2017年6月6日火曜日

動的平衡

土曜日、Eテレ「SWITCHインタビュー達人たち」という番組で、生物学者の福岡伸一氏が音楽家・坂本龍一氏と対談をしていました。

福岡伸一氏は、ベストセラーとなった『動的平衡』の中で、タンパク質の同化(合成)と異化(分解)の均衡を保つことがどれほど重要かを解いています。

食べ物の種類、つまり食環境が私たち生物のありように大きな影響を与える。私たちの身体は、たとえどんな細部であっても、それを構成するものは元をたどると食物に由来する元素なのだ。
新たなタンパク質の合成がある一方で、細胞は自分自身のタンパク質を分解して捨て去っている。
なぜ合成と分解を同時に行っているのか?
この問いはある意味で愚問である。なぜなら、合成と分解との平衡状態が「生きている」ということであり、生命とはそのバランスの上に成り立つ「効果」であるからだ。

番組の中では、「生命現象は作ること以上に壊すことをやめない」「壊すことの重要性を認識しなきゃいけない」と、合成ばかりにクローズアップしがちな現代科学に警鐘を鳴らしていました。

私も最近の研修や講習で力を入れている部分です。分子栄養学で云う「タンパク質をしっかり摂る」ことの根拠であり、このことが分かっていないとタンパク質の学習が表面だけになってしまう恐れがあるからです。


ところで、対談の中で「音楽の起源は?」という話題がありました。それに対する福岡氏の見解がじつにユニークでした。おおよそ次のようなことです。

人間の体には元々音楽に近いものが存在している。心臓は一定のリズムで動いている。呼吸も通常は同じ間隔で繰り返している。脳波もそうだ。
これは生命の律動じゃないかと思う。この律動的な響き、つまり「奏でている」ということが生きているということでもある。
だが人間は、そんなことは忘れて日々を送っている。人間たちに生きていることを思いださせるために、外部で生命の律動を奏でようと試みたのが音楽ではないのか。

おもしろい! ロマンチック!
本当かどうかは知る由もありませんが、そういう発想が湧き出てくることが私には羨ましくてなりません。
狭い世界に閉じこもっていないで、もっともっと視野を広げる必要がありそうです。

この番組、10日午前0時(金曜深夜)から再放送があります。

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