2017年12月12日火曜日

本当の基準値

こんにちは。もう少し、血液検査表の話です。

そもそも血液検査表は、血圧や糖代謝、脂質代謝、あるいは肝機能や腎機能を調べるものですが、そこに書いてある基準値の意味を正確に知らなければ、「問題ないのに病気」だと診断されてしまったり、逆に「予兆があるのに問題なし」と言われることもあります。

まず、基準値の決め方は何か。
測定数の平均値を中央として、全体の95%をカバーしている範囲を基準値内とします。この範囲の下限よりも下、あるいは上限より上だった場合、それは異常値ということになります。

ということは、全体の水準が高かったり低かったりしても、95%の人は基準値内に入ります。逆に全員が正常だった場合でも(あり得ませんが)、上と下5%の人ははじき出されて異常値と判定されます。
つまり、基準値は必ずしも正常値ではないことを理解しなければいけません。

また、検査機関や医療機関によっても基準値は変わってきます。
こう考えると、基準値は結構いい加減だと言えるかもしれません。

さらに基準値に対して異議を唱える識者がいます。
東海大学名誉教授の大櫛陽一氏(医療統計学)は、性別(男女差)と年齢差が考慮されていない項目が多く、それが考慮されないのは大きな問題だと主張します。
この2つを無視すると、高齢者に対する無駄かつ危険な検査や治療の誘因となり、若者と女性においては早期異常の見逃しが起こる、と述べています。

たとえば、LDLコレステロールやALP(アルカリフォスファターゼ)のように、閉経前女性と閉経後女性で大きく適正値が異なるはずの検査項目でも、一般には同一の基準値が用いられています。
まったくナンセンスといえます。

この考え方をもとに、男女差、年齢差を加味した独自の「新基準値」を掲載したのが、この本です。
日本人70万人の調査から科学的な統計方法で導き出した、と書かれてあります。
血液検査のうち重要25項目の「新基準値」をパッと確認することができます。
先月の栄養学講習でも、このうちの半分以上が対象でしたので、非常に役に立ちました。

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