2015年3月31日火曜日

ビタミンB群(再)③

おはようございます。3月も今日で終わりです。多くの人にとっては年度末でもあるでしょう。
皆様それぞれにとって、よき節目となることを願っています。
私は、明日から研修が始まります。新年度にふさわしいスタートダッシュに向けて、今日はじっくりと内容を組み立てて、イメージを描きたいと考えています。


ビタミンB群の解説、最終日はビタミンB6、ビタミンB12と葉酸です。

ビタミンB6は、琉球温熱療法院の屋比久先生が重視しているビタミンです。それは、B6がタンパク質の代謝に欠かせないからです。タンパク質は分解・吸収されるまでも重要ですが、アミノ酸として血液に入ってからの道筋にも着目しなければいけません。

 B6は、ヘモグロビンや免疫グロブリンの合成に関わります。ヘモグロビンは赤血球中に存在し、体じゅうに酸素を運搬します。免疫グロブンリンは、抗原に対して特異的に反応して分泌される抗体のことです。

 それ以外にも、B6は神経伝達物質の合成に不可欠です。精神安定作用を持ち、抗うつ作用もあるセロトニン、快楽感をもたらし、興奮を刺激するドーパミン、その興奮を鎮め、リラックス効果があるGABA(γアミノ酪酸)、それぞれを合成する最終段階で補酵素としてB6が必要です。

 前々回書いたように、B6を活性化するには、ビタミンB2が必要です。B6は魚介類をはじめ、肉類、バナナなどに含まれます。


 ビタミンB12と葉酸は、それぞれ協同してヘモグロビンの合成に働きます。どちらかが欠乏しても悪性貧血をまねきます。
 同じくビタミンB12と葉酸が協調して、DNAの合成に働きます。欠乏すると、新陳代謝に影響が出ます。
 葉酸はとくに胎児の発育に不可欠です。妊婦さんはしっかり摂る必要があります。

 B12はレバーや貝類、卵などに、葉酸はレバーや緑黄色野菜に含まれます。
 B12は動物性食品にしか含まれていない、ということは広く知られていますが、例外として海苔はB12が豊富です。


 ひとまず、これでビタミン・ミネラルのシリーズを終わります。次回からは、「腸内環境」について書いてみます。

 来月以降も、引き続きお読みください。

2015年3月28日土曜日

ビタミンB群(再)②

  こんにちは。『日本一わかりやすい栄養と食事の講座』第8回「添加物・電磁波・経皮毒」は、さきほど終了しました。
 今回は、部屋に入り切れない事態になってしまいました。

  ご来場いただいた方、本当にありがとうございました。

来月からは、もう一度最初に戻って開催します。

次回は、4月25日(土) 午後2時 から

テーマは 「栄養とカロリーの違い ~ 栄養学のイロハのイ」
       「タンパク質について① ~ 量も質も分解も大切」
の2つです。ぜひ、ご来場ください。
 

ビタミンB群の続きです。
今日は、ビタミンB群のなかのナイアシンとパントテン酸、およびビオチンです。知名度はいま一つですが、どれも大切な栄養素です。

ナイアシンは500種類以上もの酵素を助ける補酵素として働きます。先月ブログで紹介したマグネシウムが300種類以上、亜鉛が250種類以上ですから、ナイアシンは最強の補酵素といってもいいかもしれません。

具体的には、酸化還元作用を中心に働きます。たとえばビタミンCの還元です。
活性酸素を除去する、つまり抗酸化の仕事をし終えたビタミンCは、電子を一つ失って酸化してしまいます。ナイアシンは、酸化したビタミンCに電子を一つ与えて(還元)再び仕事をさせます。隠れた錆び止め防衛隊といえるかもしれません。

ナイアシンが圧倒的に多いのは魚介類。それ以外では、レバー、米、パンなどです。


パントテン酸は「エネルギーの交差点」ともいわれています
ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸がエネルギーに変わるときに、いくつかの変換を経て、いずれもアセチルCoA(コエンザイムA)という物質にたどり着きます。そこを経てエネルギーの生産プロセスに入っていきます。パントテン酸は、アセチルCoAの構成成分です。パントテン酸不足では、材料が何であってもエネルギー代謝に支障が出る可能性があります。

また、ストレスを抱えている人にも、パントテン酸は必須です。ストレスを受けると真っ先にダメージを受ける臓器は、腎臓のうえに乗っかっている副腎です。副腎はストレスに対抗するホルモン(コルチゾールなど)を生産するために大きな負担が掛かります。そのときにとくに消耗する栄養素が、ビタミンCとパントテン酸です。

パントテン酸は、肉類、魚介類、納豆、卵などに含まれます。

ビオチンは皮膚や髪の健康を保ち、なかでも髪に栄養を与えて抜け毛や白髪を防止する役割があります。中高年にとっては必須の栄養素かもしれません。


ビオチンが多いのは卵です。ただ生卵にすると、ビオチンの吸収を妨げるアビジンという物質が残り、せっかくのビオチンが消化できません。できるかぎり生卵は避けましょう。

2015年3月26日木曜日

ビタミンB群(再)①

おはようございます。今、沖縄のあちらこちらでツツジの花が満開です。

沖縄での花の時期がなかなか頭に入らないのですが、ツツジは本土より1~2か月早いくらいなので、これなら覚えられます。
が、写真のツツジから少し離れたところではアサガオが満開です。
う~ん、やっぱり分からない・・・(沖縄の人にとっては、私が何を言っているのかが分からないと思いますが)


 さて、お知らせしている新マルチビタミン&ミネラル・サプリメント(4 / 1発売予定)は、 多くのビタミン・ミネラルで従来品よりも含有量を増やしていますが、なかでもビタミンB群の増量幅は際立ちます。
ビタミンB群については1月29日のブログで紹介しました。が、あまりにも簡単だったので、今一度3回シリーズでビタミンB群の解説をして、「ビタミン・ミネラル」シリーズを終えたいと思います。

ビタミンB1は、おもに糖質(炭水化物)の代謝に働き、エネルギーに変換するときに大事な役割を果たします。不足すると、手足がだるい、痛い、しびれる、運動障害などの筋肉症状が現れることがあります。

B1が圧倒的に多いのが豚肉、なかでもヒレ肉で、70gあたり0,7~0,mgくらい含まれます。それ続くのが、ウナギや魚介類です。
B1が多いのは玄米! というイメージが強いですが、それは白米に比べれば多いということであって、玄米ご飯1杯100g食べても、そこに含まれるB1は0,mgにも届きません。

なお、B1の吸収には、ナトリウムと葉酸が必要です。極端な塩分制限をしている人は、B1の吸収に問題が出る可能性があります。


つづいてビタミンB2です。B2は、活性酸素や過酸化脂質の害から直接または間接的に守る、錆び止め防衛隊です。とくに過酸化脂質は、周りの細胞や組織を連鎖的に酸化させていく悪玉中の悪玉です。B2は、過酸化脂質の分解に働きます。
それ以外では、皮膚、毛髪、爪などの粘膜の機能に働きます。不足すると、皮膚炎や口内炎、あるいはフケ、脱毛などの症状が出ます。

B2が多い食品には、レバーや乳製品、魚介類、卵などです。
また、当社の「ハイパワーC」にB2が含まれていますが、B2はビタミンCの吸収を助けます。また、来週取り上げる予定のビタミンB6の活性化にも働きます。

(次回につづく)

2015年3月24日火曜日

ビタミン・ミネラルの必要量②

  おはようございます。今週土曜日はセミナーです。


















 すでに定員25名のご予約をいただいていますが、あと3名ほどであれば入場可能ですので、ご希望の方は早めにお申し込みください。


 「メガビタミン」のつづきです。ビタミンの力で病気を遠ざけたい。それに加えて老化を極力遅らせたい。これを実現するためには、どのくらいのビタミン摂取が必要でしょうか。
 ビタミンによっても異なりますが、分子栄養学では「日本人の食事摂取基準」量の数倍から最大20~30倍摂取すると考えるのが主流のようです。先に挙げたビタミンCは作用の数が桁外れなので、40~50倍くらいになるでしょうか。

 ただし、ビタミンAとビタミンDについては、数十倍というレベルで摂取すると不都合が生じます。この2つは、細胞の中の受容体、つまり受け皿を共有しています。ということは、ビタミンAかビタミンDのどちらかを大量に摂ってしまうと、もう一方のビタミンの作用が相対的に低下してしまうからです。 
 それでも、ビタミンAやビタミンDの十分な摂取量を食事だけでまかなうのは、きわめて困難です。ビタミンCやビタミンB群、ビタミンEはいうまでもありません。

「食事が基本」が原則ではありますが、食事のみでのメガビタミンの摂取は、現実には困難です。より積極的な予防と健康増進に取り組みたい場合には、そのプラスアルファ分をサプリメントで補給するのが効果的です。
琉球温熱療法院では、4月はじめを目標に新マルチビタミン&ミネラル・サプリメントの販売準備を進めています。このサプリメントは、メガビタミンにも十分に対応できるだけの含有量です。

ところで、メガビタミンという言葉はあっても、メガミネラルという言葉は聞きません。ミネラルを「日本人の食事摂取基準」の数十倍レベルで摂ってしまうと、少なからぬ副作用が起こることが指摘されています。このことからメガミネラルとは言わないのです。
予防レベルを上げるのに必要な量は、大体その数倍程度にとどまります。
しかしながら、野菜・果物に含まれるミネラルが激減しているので、食事だけで「日本人の食事摂取基準」の数倍を摂るのは容易ではありません。

とくに現代の人は、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛などが不足気味です。なぜそうなるのかというと、加工食品やコンビニ弁当などに非常に多く使われる「リン酸塩」という食品添加物が、それらのミネラルの吸収を阻害するからです。
リン酸塩は、ソーセージ、ハム、かまぼこ等の練り物や、缶詰、カップ麺など、広範囲に使われています。また、出来あい弁当の表示であなじみの「pH調整剤」(これについては、いずれ添加物のシリーズで説明します)にもリン酸塩が使用されています。


そのような状況でも便利なものが、マルチビタミン&ミネラルのサプリメントです。新マルチビタミン&ミネラル・サプリメントは、上記のミネラルもたっぷり入っています。とくに、ブログでも強調した亜鉛とセレンなどを、従来品よりも増やしています。

2015年3月21日土曜日

ビタミン・ミネラルの必要量①

 おはようございます。昨晩は、オペラ「フィガロの結婚」(モーツァルト)を観に行きました。
「フィガロの結婚」は20代の頃から一番好きなオペラで、10年に1回は鑑賞しています。LD(レーザーディスク)が普及していた時代には、「フィガロの結婚」だけで2~3種類のディスクを聴きくらべるほどの凝りよう。
 そのオペラが沖縄で、しかも一流キャストで演じられるというのですから、私は半年前から楽しみにしていました。
 















 
 心揺さぶる歌声とオーケストラを含めた音楽を、時間たっぷり堪能できました。
とくに今回は、リハーサルでキャスト(オペラ歌手)を間近で見ていたこともあって、一人ひとりがとても身近に感じられました。“やはり”というか、リハーサルではセーブしていたキャストがほとんどでした。
また、音楽以外に大切なのは、演出や衣装、舞台セット。どれも、かつて観た超一流のLDのものに負けていません。ぜひ、こういう公演を年に1度は観たいものです。



 前振りが長くなってしまいました。
 年初からはじまった「ビタミン・ミネラル」も、そろそろ〈まとめ〉の段階にはいってきました。
私たちは毎日どのくらいのビタミン・ミネラルを摂ればよいのでしょうか。かなり前にビタミンCを例に解説しましたが、あらためて必要摂取量の話をします。

 厚生労働省発表「日本人の食事摂取基準」の推奨量によると、たとえばビタミンAであれば1日に650~850マイクログラム、ビタミンB1は1日に1・1~1・4ミリグラム、ビタミンCは1日に100ミリグラムでした。
これらの摂取量の根拠は、それぞれが欠乏したときに発症のリスクが高まる欠乏症を防ぐためのレベルです。ビタミンAが欠乏すると夜盲症、ビタミンB1が欠乏すると脚気、ビタミンCが欠乏すると懐血病を発症する可能性があります。
しかし、この摂取量はあまりにも消極的で、これでは栄養素が持つ能力のごく一部しか発揮できません。

 分子栄養学という学問分野にメガビタミンという言葉があります。数十、あるいは百以上もの作用がある各種ビタミンの持つ力を最大限に引き出すには、それだけ大量に摂取しなくてはいけない、という考え方です。

 日本における分子栄養学の先駆者の一人である三石巌氏は、メガビタミンを説明するのにカスケード(段々滝)というモデルを考案しました。段々滝にたくさんの水車が上から下に向かって階段状に並んでいる、というイメージです。その水車の一つ一つがビタミンの何らかの作用です。
 上から流れ落ちる水の量が少ないと、上のほうの水車は回るものの、下のほうは勢いがなくなっているので回らない。下の水車まで勢いよく回転させるためには、大量の水を上から流さなければいけません。

こう考えると、ビタミンの大量摂取が分かりやすくなります。一つでも多くの働きをするためには少しでも多くのビタミンを、というわけです。
ビタミンCには、分かっているだけでも100以上、他のビタミンも数十種類におよぶ作用を持っています。大量に摂取すると、その量に見合っただけの働きが期待できます。逆に、少量の場合はそれなりの効果、つまり数少ない作用をするにとどまります。

(次回につづく)

2015年3月19日木曜日

海藻類②

 おはようございます。
 2~3日前の毎日新聞ニュースに「20代~30代女性の摂取カロリーが減少。終戦直後以下に!」という記事がありました。
仕事が忙しい20代~30代の女性が最低限の食事しか摂らず、なかには1000キロカロリーにも満たない人がいるとか。全体的に摂取カロリーが減少傾向にあり、逆に「やせ」傾向が増えているというものでした。

カロリーの摂り過ぎは、肥満をはじめ、さまざまな生活習慣病につながります。これがよくないことは説明の必要がないと思いますが、カロリー不足も同じくらい体にダメージを与えます。
糖質や脂質によるカロリー(エネルギー)不足が起こると、その不足分をカバーするために体にあるタンパク質が使われます。タンパク質もエネルギーに変換できるからです。
 体のタンパク質がどんどんエネルギーとして使われると、どうなるのかは・・・・・わかりますよね。わからない人は、このブログの「タンパク質」を読み返してください。


 海藻の続きです。
 海藻は、酵素をサポートするミネラルを大量に海水から取り込んでいます。海藻を食べると酵素が活性化するのは容易に推測できます。
もちろん、海藻には酵素そのものも豊富です。野菜とは違って、海藻はほとんどの場合は生で食べます。生の食品にこそ多く含まれる酵素が、海藻を食べることで摂取できるのはいうまでもありません。

 酵素の話になったので、タンパク質にも触れておきましょう。海藻には、タンパク質は平均して10%前後含まれていますが、それが海苔になると40%近くにもなります。
それだけでなく、海苔にはイカやタコに多いタウリン、動物性食品以外にはほぼ含まれないビタミンB12もあります。
 少量ずつではあるものの、海藻にはビタミンも含まれます。おもなものは、ビタミンA、ビタミンB1、B2、葉酸、ビタミンKなどです。

 海藻に含まれる脂質は、青魚に豊富なEPA(エイコサペンタエン酸)です。EPAは青魚に豊富とはいっても、その多くは頭部に集まっています。現代の食スタイルを考えると、EPAは海藻から摂るのが容易かもしれません。
昆布、わかめ、ひじき、モズクなどに共通して含まれるヌルヌルとした成分は、フコイダンというファイトケミカルです。フコイダンには強い抗がん作用があり、モズク由来のフコイダンサプリメントは、がんの代替療法としても知られています。

 海藻には水溶性の食物繊維も豊富です。水溶性食物繊維には、善玉菌のエサになり腸内細菌バランスを整える、ブドウ糖の吸収を緩やかにする、コレステロール値を抑える、などの作用があります。
 その水溶性食物繊維を手軽に口に入れる食品に、寒天を粉にした寒天粉があります。寒天は、我が国が世界に誇る優秀な保存食品です。テングサを煮出して冷やし、ゼリー状にしたものがトコロテンで、これを凍結・乾燥させると寒天になります。カロリーも低く食物繊維がたっぷり摂れるトコロテンと寒天は、格好の健康食といえるでしょう。


また、海藻は陽性食品でもあるので、寒い季節に食べても体を冷やすことはありません。トマトやレタスなど夏野菜中心のサラダには、そこにワカメを加えるのもよいでしょう。

2015年3月17日火曜日

海藻類①

  おはようございます。昨日は、オペラのリハーサルを特別に聞かせていただきました。
 一流オペラ歌手の歌声を間近で聞いたのは初めてでした。本番に向けて、おそらく100%の力は出していないと思われますが、それでも震えるくらいの感動を呼び起こすに十分なものでした。

 本番のステージは、今週の木曜日と金曜日です。私は金曜日に聞きに行きます。


 木曜日のほうが、多少お求めやすいチケットになっています。
 本島在住の方で、オペラもしくはクラシック音楽がお好きな方、美しい歌声に浸りたい方、ぜひ足を運んでみてください。3時間たっぷり楽しめるオペラです。










 野菜と果物に含まれるビタミン・ミネラルは少なくなっている、という話から、食物繊維、ファイトケミカルへと話題が広がりました。
が、野菜と果物以外にも大事なものがありました。海藻です。海藻は昔からミネラルの宝庫ともいわれていました。

 日本人は海藻をよく食べます。海藻や小魚を多食する地方には、長寿者が多くいることで知られています。日本人が海藻を食べるようになった歴史は古く、石器時代から海藻を魚介類とともに食料にしていたようです。
私が住む沖縄では、モズクやアーサ(あおさ)、海ブドウなどの海藻類が日常的に食卓に上がります。県内では摂れませんが、沖縄は長らく1人当たり昆布の消費量が日本一でした。ダシをとるだけではなく、煮て食べるからです。

植物のなかでも海藻は、あらゆるミネラルが溶け込んだ海水から、必要なものをすべて取り込んでいます。だから、もっともすぐれたミネラル源であるといってよいでしょう。
海藻は野菜と同じくクロロフィル(葉緑素)を有し、光合成により生育します。栄養成分も両者はよく似ていますが、この半世紀前後でビタミン・ミネラルが激減してしまった野菜と比べると、総合的な栄養価では海藻に軍配が上がるといえます。

海藻と聞いて、最初に思い浮かぶミネラルはヨードでしょう。ヨードは甲状腺ホルモンの材料です。子どもの場合、甲状腺ホルモンは成長や成熟のカギを握ります。ヨードの欠乏が慢性的になってくると、順調な発育が妨げられることがあります。
ヨード卵というのを聞いたことがあるかもしれませんが、これは海藻を食べた鶏に産ませた卵です。

 ヨードだけではありません。海藻中の鉄の濃度は、海水中の1万5千倍もあります。海藻の生命活動がそれだけの濃縮をもたらしたのでしょう。光合成や糖の代謝に関わるマンガンも、海藻には海水の1万2千倍の濃度で含まれています。
 海藻は海水のミネラルを濃縮して含んでいますから、土壌から失われた分のミネラルを補給するには打ってつけです。

(次回につづく)

2015年3月14日土曜日

ファイトケミカル③

 こんにちは。
 今日はホワイトデーです。私も日頃の感謝の気持ちを込めて渡します。

 












 このブログを読んでいる男性諸氏(何人くらいでしょうか)、忘れないでくださいね。


 あらためてファイトケミカルを整理してみます。ファイトケミカルは大きく区分すると、ポリフェノール類、カロテノイド類、硫黄化合物の3つに分かれます。
 ポリフェノール類は水溶性のファイトケミカル、カロテノイド類は油に馴染む脂溶性のファイトケミカルです。ここまではビタミンと似ています。もう一つの硫黄化合物は、文字通り硫黄が持つ独特の香り成分の総称です。

 ポリフェノール類の代表的なものとしては、多くの野菜や果物に含まれるフラボノイド、ぶどうやブルーベリーのアントシアニン、赤ワインのレスベラトロール、緑茶のカテキン、大豆のイソフラボン、そば粉のルチン、ウコンのクルクミン、しょうがに含まれるショウガオールなどです。
 ポリフェノール類の摂取で注意したいのは、水溶性のために水で洗いすぎてしまうと、その一部が流れ落ちてしまうことです。茹でたソバの麺にはルチンがほとんど残っていないことは知られています。日本そばの店では、食後のそば湯を飲むとよいでしょう。

カロテノイド類の例としては、にんじんやかぼちゃに含まれるβカロチンやαカロチン、トマトや赤ピーマン、すいかのリコピン、ほうれんそうやブロッコリー、ケールに多いルテイン(ルテインとルチンは別物です)、パパイアやマンゴーのゼアキサンチン、えび、かに、さけ、いくらのアスタキサンチン、とうがらしのカプサイシンなどです。
カロテノイド類は脂溶性ですので、脂質と一緒に摂ると吸収が高まります。沖縄のパパイアイリチー(炒め物)は、その点でも理にかなっています。

硫黄化合物には、ニンニクに含まれるアリシン、同じくニンニクやネギ、玉ねぎ、にらの硫化アリル、キャベツ、大根、小松菜、かぶ、ブロッコリー、カリフラワー、ケールに多いイソチオシアネートがあります。
硫黄化合物は、抗酸化作用、殺菌作用、抗がん作用のどれをとっても強力です。ぜひ、毎日の食事に加えたいものです。
ただし、ニンニクの食べすぎには注意してください。腹痛や貧血を起こす可能性があります。


2015年3月12日木曜日

ファイトケミカル②

おはようございます。京野菜の漬物の話、ちょっとだけ補足します。
 京都の冬を代表する漬物に〈すぐき〉があります。すぐきは、酢茎菜(すぐきな)というカブの一種を漬けこんでつくります。
 この〈すぐき〉に強力な乳酸菌、ラブレ菌が発見されたことで注目されています。ラブレ菌は、大規模調査によってインフルエンザの予防効果があることが分かっています。すぐきが冬の逸品であるところが絶妙ですね。
 もう今年はその時期は過ぎようとしていますが、次の冬のインフルエンザ対策にどうでしょうか(ビタミンCも忘れずに)。


ファイトケミカルの話を続けます。
アメリカ国立がん研究所が作成した「抗がん作用が認められる食品のピラミッド」というものがあります。(写真がやや不鮮明です。すみません。)














そのピラミッドの頂点に君臨するのはニンニクです。これは、ニンニクに含まれるファイトケミカルのアリシンによるものです。その次に位置するキャベツには同じくイソチオシアネートが、人参にはアルファカロチンという強力な抗がん作用を持つファイトケミカルが存在します。

 それ以外に有名なところでは、赤ワインに含まれる今注目のレスベラトロール、ブルーベリーやぶどうのアントシアニン、トマトやすいかのリコピン、人参やかぼちゃのベータカロチン、ねぎ・玉ねぎ・ニラの硫化アリル、ほうれんそう・ケールのルテイン、みかんのヘスペリジンなどがあります。
 
ファイトケミカルはほとんどの野菜・果物に含まれますが、それ以外の食物にもあります。緑茶に含まれるカテキン、大豆のイソフラボン、そば粉のルチン、ごまのリグナン、えび・かに・鮭の赤い色素であるアスタキサンチン、きのこ類のベータグルカン、海藻類のフコイダンなどが挙げられます。(ルテインとルチンは別物です)

 ある食事法を推奨する団体は、「南方系の野菜・果物は、体を冷やすからよくない」ということを謳っています。
 その真偽はともかくとして、南方系、たとえば沖縄で栽培される作物は、きわめて強い紫外線を受けて育ちます。すると、その強い紫外線から身を守る武器を備えなければいけません。それが強力なファイトケミカルです。
 ですから、そういう野菜・果物を食べることは体によいことであり、とくに抗がん作用において如何なく力を発揮してくれるはずです。

 そもそも「南方系の野菜・果物は、体を冷やすからよくない」のであれば、沖縄が長いあいだ誇った健康長寿をどう説明するのでしょうか。

(次回につづく)

2015年3月10日火曜日

ファイトケミカル

おはようございます。
那覇新都心のスーパーで見かけた京野菜の漬物コーナーです。べったら漬けや千枚漬け、赤かぶらなど、漬物好きにはたまらない一角です。


沖縄の漬物というと、島らっきょうの塩漬けやパパイア、ゴーヤーの漬物などが思い浮かびます。
が、気候の影響なのか、食文化の違いなのか、日常的に食卓に浸透しているとはいえないようです。
(認識違いだったらゴメンナサイ)
それでも最近は、内地からの移住者が増えているためか(私もそうです)、こういうコーナーが成り立つようになったのでしょうか。
ささやかな楽しみが増えました。
  

 食物繊維に加えて、もう一つ野菜・果物にとって大切な栄養素にファイトケミカルがあります。「ファイト」はギリシャ語で植物という意味。「ケミカル」は化学物質ですから、ファイトケミカルとは、植物に含まれる化学物質、または植物がつくりだす化学物質のことです。ただ、この説明では、まったくわかりませんね。具体的に説明しましょう。 

 植物は動物と違って動けません。太陽の強い日差し、つまり紫外線にさらされても、それを避けるために日陰に隠れることは不可能です。その環境のなかでも生きていくために、植物は紫外線から自分の身を守るための術を持たなければいけません。それがファイトケミカルだといってよいでしょう。
 ファイトケミカルは、植物が自らを守るためにつくりだした天然成分です。

 ファイトケミカルの最大の仕事は、活性酸素から自らを防御する抗酸化作用です。その抗酸化力は、すでに紹介したビタミンCよりはるかに強いといわれています。
植物がもつ色素は、太陽の光を無害なものに置き換える力があります。そのファイトケミカルを野菜・果物を通して体に入れると、その作用がヒトの体内で働きます。摂取したファイトケミカルは、細胞膜や細胞の中に入り込み、活性酸素の働きを阻害します。

 ファイトケミカルから得られる恩恵は、抗酸化作用以外にも、発がん物質の抑制作用免疫増強作用など、いいことづくめです。抗酸化作用も結局はがんの抑制に結びつきますので、ファイトケミカルはがん予防に欠かせない栄養素といって間違いありません。

 ファイトケミカルのおよそ9割は、野菜や果物など、私たちが日常食べている食品に含まれています。現在見つかっているのは約1500種類ほどですが、実際にはまだまだあると推測されています。

 次回につづく)

2015年3月7日土曜日

野菜・果物の食物繊維

 おはようございます。昨日は啓蟄(けいちつ)でした。啓蟄の「蟄」とは冬眠している様子をいい、「啓」とは行動をすること。すごもりの虫も顔をのぞかせ始め、桃の花もつぼみを開き始め、野山では鳥の鳴き声があちらこちらで聞こえてくる気候のようです。
 動物たちも本格的に動き始めます。年はじめのスダートダッシュをしそこなった人も、動物に合わせて(?)そろそろアクションを起こしましょう。


 前回、および前々回に書いたように、現代の野菜や果物に含まれるビタミン・ミネラルは、ひと昔と比べて激減してしまいました。また、インフラ整備やライフスタイルの変化によって、さらに少なくなったものを私たちは口にしています。
 栄養の面からみた野菜・果物は、すでに食べるだけの価値を失ってしまったのでしょうか。値段も安くはなくなっているし、そう思いたくなるのも無理はありません。

 しかし、それでも野菜や果物は毎日しっかり食べる必要があります。その中に含まれる栄養素はビタミン・ミネラルだけではないからです。

 一つには、食物繊維が豊富だからです。 食物繊維のほとんどは、腸で吸収されることはありません。ということは、消化できない食物繊維は、腸にとって異物として認識されます。もっとも何の害もなく、「素晴らしい」異物ですが。
 腸はこの異物を早く外に排泄しようとしますので、その動き(ぜん動運動)を結果的に活発にします。便秘対策の基本が食物繊維だというのは、この理由によります。

 食物繊維の働きは、それだけではありません。腸の中の毒素を吸着して外に出すという役目もあります。便秘ということは、多くの毒素が腸内に留まっていることを意味します。そこに食物繊維があれば、有害物質を吸着して排出してくれます。腸のお掃除役としても食物繊維は重要です。
さらに水溶性の食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり腸内環境を整えます。先日、テレビ番組の紹介で腸内細菌について触れましたが、腸がキレイかどうかは健康を大きく左右します。

次回につづく)