしばしば耳にします。おそらくエネルギー不足が原因ではないかと推測しています。
糖質制限食は、見よう見まねでやってしまうと失敗する可能性が高くなります。十分すぎるくらいに勉強し、正確な知識を得てから実行する必要があります。
(つづく)

2018年11月16日金曜日

分子栄養学講習 in 東京 ①

 11日(日)~12日(月)の2日間、都内にて分子栄養学集中講習を行いました。昨年2月から始めて今回が5回目です。
 このような講習の常として、参加人数は次第に絞られてはきます。それでも向上心旺盛な加盟店オーナーが集まり、一段と掘り下げた勉強をする時間が持てました。

前半は、あらためて糖尿病の学習から。関連して血糖値スパイク(グルコーススパイク)、低血糖症について。

 一般的な糖尿病の常識と併せて知っておくべきことは「糖化」です。糖化は、糖(そのほとんどはブドウ糖)がタンパク質と結合した状態のことです。
 糖は元々タンパク質とくっつきやすい性質を持っています。すると、くっつかれたタンパク質はその本来の機能を果たさなくなります。
 その状態が進むと、リウマチや多発性硬化症、全身性エリデマトーデスなどの自己免疫性疾患の一因になるという見解もあります。

血糖値スパイクは、食後に起こる急激な血糖値の上昇のことです。より正確にいうと、空腹時と食後の血糖値の差が大きいことです。
これがあると、比較的太い血管を傷つけて、最悪の場合は脳梗塞や心筋梗塞、足の壊疽(えそ)を引き起こします。恒常的に血糖値が高いことよりも危険である、という見方もあります。
血糖値スパイクは、食後2~3時間経つと元の血糖値に戻るため、健康診断の「空腹時血糖値」はもちろん、「Hg(ヘモグロビン)Ac」では異常は見つかりません。2時間糖負荷検査で、ある程度分かります。

低血糖症はたんに血糖値が低いことではなく、血糖値の上昇下降を繰り返し、血糖値が安定しないことをいいます。この状態は自律神経やホルモンバランスを崩し、メンタルをはじめ、さまざまな不調の原因になります。
 問題は、低血糖症が医師など医療現場でもまだまだ認識されず、「うつ」や「過労」などと診断されてしまうことです。

 臨床で分子栄養学を用いた治療を行う溝口徹氏(新宿溝口クリニック)は、メンタル系の疾患の場合、まず低血糖症の改善治療に取り組んでいます。
必要な栄養素を大量摂取する一方で「糖質制限食」を組み込みます。
(つづく)

2018年11月9日金曜日

読書の秋②

 私が地元の図書館をよく利用することは、以前書きました。自宅から車で3分程の場所にあるので大変便利です。
 実際にはそこの蔵書を借りるよりも、県内他館から取り寄せる方が頻繁です。とにかく使い倒しています。


 最近借りた本のなかで読後感がよかった本が1冊。
 タイトルとストーリーは、それほど結びついていません。  主人公は45歳、女性、服飾デザイナー。仕事の岐路に立たされた場面で、現実に迎合して生計を優先させる道を選ぶか、それとも本当に自分が好きでやってきたこと、これからもし続けたいことを選ぶか、この2つのはざまで思いめぐらす姿を描いています。

 私は主人公よりは多少年齢が上回っていますが、「これからどういう道を歩むか」を考えるときのヒントになったかもしれません。




 これは買ったものですが、先月の出張時に携帯したのは、この本。

 第155回芥川賞受賞作。最近文庫化されたので、カバンにしのばせて飛行機や地下鉄の中で目を通しました。
 文章そのものは平易でサッと読み通せるのですが・・・。「感想は?」と聞かれると、一瞬口を閉ざしてしまいます。

 ただ言えるのは、世の中には価値観、職業感、死生観等が違う多様な人がいるということ。
 そして、90数パーセントの人とは違う言動や生き方をしているというだけで、その人が異端であり、世の中から外れていると見なしてしまうならば、その発想はやはり短絡的だな、とあらためて思いました。

「自分らしく」生きにくい社会なんでしょうかねぇ。



  明日からは東京へ出張。那覇と羽田の往復、および都内の電車内は、読書のための貴重な時間です。
 携帯するのは、この本。

 20年くらい前に読みましたが、先日、神戸空港の書店でたまたま見つけたので買いました。
 今は「勝つ」とか「負ける」とか考えて日々仕事をしてはいませんが、歳月を置いて同じ本を読んだ時に、同じ歳月を過ごした自身の年輪を見定めることができます。
 そんなことを考えながら、気楽に目を通してみます。



 栄養学や生理学の本は出てきませんでしたが、そればっかりではダメです。世界が広がりません。

2018年11月5日月曜日

人はもともと何を食べてきたのか

4か月前に愛犬チョコが仲間に加わってから、そんなことをふと考えたりします。

人も犬も哺乳類。犬の消化器官は、食道にはじまって、胃、小腸、大腸を経て肛門へと至ります。
膵臓や肝臓もあり、人と大きく違いありません。

違いがあるとすれば、口腔で糖質を分解する酵素がつくられないこと。以前にも書きましたが、犬は糖質を栄養素(エネルギー)として使えません。

その分まで、たんぱく質がより大切になってきます。


振りかえって、人の主食は炭水化物(糖質)ということになっています。日本人の場合、総カロリーの約60%を炭水化物でまかなっています。
残りの約40%が、たんぱく質と脂質です。

しかし、人類は本当に炭水化物を主食としてきたのでしょうか。人類の起源からは400万年とも600万年とも言われています。
その中で、米や麦をつくるようになってから、まだ1万年足らず。日本に限って言えば、稲作文化が広がったのは縄文時代の終わり、2千数百年前に過ぎません。


つまり、人類が誕生してから99%以上の間は、炭水化物以外のものでカロリーの大部分を摂取していたことが推測されます。
狩猟による肉類や沿岸部での貝類など、たんぱく質や脂質のウエイトは今よりはるかに高かったのではないでしょうか。

じつはこの考え方が、大トレンドになっている糖質制限食を支持する意見の根底にあります。
目前に迫った東京での分子栄養学講習では、たんなるトレンド追いではなく、がんや糖尿病の食事療法にも耐えうる糖質制限を追求したいと考えています。

2018年10月30日火曜日

出張こぼればなし

神戸との往復には、今回はじめてソラシドエアという航空会社を利用しました。
よほどの音楽好きが名づけたのかと思いきや、「ソラシド」は「空から幸せの種(seed)を蒔く」の略だそうです。これでは誰もわかりません。

九州に地盤を置くソラシドエア、搭乗して機内サービスをチェックするとアゴユズスープの文字が目に飛び込んできました。
その名の通りアゴとユズです。パンフレットには、「絶妙に調和した長崎県産アゴ(トビウオ)と大分県産ユズの風味が魅力!」と書いてありました。
絶妙に調和しているかどうかはともかく、九州を思い起こさせる味が口いっぱい広がりました。

持ち帰り用の機内販売もありましたが、原材料表記を見てガッカリするかもしれないので、やめました。知らぬが仏、です。
機会があったら一度は試してみてください。話の種(seed)にはなるでしょう。




神戸市西部のニュータウン、西神中央という場所に4泊滞在しました。
朝起きて、やりたいのは散歩。愛犬チョコの散歩が習慣づいているので。

デパートやショッピングセンター、高層マンションが立ち並ぶ駅前だったので、散歩に適した場所はないかな、と半ばあきらめていたのですが。
ホテルから3~4分のところに、サッカー場10面分はあり、延々と森が広がる西神中央公園がありました。
広い公園は沖縄にもあちらこちらにありますが、森や池のある公園はあまり見掛けません。
横にチョコこそいませんが、小鳥のさえずりを聞きながら、いつもとは違う気分で毎朝30分のウォーキング。
心身ともに、いい仕事をするためのリセットになります。
7時直前にホテルに戻り、歩いたあとのモーニング。これがウマイ!

せっかくの出張ですので、結構楽しんでやってます。


さて、留守番をしていたチョコはというと。



昨日、ドッグランデビュー!

海に向かってなだらかに傾斜している、最高のロケーションです。

走って、遊んで、飛び跳ねて・・・

家に帰ると、ぐった~~~り