2017年6月27日火曜日

毛細血管の復活

前回に引き続き、毛細血管のゴースト化について続けます。
毛細血管は加齢とともに減少していくものではあります。45歳くらいから減り始め、70代になると、30代のときと比べると3割も毛細血管が少なくなる、というデータもあります。

年齢相応に消えていくのは仕方ないにしても、近年は好ましくない食生活やライフスタイルによって、若いうちからゴースト化が始まるのが問題です。
毛細血管がなくなるということは、当然そこに血液が行き渡らなくなるということです。末端の細胞まで酸素や栄養素が届かなくなるので、ありとあらゆる症状が現れます。

では、なくなった毛細血管はもう元に戻らないのでしょうか。

戻ります。血流をよくすれば次第に戻るようです。
「体は動かさなければ衰える」のと同様に、血流が悪ければ毛細血管がそこに存在するニーズが低くなりゴースト化が進んだ、と考えられるかもしれません。
ですから、まずは体を温める、冷やさないことが大切です。適度な運動、十分な睡眠、そしてストレスをためないことも必要です。


血管の状態をおおまかに知る簡単な方法があります。
舌を見ることです。東洋医学では「舌診」は日常的です。
健康な舌はきれいなピンク色をしています。薄く白っぽい、赤みが強い、黒ずんでいる、青紫の斑点がある、などの場合は要注意です。

白っぽい舌は貧血の疑いが強く、めまいや立ちくらみ、動悸をともなうこともあります。
赤みが強い舌は、体に熱があることを示しています。発熱でなければ”のぼせ”が考えられます。
どす黒かったり紫色の舌は、毛細血管の流れが悪いしるしです。

東洋医学では、血の流れが滞った状態を「瘀血(おけつ)」といいます。瘀血はいたるところに生じ、あらゆる症状が現れます。女性の場合は、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫、月経痛などを引き起こします。
結局のところ、まずは血流をよくすることです。

2017年6月23日金曜日

血管年齢・再び

おはようございます。沖縄は梅雨明け。これから厳しい日照りが続くのでしょうか。

そんなときに役に立つ・・・・かもしれない便利グッズがコレ。
エアコン室外機の天板を直射日光から守って、温度の上昇を緩和しようというものです。
室外機に屋根をつけるなどして、機械そのものの温度と周辺の気温を下げることによって、電気代を節約できることは知っていました。
けれど、屋根は簡単にはつけられないなあ、思っていたところに見つけたのが、コレです。
 
周辺の気温までは下げられませんが、こんなローテク商品でも少しの省エネになれば、と期待しています。

参考までに、「小まめにスイッチを付けたり消したりする」は、却って電気代を上げてしまいます。エアコンに限らず、蛍光灯などもそうですが。


180度変わってハイテクの話題。i phone の新アプリに「血管年齢測定」というのが登場しました。
さっそく測ってみました。すると・・・
ペーペーの社会人に戻ってしまいました。
じつのところ一体何歳なのかが分かりませんが、血管年齢が何を語っているかというと、血管の強さ、そして柔軟性です。強度やしなやかさが損なわれてしまうと、体の隅々まで血液が行き渡らなくなるからです。

中でも重要なのは毛細血管です。体内の血管の総延長は約10万キロ(地球2周半分!)にもなりますが、その99%を占めるのは毛細血管です。この毛細血管を血液が通って、末端の細胞まで酸素や栄養素を届け、老廃物や二酸化炭素を回収するのです。
したがって、毛細血管の質が細胞の健康を決めるといっても過言ではありません。

最近は血管年齢だけではなく、毛細血管スコープといって、爪の生え際の血管を拡大した画像で見ることができるサービスがあります。
毛細血管が健康なときは、ヘアピン状でまっすぐ形が揃っています。食生活やライフスタイルが崩れている場合には、ねじれや不揃いなど形が悪く、また短く見えにくい血管が映ります。
中には、毛細血管が消えてなくなっている血管のゴースト化という現象もあります。
(つづく)

2017年6月17日土曜日

水素水って・・・

読み終えました、この本を。
今年の直木賞と本屋大賞の受賞作。取材11年、執筆7年の渾身作でもあります。
ストーリーはというと、ピアノコンクール(浜松国際ピアノコンクールがモデル)をめぐって繰り広げる、おもに4人のピアニストの演奏や音楽性、さらに審査員も含めた人間模様が描かれています。

そういえば、1年前の直木賞と本屋大賞のダブル受賞作『羊と鋼の森』も、ピアノをモチーフにしたものでした。

偶然にもピアノつながりですが、違うのはページ数。
とにかく、この厚さ! このボリューム !!
もっと早く読みたかったのですが、500を超える頁数に二の足を踏んでいました。
が、じっさいページをめくってみると、そんなこと忘れるくらい没頭します。次の場面、次の場面を早く読みたいという情動に駆られて、次第にスピードアップしていきます。

結局、休みの日や早朝の時間を使って10日ほど掛けて読破しました。

ところが、この本を「3日で読んじゃった」と、芦田愛菜ちゃんがテレビ番組で言ってました。
彼女、月に10~15冊は読むというほどの読書家です。
それだけでなく、学力もスゴい! スゴすぎ !!

番組でのひとコマ。
「水素が持つ3つの特徴は?」との問いに、愛菜ちゃん、
1. すべての原子のなかでもっとも軽い
2. 燃えやすい
(ここまでは私も知っていました)
そして、3つ目。「水に溶けにくい」とサラリと答えていました。

ん !?

水素は水に溶けにくいにも拘わらず、水素水というものが流行っています。
少し不思議な気もしますが、ここから水素水のことを書き始めると大変ですし、書いても賛否両論が巻き起こるので、やめておきます。
そういうことは、研修や講習でのみ思い切り話します。

おまけ(県内在住の方だけになりますが)
『蜜蜂と遠雷』に登場した曲をピックアップして演奏するコンサートが、7月に那覇で行われます。
昼夜2回公演。読んだ人は、ぜひ聴きに行きましょう!

2017年6月12日月曜日

2056年

おはようございます。昨日は、モーツァルト「レクイエム(鎮魂歌)」を聴いてきました。
このコンサートは、慰霊の日がある6月に、戦没者への追悼と恒久平和への祈りを世界に発信するために、平和祈念堂で開催されています。

私がレクイエムで思いだすのは、1991年、モーツァルト没後200年イヤーです。その1年はモーツァルト関連のさまざまなコンサートがあり、大変盛り上がりました。当時は東京にいたこともあり、いくつかの演奏に接することができました。
なかでも、命日の12月5日に、NHK交響楽団と国立音楽大学合唱団による「レクイエム」は、今でも脳裏に刻み込まれています。(同じことをいつかも書いたような気がします)

そこで、考えました。次の記念イヤーはいつだろう?
生誕300年。それは、西暦2056年
そのとき私は91歳
再び、思い切り浸りたい。モーツァルトに。

というわけで、91歳でモーツァルトイヤーを迎えることにしました。91歳は1つの区切りであり、そこで終わるわけではありません。
が、漠然と「○○歳まで生きる」というよりは、その途中に道しるべがある方が私には向いています。

都合がいいことに、モーツァルトの音楽は、自律神経を整えて免疫力を上げることで知られています。
音楽療法でも用いられます。

今まで同様、栄養を含めた健康管理に気を配って、「91歳でモーツァルトイヤーを」と潜在意識に刷り込めば(これは量子力学でもあるようです)、きっとそうなるでしょう。

2017年6月10日土曜日

蛍の光は波? 粒子?

おはようございます。一昨日、那覇市の末吉公園というところで蛍を見ました。2回目です。市街地の真ん中で見れるんですねぇ。驚きです。

暗闇に浮かび上がる、ほんの一瞬の幻想的な光。が、あまりにも儚く消えてしまう。
瞬時のタイムスリップ! 純然と子供に戻った錯覚さえします。不思議です。蛍は。


さて、「光つながり」というわけでもありませんが、現在、並行して読んでいる本の1冊が量子力学です。
 「光は波なのか、それとも粒子なのか?」なんてことから始まって、いきなり難しい!
私にとっては 『マンガでもわからない量子力学』 としか思えません。

なぜ今、こんな本を手に取ったかというと、量子力学も栄養学とまったく関係ないわけではないこと。それ以上に、仕事の一つであるエネルギーバランス測定とは密接に関っている、と感じ取ったからです。

ともあれ、まだ読んでいる途中。多少でも理解できたらブログに書いてみます。

2017年6月6日火曜日

動的平衡

土曜日、Eテレ「SWITCHインタビュー達人たち」という番組で、生物学者の福岡伸一氏が音楽家・坂本龍一氏と対談をしていました。

福岡伸一氏は、ベストセラーとなった『動的平衡』の中で、タンパク質の同化(合成)と異化(分解)の均衡を保つことがどれほど重要かを解いています。

食べ物の種類、つまり食環境が私たち生物のありように大きな影響を与える。私たちの身体は、たとえどんな細部であっても、それを構成するものは元をたどると食物に由来する元素なのだ。
新たなタンパク質の合成がある一方で、細胞は自分自身のタンパク質を分解して捨て去っている。
なぜ合成と分解を同時に行っているのか?
この問いはある意味で愚問である。なぜなら、合成と分解との平衡状態が「生きている」ということであり、生命とはそのバランスの上に成り立つ「効果」であるからだ。

番組の中では、「生命現象は作ること以上に壊すことをやめない」「壊すことの重要性を認識しなきゃいけない」と、合成ばかりにクローズアップしがちな現代科学に警鐘を鳴らしていました。

私も最近の研修や講習で力を入れている部分です。分子栄養学で云う「タンパク質をしっかり摂る」ことの根拠であり、このことが分かっていないとタンパク質の学習が表面だけになってしまう恐れがあるからです。


ところで、対談の中で「音楽の起源は?」という話題がありました。それに対する福岡氏の見解がじつにユニークでした。おおよそ次のようなことです。

人間の体には元々音楽に近いものが存在している。心臓は一定のリズムで動いている。呼吸も通常は同じ間隔で繰り返している。脳波もそうだ。
これは生命の律動じゃないかと思う。この律動的な響き、つまり「奏でている」ということが生きているということでもある。
だが人間は、そんなことは忘れて日々を送っている。人間たちに生きていることを思いださせるために、外部で生命の律動を奏でようと試みたのが音楽ではないのか。

おもしろい! ロマンチック!
本当かどうかは知る由もありませんが、そういう発想が湧き出てくることが私には羨ましくてなりません。
狭い世界に閉じこもっていないで、もっともっと視野を広げる必要がありそうです。

この番組、10日午前0時(金曜深夜)から再放送があります。

2017年6月2日金曜日

梅雨の体調管理

おはようございます。昨日は、紫陽花(あじさい)を見るために、本部町の「よへなあじさい園」へ初めて行きました。
期待値をはるかに超えるスケールでした。30万輪の紫陽花が咲き誇っています。かつて見た鎌倉の明月院や長谷寺にも負けていません。
この紫陽花は、今年で満100歳になる、よへなウトさんが60歳くらいから40年掛けてコツコツ手入れをし、増やしてきたそうです。いやはや脱帽。
まさしく梅雨が似合う花です。

沖縄は梅雨の真っ只中ですが、北海道を除く本土では、これから梅雨入りします。
梅雨になると体調を崩す人を見かけます。自律神経のバランスが乱れて、だるい、頭痛、腹痛といった症状が現れやすくます。

梅雨時に体調が崩れやすくなる主な原因は、気温差です。雨が降ると急に気温が下がったり、雨があがってカラッと晴れると一転して温度が上がったりします。本土ではすでに真夏日を記録していますから、梅雨入りするとこの気温差が心配です。

同じ日でも朝夕は冷え込むことがあり、体温調整がむずかしくなります。沖縄の今年の梅雨は、比較的過ごしやすい日が多いのですが、早朝や夜は肌寒さを感じることもあります。
服を一枚持って出掛ける、など十分な体温対策を取ってください。

2017年5月29日月曜日

賞味期限のウソ

おはようございます。先日の東京出張に携帯した本の話です。
今回は栄養学や生理学からは離れて、軽く笑い飛ばせるものを、という気分でした。そこでバッグに入れたのが、『笑う中国人』(文春新書)という本。

その中にあった、魚屋と客の会話。
「この魚、私が先週買ったのと比べると活きが悪いわよ」
「そんなことありませんよ。同じですよ。だって同時に仕入れたんですから」

これは賞味期限というよりは消費期限の話ですね。いくらなんでも、これを食べてはいけないことは誰でもわかります。では、この魚は一体いつまでだったら美味しく食することができたのか、つまり賞味期限となると意外とむずかしくなります。賞味期限の根拠や詳しい内容について知っている人は多くはありません。

『賞味期限のウソ』という本が出版されています。 

表紙の写真に「卵は57日間、生で食べられる!」と書いてあります。
日本卵業協会によれば、卵の賞味期限は、産卵後1週間以内にパックし、パックしてから2週間後の日付です。そして、この2週間の根拠はというと、「夏場に生で食べる」ことを前提にしているそうです。
まさか、そんな人はいないですよね。夏場であれば間違いなく冷蔵庫に入れるはずです。

本にある57日間というのは、気温10℃くらいの冬場であれば、そのくらいは生で食べられる、という意味です。もちろん2カ月を過ぎても、冷蔵保存であれば賞味期限は更に長くなりますし、加熱料理にすればまったく問題はありません。
賞味期限は、あくまでもアバウトな目安です。あまりにも厳格にそれを守ろうとしている人は、知らないうちに大切な食品を無駄にしているかもしれません。

スーパーなどの小売店の多くは、賞味期限よりもっと手前の日に商品を撤去します。賞味期限全体(3週間)の3分の2のところに「販売期限」を設定し、その日になると棚から撤去するという「3分の1ルール」というものがあるそうです。
撤去しても、実際には廃棄せずに、惣菜など調理済食品に回っているのだと思いますが、知る由もありません。

2017年5月23日火曜日

分子栄養学講習・続編②

おはようございます。栄養学講習の2日目は、いよいよ現場に密着した応用編です。
じっさいに加盟店にいらっしゃるお客様(患者さん)は、そのほとんどが何らかの生活習慣病を持った方です。それぞれの疾病に対して、温熱療法に加えてどのような栄養アドバイスをしたらよいのか、時間のかぎり検討を加えました。

今回取り上げたのは、高血圧、糖尿病、高尿酸血症・痛風、脂質異常症、そして動脈硬化、動脈硬化が引き起こす病気、さらには骨粗しょう症、アレルギー、PMS(月経前症候群)をはじめとする女性の体のトラブル、といったことまで学習しました。

今回は、血液検査表をそれぞれ持参していただきました。検査数値から脈圧(心臓が血液を送り出す圧、心臓に掛かる負担の大きさ)や動脈硬化指数のチェックを行いました。
また、5月12日ブログで取り上げた私の検査結果の問題点、その原因の推測、推測の確認、起こしたアクション、という一連の流れを理解していただきました。

この血液検査表を使った学習は、じつは予告編でした。次回、秋に予定している実践編では、血液検査表を分子栄養学的に読み取り、お客様により的確なアドバイスが出来ることを目指しています。
言い方を変えれば、2月の基礎編、今回の応用編も、血液検査表を用いた栄養療法にたどり着くためにやっていた、と言ってもいいかもしれません。

準備も大変になりそうですが、それよりも皆さんと勉強できる楽しみの方が上回ります。
待ち遠しい秋、になりそうです。

2017年5月19日金曜日

分子栄養学講習・続編①

こんにちは。13日(日)と14日(月)の2日間、都内で再び栄養学集中講習を行いました。今回も11名の勉強熱心な受講者と一緒に、密度の濃い時間を過ごしました。

初日は、前回の講習で出来なかったことを学習しました。脂質、糖質、食物繊維、酵素、腸内環境、添加物。

分子栄養学の立場で考えれば、脂質はとりわけ重要です。体をつくる材料として一番多いのは(水を除けば)タンパク質ですが、それに続くのが脂質だからです。
それも、ただ量が満たされていればよいということではありません。何の油で構成されているかという「質」が健康状態を左右するからです。

そこで重要になってくるのが、オメガ3(おもにEPA / DHA)とオメガ6(おもにリノール酸)の比率。この比率を適正に近づけるのが如何に難しいのかを、具体的に食品に含まれる量を引き合いに出して説明しました。

もう一つがコレステロール。これも大切なのはLDLとHDLのバランス。コレステロールがよくないのではなくて、このバランスが崩れたときに動脈硬化のリスクが高まるのが問題です。
講習では、何がそのバランスを崩すのか、逆に何がバランスを整えるのか、ということを学習しました。

それ以外にも、
「なぜ、外食や中食には揚げ物がやたらと多いのか?」
「なぜ、『メガビタミン』があって『メガミネラル』がないのか?」
「なぜ、40歳を過ぎると体は衰えていくのか?」
「高校時代の食物繊維不足が乳がん発症リスクを高める」
といった興味深い話題についても一緒に考えていただきました。

初日の講習終了後は、例によって懇親会。あっという間の3時間でした。
楽しすぎて、写真撮影を忘れてしまいました。
(つづく)

2017年5月12日金曜日

血管年齢&健康診断

おはようございます。昨日、某所で血管年齢の測定をしました。明後日から行う講習のテーマの一つ、「血管の老化」について関心を高めるための一環です。
結果はこうです。
実年齢よりも低いのはよかったのですが、40代を狙っていたので少し残念です。
「8:2」をキープしつつも、まだまだ食事の改善の余地がありそうです。


話かわって、少し前のことですが、3月に受診した健康診断の結果が出ました。それがこれです。
聴力が弱いのは昔からなので仕方ありません。だから声が大きいのでしょう。
それ以外は、ABC評価だけ見ると良好のように見えるかもしれません。ほとんどの人は、ここで「健康そのもの」と安堵してしまうのですね。

しかし、生理学や分子栄養学を学んでいくと、あるいは紙面に表記してある「基準値」の意味を知ると、とても手放しでは喜んでいられません。ある種の大切な栄養素の不足がこの表から読み取れるからです。
具体的なことは追い追い書くとして、ここでは基準値のことだけ触れておきます。

検診で用いられる基準値とは、20~60歳くらいの健康な人(この定義が怪しい)の検査結果をもとに、上限と下限の2.5%ずつを外したもので、残りの95%の人が含まれる範囲を「基準値」とするわけです。
したがって、基準値=適正値 では必ずしもありません。より積極的な予防、健康増進を求める人は、このことを押さえておく必要があります。


ところで私、健康診断に含まれる胃のバリウム検査は毎回パス(拒否)しています。
理由は放射線被曝です。やり方や技師によって時間は変わってきますが、いずれにしても数分のあいだ被曝し続けるのですから、その量は看過できません。

この表が掲載されていた『週刊現代』3月11日号には、以下の記事もありました。

実は患者にはほとんど知られていないが、この技術は日本で開発されたもので、このような検査法を行っているのは日本だけである。世界に広がらない理由は単純で、検査の意味がないからだ。
新潟大学名誉教授の岡田正彦氏が語る。
「バリウム検査で行われる胃がん検診については、ランダム化比較試験(偏りを避け、客観的な治療効果を測るために行う試験)がまったく行われていません。つまり、日本の胃がん検診を受けると余命が延びることを示すデータは一切存在しないのです」

別の識者のコメントで、「バリウムや胃カメラを飲んでも5%しか、がんは見つかりません」とも。

胃カメラについても、私は40歳を最後に受けていません。
理由は「5%」以外にもあります。が、今回はこのくらいにして、それが掲載された記事を見かけたら、そのときに紹介するとします。


明日から東京出張。2月に開催した栄養学講習の続編です。私の健診結果の何が問題なのか、取るべきアクションは? といった実践レベルのことも盛り込みます。
動脈硬化(血管の老化)に関しても、たっぷりと。
勉強熱心な皆さんにまた会えることを、ワクワク楽しみにしています。

2017年5月7日日曜日

8:2 の法則

おはようございます。大型連休も今日で終わりです。琉球温熱の本院では3日~5日の3日間お休みでした。
3日間。通常であれば、栄養学の書籍を片手にじっくり勉強の時間に充てるところです。東京での栄養学講習も迫っていますし。
しかし今回は、気分転換にまったく違う本を楽しみました。

マンガです。焼き物の街、萩(山口県)を舞台にした陶芸ロマン『緋が走る』全15巻。
タイトルの由来は、こうです。

15年くらい前、30代のときに読んだものを、もう一度まとめ買いしての読み返しです。
焼き物も萩の街も大好きな私にとっては興味を引かれますが、こんなマニアックなマンガを読む人は今どきほとんどいないでしょう。当の私が「こんなマンガがあるのか」と驚いたくらいですから。

ストーリー等は書き始めるとキリがないので書きません。
ただ、この中で妙に頭に残っている一場面がありました。

師匠が弟子に指南する言葉。それは、用が8、美が2
「陶芸家たるもの、自分の作品、すなわち美を追求したいのは誰もが同じ。自分の窯を持てばつい作家に走る。だが、それは全仕事量を十とすれば二にとどめなくてはいけない。
夢や理想だけを追えば百人が百人必ず潰れる。現実をしっかり見つめ、残り八は職人に徹す」

芸術を追えば用を足さぬ。用を追えば品位が落ちる。
自分の作品だけで生活していけるのは、人間国宝などほんの一握り。99%の作陶家は、日用的な茶碗や皿、小鉢などを地道に作り続けなければいけない。しかし、用だけに埋もれてしまっては、作品レベルが保てない。
その最適なバランスが「8:2」ということです。

この原理原則は、あらゆる場面で通用する気がします。

これを強引に応用して私が勝手に編み出したのが、
食事における 「8:2」 の法則

 が、予防・健康のことをしっかり考えた食事。栄養素を優先させます。
タンパク質、ビタミン&ミネラルファイトケミカルをしっかり摂り、それに腸内環境のことも考えて、食物繊維善玉菌の豊富な食材を選びます。
一方で、炭水化物はほどほどに。トランス脂肪酸酸化油、有害性が疑われる添加物は、できるかぎり口にしないよう気を配ります。

しかし、何事も禁欲的過ぎるのはよくありません。毎日3食そればかりを考えていては、食事のバリエーションが限られてしまいます。ストレスが溜まり、続かないかもしれません。
そこで、残りので、いろんなものを食べて楽しみます。カレーライス、沖縄そばやラーメンなどの麺類、タコライスやドリアなどご飯もの、年に数回はピザやハンバーガー、牛丼も。

それでも、なんでもOKということではありません。マーガリンやショートニング、合成着色料などは避けるようにしていますし、インスタントラーメン、コンビニ食、酸化油での揚げ物もほぼ食べません。最低限の歯止めは掛けています。
こんなふうに「2」を楽しむことによって、楽な気持ちで健康な食生活が続けられる、と考えています。

ただし、これは予防に備えた場合でのこと。大病を患ったときには 「8:2」 などと悠長なことは言っていられなくなります。
そういう意味からも、日頃から予防に気を使うことをお薦めしているのです。

2017年5月2日火曜日

羊と鋼の森

こんにちは。この1週間は、ある事情でたっぷり読書をする時間が持てました。そこで、久しく接していなかった小説を手に取りました。
タイトルは『羊と鋼の森』。書店販売員が選ぶ本屋大賞、昨年の受賞作です。

「羊と鋼の森」って何のことだかわかりますか?

ピアノのことです。
「羊」は弦を叩くハンマーのことで、羊の毛を圧縮したフェルトというもので作られています。
「鋼」は、もちろんその弦です。
「森」は、ピアノの最大の材料である木材を指します。

では、この小説の主人公はピアニストかというと、そうではなく調律師です。あまり知られていない調律という立場から、ピアノという楽器の魅力と奥深さを描いています。

明るく澄んで、それでいて小気味よいテンポ感のある文体に引き込まれてました。難解なセンテンスや語句がまったく見受けられず、読み進めやすい小説です。
と、書いていてもイメージできないでしょうから、一節を抜粋します。

 なだらかな山が見えてくる。(中略)山だと思っていたものに、いろいろなものが含まれていたのだと突然知らされた。土があり、木があり、水が流れ、草が生え、動物がいて、嵐が吹いて。
 ぼやけていた眺めの一点に、ぴっと焦点が合う。山に生えている一本の木、その木を覆う緑の葉、それがさわさわと揺れるようすまで見えた気がした。
 今もそうだ。最初はただの音だったのに、調律し直した途端に、艶が出る。鮮やかに伸びる。ぽつん、ぽつん、と単発だった音が、走って、からまって、音色になる。ピアノって、こんな音を出すんだったっけ。葉っぱから木へ、木から森へ、山へ。今にも音色になって、音楽になっていく。その様子が目に見えるようだった。

もう少しだけ、抜粋を。

指一本で鍵盤を叩いた。それは基準音となるラのはずだったのだけど、音の伸びる方向にすうっと景色が開けるのが見えた。銀色に澄んだ森に、道が伸びていくような音。そのずっと奥で、若いエゾシカが跳ねるのが見えた気がした。


音を言葉で写しだす表現方法もさまざまですが、この本ではタイトルにもなっている「森」をキーワードにしています。
だんだん蒸し暑くなってきた季節に、一服の清涼感に触れることができました。読後感は温かさに満たされたものでした。あと1~2回は読み返したい本です。


この本を手に取ったのは理由があります。
私はかつて5年弱、楽器店に勤めていました。そのとき調律師ともよく話をしましたが、若気の至りというのか、「調律の何がおもしろいの?」と単刀直入に聞いたことがありました。
その返答はよく覚えていないのですが、おそらくこの本に書かれていたようなことを言いたかったのでしょう。今ごろ納得しました。


話が少し外れますが、調律師が書いた本があります。


この2冊の著者は、私がその楽器店に勤めていたときに大変お世話になった上司です。
宣伝半分ですが、じっさいに読むと興味深い話が満載です。
ピアノを弾く方、ピアノ演奏が好きな方はぜひ。


今回は、本題とは関係のない本の話で終わってしまいました。が、栄養学や生理学の書籍ばかりではなく、心が澄みわたるような小説もときどき必要だと、切実に感じました。

2017年4月24日月曜日

チョコレート④

おはようございます。
チョコレートシリーズの冒頭では、本土や海外のチョコレート菓子ばかり紹介してきましたが、沖縄も負けてはいません。
宜野湾市にある洋菓子店では、本場ウイーン仕込みのザッハトルテをつくっています。

イートインも可能なので、ザッハトルテと紅茶でひとときのウイーン気分・・・と言いたいところでしたが、BGMがモーツァルト(はよかったのですが) → サティ(フランス) → エルガー(イギリス) → グリーグ(ノルウェー)と、どんどんウイーンから離れていってしまいました。
それでも、ザッハトルテは絶品でした。


高カカオチョコレートの補足です。
内閣府と明治製菓による共同研究で、高カカオチョコレートを継続摂取することにより、脳の若返り効果の可能性が言及されました。
45歳から68歳の成人男女30人(15人ずつ)に高カカオチョコレートを4週間摂取してもらったところ、大脳皮質の量が増えたそうです。
サンプル数が少なく、カカオのパーセンテージなど詳細が分からないので現時点ではコメントのしようがありませんが、さらなるデータを待ちたいところです。

明治製菓の高カカオチョコレートで人気が出たためか、他社からも同様のチョコレートが発売されています。


カカオ分を増やして相対的に砂糖を減らすのはいいことですが、”デリシャス”とか”ざくろ”を見ると、今度は別のことが気になります。
そこで成分表を調べてみると、案の定「香料」の2文字が入っていました。
果たして、どこまで健康のことを考えているのか、いないのか・・・

参考までに、こんな商品もあります。

このブログを熱心にお読みいただいている方は、ある記事を思い出しているかもしれません。
     ⇓      ⇓      ⇓

砂糖がない分、こういった人工甘味料がちゃっかり、もとい、しっかり入っています。
一事が万事。こういう会社はおおよそ何を考えて商品を企画、製造しているのか、学習すれば透けて見えてきます。
それでも、そこまで学習する人はほんの一握りなので、やはりこの商品も売れているようです。

賢い消費者のみが自身の健康を守れる。そういう時代なのかもしれません。
皆さん、勉強しましょうね!

2017年4月18日火曜日

チョコレート③

おはようございます。 北海道産のジャガイモが不作のため、一部のポテトチップスが製造・出荷を停止しているようです。昔の私であれば無関係ではありませんでしたが、今では年に2~3回くらいでしょうか、縁遠い話になりました。

スーパーの店頭では県産のジャガイモが並んでいます。

出荷時期は決まっていて、2月から4月。生産量がそれほど多くはないので、どこでも見かけるというわけではありません。
もうすぐ時期が終わると、それに代わって北海道産で埋めつくされますが、今年はどうなるのでしょうか。



チョコレートの話を続けます。このチョコレートもお気に入りの一つ、Leonidas(レオニダス)のオランジェット。

細切りにしたオレンジの皮がビターチョコレートでコーティングされています。
Leonidasは、ベルギー王室御用達のチョコだそうです。


さて、チョコレートに含まれる砂糖は、そんなに多いのでしょうか。
それを確かめる前に、原材料表記の復習です。原材料表記は、原料(天然)の多いものから少ない順に、続いて添加物の多いものから少ない順へ、という配列でした。
    ⇓      ⇓      ⇓

じっさいに、スーパーやコンビニ等で「砂糖」が何番目に表記してあるか確かめてください。
ほとんどの商品は、主原料であるカカオマスを押しのけて堂々1番目に記されています。「ビター」味のチョコレートでさえ、そのほとんどは砂糖がトップに位置しています。どこがビターなのでしょう?

おそらく、そうしないと日本人には苦すぎて食べられないのでは、と推測できます。
なんか、似たような話を何か月か前にブログで書いたような気がします。

ところが、数年前から本当に砂糖を抑えた高カカオチョコレートが登場しています。

○○%とは、全重量に対するカカオ豆の割合です。従来のチョコレートは、30~40%のカカオを含みます。それに対してカカオの含有量が70%以上のものを高カカオチョコレートと一般的には呼ぶようです。

あま~いチョコレートに慣れ切ってしまった人は、相当な苦みを感じるに違いありません。
が、次第に舌が慣れてくると、チョコレート本来のカカオマスの風味が口の中に広がってくるはずです。

95%は、さすがに苦くて閉口してしまいますが、中間の86%であれば何とか口にできます。72%は、ほんのりとした甘さが漂い、人気があるようです。
カカオ分が多いほど、ポリフェノールの含有量も多くなります。

カカオは脂質が多いため、エネルギー量は相対的に高くなります。「砂糖が少ない分、ダイエット効果がある」というのは勘違いです。
ともあれ、食べるならこういったものがお勧めです。

2017年4月14日金曜日

チョコレート②

 おはようございます。沖縄では、ほんの束の間かもしれない過ごしやすい日が続いています。車のウインドウを空けると心地よい風が吹き込んできます。
 こんなとき聴きたい音楽はボサノバ。
軽やかな気分を感じたいときには、そのシチュエーションを最高に引き立ててくれます。 



 チョコレートシリーズ、つづき。下の写真は「横濱煉瓦」というチョコレートケーキ。フォークとスプーンは本物ではなく、テーブルマットに描かれている絵です。
横濱煉瓦は、少し重いくらいに濃厚なチョコを使っています。好きな人は病みつきになるかも。


 さて、最近はこんなチョコレートも人気があるようです。

 乳酸菌は、ないよりあるに越したことはありませんが、こういうメーカーの目玉だけを見て飛びつかずに、それ以外の成分等も確かめなくてはいけません。
 ここのメーカーは、とりわけ注意が必要です。ウェブサイトを見ても、どこにも成分表示がありません!? このメーカーの商品については、また後日に登場します。


 ポリフェノール以外に、チョコレートに欠かせない成分としてテオブロミンがあります。テオブロミンはカフェインと似た作用を持ちます。
 脳の神経細胞を刺激して集中力を高めます。その刺激で、疲労して低下した記憶力を元に戻す効果も期待できます。
 とはいえ、集中力を高めるテオブロミンの効果はカフェインより弱く、コーヒーを飲んだほうがはるかに効果を得られます。
 
 テオブロミンには、脳を興奮させることによって、食欲を抑える効果もあるそうです。食前にビターチョコをひとかけら(5~10グラム)食べることによってダイエット効果もある、と言う専門家のコメントも見ました。
 が、これも一筋縄にはいきません。多くのチョコレートには、とんでもない量の砂糖が入っているからです。
(次回につづく)

2017年4月8日土曜日

チョコレート①

 おはようございます。「健康だよりNo.25」ができあがっています。
 
表面は屋比久先生の原稿で「ビタミンAとビタミンB群」。ビタミンAでは、関連栄養素としてβカロチンにも触れています。
裏面は私の原稿で「カルシウムについて」。カルシウムを摂っていれば骨が丈夫になるのか? その点について詳しく書きました。
本院および各加盟店で入手できます。


 突然ですが、チョコレートについて書いてみます。先週、博多で買ってきた生チョコレートがあまりにも美味しかったから。それだけが理由です。

 その生チョコはこちら。

その名も「チョコレートショップ」の生チョコ、「博多の石畳」。


 チョコレートは昔、飲み薬だった、と聞けば意外に思うでしょう。アステカやマヤなどの王侯貴族の間で、カカオからつくった”元気の出る薬”として飲まれていました。その飲み物はショコラテ(神の食べものの意味)と呼ばれ、非常に高価でした。
 その興奮作用は、1杯のショコラテで兵士は1日の行進に耐えることができる、と表現されるほど。今のチョコレートやココアと違って甘くはなく、チリペッパーはバニラを入れて飲んでいたそうです。

 現在でも、チョコレートはカカオの種(豆)からつくられます。カカオには、ファイトケミカルの1種、ポリフェノールが含まれます。
 ポリフェノールには、体を酸化させる活性酸素を取り除く効果があります。活性酸素による遺伝子の変化や、タンパク質の機能阻害、それらが引き起こす動脈硬化やガンの予防が期待できます。
 ポリフェノールにもいろいろ種類がありますが、カカオポリフェノールの抗酸化力はひときわ強いことで知られています。

 ポリフェノール以外にも、カカオ豆にはナイアシン(ビタミンB群)、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、食物繊維、アミノ酸、オレイン酸(オリーブオイルに多く含まれる脂質)、リグニンという食物繊維などが含まれます。
 したがって、チョコレートは ”本来は” 体によい食品であるわけです。
(次回につづく)

2017年4月2日日曜日

日本人は和食!

おはようございます。1週間ぶりのブログです。
先週は、親戚への訪問も兼ねて福岡に行ってました。
いいところをあちこち巡りました。もちろん、美味しいものも食べました。

けれども、もっとも心が満たされるのは、やはり人と会っている時間です。
生まれ故郷でもある久留米では、多くの親戚が集まって笑い転げるくらい楽しいひとときになりました。

久留米・筑後川の河川敷では、一面に広がる菜の花が。

とはいえ、ブログ的には食に関することを書かないとはじまりません。
3月末だというのにとても寒い日々でしたが、今回食べたかったのはラーメンでもモツ鍋でもなく、和食懐石です。

和食の最大の特徴は出汁(だし)である、ということが下の本に書いてありました。言うまでもないことですが。
洋食や中華にも「うまみ」を出す方法はありますが、油がほとんどないのは日本が誇る出汁くらいです。

おいしい出汁でこのところ全国区になっているのが、茅乃舎だし。
最近、こんな本も出ています。


茅乃舎だしを製造・販売しているのは、久屋本家㈱という福岡の会社です。
その久屋本家が食事を提供している椒房庵(しょうぼうあん)という店が、福岡にのみ2箇所あります。

椒房庵での食事が、大きな楽しみの一つでした。
だしで有名になった久屋本家ですが、はじまりは醤油の醸造。味噌や明太子にも徹底してこだわっています。
この銀だらは絶品でした。
器にもこだわってほしかった! というのが焼き物好きな私の感想ですが、それは贅沢というもの。

福岡にお出かけの際は、ぜひ立ち寄ってください。