2014年11月29日土曜日

リノール酸②

 おはようございます。あらためて次回のセミナーのご案内です。


 テーマは、「冷え症・インフルエンザ対策」とありますが、おそらく時間が余ってしまうと思いますので、もう一つ加えます。
 先週のセミナーで酵素について触れましたが、時間の都合で十分には話をできませんでした。じつは酵素を知れば、それが冷え症の対策にもつながりますので、その点を補足したいと考えています。
 また、酵素に関して非常に鋭い質問をいただきましたが、それについても少し説明を加えます。
 そこで「酵素のつづき(補足)」を追加します。年末の忙しい時期ではありますが、ぜひ足をお運びください。


 
 前々回は、家庭でよく使われている油の多くが、リノール酸というカテゴリーのものだという話をしました。しかし、リノール酸があるのは家庭の台所だけではありません。
 外食や中食(調理済みの持ち帰り食品)で使用されている油のほとんどが、このリノール酸であると思って間違いありません。理由は、やはり安価だからです。競争が激しい外食・中食業界にあって、コストの圧縮は至上命題です。高価・高品質な油は、使いたくても使えないという事情があります。

 では、リノール酸の良し悪しをみていきましょう。
 リノール酸は人体で合成できないので、食事から摂取しなければいけません。リノール酸は、細胞膜の材料になるほか、血圧をさげるなどの働きがあります。不足すると、肝臓障害、胃腸障害、皮膚炎、感染症にかかりやすくなる、といったことが指摘されています。つまり、適量は摂取する必要があります。
 が、現代の食生活では、適量をはるかに超えて過剰に摂取してしまいがちです。私たちは、リノール酸を「いかに摂らないか」を考えたほうが、現実的といえそうです。

 じっさいにリノール酸を過剰に摂取するとどうなるのか。具体例を挙げると、炎症の促進、アレルギー症状の促進、血圧を上げる、中性脂肪を上げる、血栓をつくる(血液を固める)、脳細胞機能を低下させる、といったマイナス面が考えられます。さらに、リノール酸の摂り過ぎが大腸がん、乳がん、前立腺がんを促進させる、という研究結果もあります。
 もうお気づきかもしれません。EPA・DHAのプラス作用(11 / 4 および11 / 6 付ブログ)と、ほぼ正反対に働きます
(次回につづく)

 

2014年11月27日木曜日

冬の日光浴(ビタミンD)

 おはようございます。まずは、今日の朝刊(琉球新報)に掲載されていた記事を、抜粋して紹介します。

「国立環境研究所などの研究チームは、食事で足りないビタミンDを補うために必要な日光浴の時間を、札幌市、つくば市(茨城県)、那覇市で算出し発表した。
 12月の晴れた正午ごろに顔と両手を露出した場合、札幌市では2時間19分と長い日光浴が必要。つくば市では41分、那覇市では14分で足りるとの結果になった。」

「ビタミンDは骨の形成や免疫の働きを助ける。近年、紫外線は有害との考えから日光を避ける傾向が強まり、ビタミンD不足の一因になっていると考えられている。」


 ビタミンDは、一般的には「カルシウムの吸収を助けて骨を丈夫にする」ことで知られています。ビタミンDは魚介類や干しシイタケ、キクラゲなどに含まれますが、魚をあまり食べない場合には食事だけでは充足できません。
 そこで、その分を補給するのが日光浴です。人の体はビタミンDを自ら合成することが可能です。紫外線が皮膚にあるコレステロールに当たることによって、ビタミンDを生成します。

 紫外線は緯度が低くなり(つまり南にいくほど)、標高が高くなるほど強くなります。したがって沖縄の人、とくに女性は、記事にあるように日光を極端に避ける傾向があるようです。
 ただ、紫外線はいつも同じ強さではなく、日中に比べて朝夕は弱く、夏に比べて冬は弱くなります。ですから、そういう時間帯を中心に「15分でいいから太陽の光を浴びましょう」と、私は沖縄に来てからも言い続けています。
 今朝の記事は、はからずもその援軍のような内容でした。

 本土の場合は、真夏の日中等を除けば、積極的に日光浴をしてもよいのではないでしょうか。紫外線によるシミが気になるかもしれませんが、その分ビタミンCをはじめとする抗酸化栄養素を摂取していれば防ぐことができます。
 なかには皮膚がんを警戒する人もいるかもしれません。しかし、日本人のような黄色人種の場合、皮膚がんはガン全体のなかの1%未満です。その1%未満に神経質になるよりは、次に述べるビタミンDによる免疫強化を獲得するほうが現実的ではないかと、私は思います。

 そのビタミンDによる免疫強化が、近年大きく注目を浴びています。骨粗しょう症の予防のみならず、がん予防アレルギー予防にも効果があるという研究結果が世界で相次いで出ています。
 もう一つ、これからの季節に気になるインフルエンザ対策にもビタミンDが有効という調査が、国内の研究者から発表されています。
 したがって、来月のセミナー「冷え症・インフルエンザ対策」(12月20日)でも、ビタミンDについて詳しく説明します。

2014年11月25日火曜日

リノール酸①

 こんにちは。沖縄は最高気温27℃と夏のようです。
 ここ数日は、高倉健さん主演の映画が各局で放送されています(たしか今夜も)。私は、まだ見ていなかった遺作『あなたへ』を鑑賞しました。
 しっとりとした味のある健さんの演技と郷愁を誘う昔懐かしい風景(長崎県平戸市)に、すっかり引き込まれてしまいました。皆さんは、どれか見てみましたか。

 
 今週は、「積極的に摂ってほしい」でもなく、「摂らないでほしい」でもない、適量の摂取にとどめたい脂質を取り上げます。
 ほどよく、ほどほどに、適度に、過不足なく・・・。頃合いのよさを表す語彙が日本語には豊富ですが、これが見事に当てはまる脂質があります。適量は必要だが、過剰になるとよくない油です。

 こう書き出しているということは、過剰に摂取しがちな特定の脂質に警鐘を鳴らそうとしているのです。それは何か。 専門用語は極力使いたくありませんが、リノール酸というカテゴリーの脂質です。
 用語に関しては覚える必要はありません。覚えてほしいのは、そのリノール酸が多く含まれる油、あるいは商品です。

 たとえば、大豆油、コーン油、ごま油、なたね油、ひまわり油、綿実油、などです。スーパーの店頭に並んでいるサラダ油も、これらの油をブレンドしたものです。それ以外でも、マヨネーズ、ドレッシング、ラードなどに一定量のリノール酸が含まれます。
 「我が家で使っている油のほとんどではないか」と思った人も多いのではないでしょうか。

 どうして、EPA・DHAやオリーブオイルではなく、上記の油のほうが幅を利かせているのか。それは、説明するまでもなく安いからです。とくに大豆とコーンはコストが抑えられることで知られています。
 その原料はもちろん輸入もの。ほとんどがアメリカ産です。そしてアメリカ産の大豆とコーンは、遺伝子組み換えである可能性が高いとみてよいでしょう。

 その意味でも、こういった油はパスしたいところです。が、リノール酸過剰摂取の弊害は、また別のところにあります。
(次回につづく)
 
  

2014年11月22日土曜日

御礼

 日本一わかりやすい栄養と食事の講座・第4回「腸内環境について」はさきほど終了しました。今回も20名を超える方にお集まりいただきました。心より御礼申し上げます。
 「腸内環境の悪化(腸内腐敗)があらゆる病気を引き起こす」ことを、お聞きになった方にはご理解いただけたと思います。キレイな腸を目指して、できることから1つずつ実践に移してください。


 次回は、12月20日(土)午後2時からです。
 テーマは「冷え症・インフルエンザ対策~この冬を乗り切るために」です。風邪を含めたこれらの対策を、栄養面からのアプローチで解説します。楽しいクリスマス&年末年始を過ごすために、まずはコンディションを万全にしましょう。
 通常は第4土曜日に開催していますが、来月は第3土曜日です。お間違えのないようにお願いします。

2014年11月21日金曜日

久家本家・茅乃家だし

 おはようございます。福岡から戻り、また沖縄からのブログです。 
 九州では、11月中旬ということもあって、行く道々で紅葉を見ることができました。3年ぶりです。


 ただ、地元の人の話だと、この秋は冷え込みがゆるやかで、紅葉の色付きも今一つだということ。
 じっさいに、ジャケットを持ってはいきましたが、使う場面はないほどの陽気でした。
 やはり紅葉は寒い地方のほうがよろしいようで。


 さて、前回紹介した久家本家・茅乃家だしです。普通に通販でも購入できますが、送料節約のために、バッグに詰めて持ち帰りました。


 素材は、焼きあごのほか、かつお節、真昆布、うるめいわし、天草灘の海塩。上質なものだけを厳選しています。
 もちろん、家庭でだしをとることが大切なのですが、時間がないときには大いに助かります。





 福岡みやげといえば、まず思いつくのは明太子でしょう。博多が全国に誇る名物の一つですからね。
 けれども、私は明太子をめったに買いません。買わない理由があります。それは、また添加物のシリーズに入ったら説明します。


 明日はセミナーです。テーマは「腸内環境」。
 腸内環境は、病気にならないカギであり、老化を遅らせるカギであり、お肌を美しく保つカギでもあります。
 お時間のある方は、ぜひお越しください。
  

2014年11月19日水曜日

福岡周辺の食材③あご

 こんばんは。今日は長崎に行きました。約3年ぶりです。
 長崎に行きたがるのは、風情ある坂の街であること、途中の列車から見える有明海が素晴らしいこと、などいろいろあります。が、じつは路面電車(別称チンチン電車)が好きなんですね。
 九州では、長崎、熊本、鹿児島の3都市で今でも走っています。鹿児島はさすがに福岡から遠いですが、この路面電車乗りたさに、長崎や熊本にはしばしば足を運びました。物好きですねぇ。

 ということで、長崎の海産物です。やはり「あご」でしょうか。あごはトビウオの別名で、長崎ではこの名称で呼ばれています。
 長崎県北部に位置する五島や平戸の海は、あごの産地として知られています。毎年、季節風が吹き始める9月ごろになると、この一帯にあごの大群が押し寄せてきます。

 このあごを獲って、港の近くの加工場で新鮮なうちに炭火で焼いたのが「焼きあご」です。ほとんどの加工場で備長炭を使って焼き上げています。遠赤外線であごの旨みをギュッと閉じ込めます。素材のよさを手間暇かけて引き出しているのです。
 それもあって、五島や平戸の焼きあごは長崎の特産物になっています。焼いた香ばしさと潮の香りが漂う濃厚な味は、酒の肴やご飯のお供に打ってつけです。

 あごを贅沢に使うならば「焼きあごだし」です。長崎の焼きあごは、最高級のだしとして料亭でも使われています。
 味噌汁、煮物、おでん、うどん、そして高級ラーメン(?)のだしにも使われています。これからの季節は鍋物でしょうね。お正月が来たらお雑煮のだしにするとか。沖縄ではお雑煮の習慣はありませんが。

 この焼きあごを使った、福岡の「久家本家・茅乃舎だし」が、全国的に人気が出ています。もちろん明日、博多で買って帰る予定です。
 ネット通販でも購入できますよ。

2014年11月18日火曜日

福岡周辺の食材②イカ

 こんばんは。福岡の朝夕は寒いですね。まだまだ11月。これから1月、2月に向けてグッと冷え込むのですが、沖縄で2年過ごすと今でも十分に寒さを感じます。
 私が住んでいた姪浜など海に近いところは、玄界灘からの北西の風が吹きすさぶので、実際の気温以上に冷たさを感じます。昨日紹介した糸島半島の海岸も、春から秋にかけては風光明媚で気持ちがよいのですが、真冬は近づこうとも思いませんでした。

 その糸島半島は、福岡市の西隣に位置しています。さらに西へ行くと佐賀県との県境。そこから20kmあまり進むと、唐津市の呼子(よぶこ)という町にたどり着きます。
 呼子は日本3大朝市の一つとして有名ですが、イカの水揚げ漁港としても知られています。周辺にはイカ料理専門店が軒を並べ、なかには「イカ道楽」なんて、どこかで聞いたような店名もあります。

 コース料理の目玉は、当然イカ刺し。店内には活けすがあり、新鮮なままのイカを堪能できます。 イカって白いものだと思っていませんか? さばいた直後のイカは透けています。こういうのを楽しめるのも港町の醍醐味です。
 イカ刺し以外では、呼子名物イカシュウマイも見逃せません。なにかとカニに対抗したいのでしょうか。

 イカの栄養素で真っ先に出てくるのはタウリンです。タウリンがもつ有益な作用は多く
1.血中のコレステロールを下げる
2.血圧を下げる
3.肝臓での解毒作用を助ける
4.筋肉疲労の回復促進
5.強心作用・抗不整脈作用
6.胆石の生成を阻止する
など多岐にわたります。イカ100グラム中には、約350mgのタウリンが含まれます。

 それ以外では、銅、亜鉛などのミネラルやビタミンEなどがあります。
 タンパク質の含有量は、100グラム中に15~16グラムと、ほかの魚と比べると低めです。しかし、アミノ酸のバランス(プロテインスコア)は高く、消化吸収も良好です。

  ところで、イカ漁といえば、夜の海の沖合に煌々と灯る漁火が、ともすれば幻想的な光景に思えます。私はこれを見たさに、学生時に青森県・下北半島の突端の町に行った憶えがあります。夜中に民宿の自転車を借りて・・・。
 この漁火、昨今の原油の高騰でLEDに代わっているようです。ノーベル物理学賞の功績が、こんなところにも波及しているのですね。

2014年11月17日月曜日

福岡周辺の食材①カキ

 こんばんは。今日から所用で福岡に来ています。2年2カ月ぶりです。お気に入りだった公園などのスポットを巡ったり、行きつけの店に入ったり•••。うーん、懐かしい。
 ま、私の感慨はさておいて、今週は福岡とその周辺で食べることができる海産物を紹介します。

 第1回目はカキ(牡蠣)。カキといえば広島や宮城、北海道の厚岸が有名ですが、福岡県の糸島半島という所でも10年以上前からカキの養殖が盛んです。毎年冬になると、つまりこの時期になると、港の近くにカキ小屋がオープンし、新鮮なカキを炭で焼いて食べることができます。

 糸島半島は、私が住んでいた姪浜という街から車で30分ほどです。ドライブするだけでも気持ちいい場所。もちろん冬場に1回はアツアツのカキをほおばっていました。
 ずいぶん前のビールのCMでやっていましたが、カキが焼き上がると殻がカパッと見事に開きます。その瞬間のたまらないこと!
 ただ、車でないと行けない場所なので、ビールが飲めないのが辛いところでした。

 カキの養殖は海であればどこでも、というわけにはいきません。後背地からの豊富なミネラルが流れ込む入江に限られます。土壌と地形という条件が満たされる必要があります。
 ミネラルが多い土壌ということは、ここで収穫される野菜は当然ながらミネラルたっぷり。糸島の野菜は美味しいことで知られています。糸島のある直売所は、全国一の売上だと聞いています。

 カキの栄養素は、ビタミンB群、鉄、銅、マンガン、亜鉛、カルシウム、ヨードなどです。特筆すべきは、亜鉛の含有量が、全食品中で断トツのナンバー・ワンということです。
 亜鉛は、味覚のミネラルとか性のミネラルとかいわれます。ですが、じつはもっとマルチな働きをします。亜鉛は、200種類以上の酵素をサポートする補酵素として働きます。といっても、よくわからない人が多いでしょう。酵素、補酵素については、このブログでもビタミン・ミネラルに入ったら説明します。

 

2014年11月14日金曜日

オリーブオイル②

沖縄にも紅葉が!?
 これは、先日の研修時に愛知県の方からいただいたお煎餅です。お煎餅に印刷されているのかと一瞬思いましたが、本物の紅葉が押し花のようにくっついていました(驚)。紅葉の名所・香嵐渓の1枚でしょうか。 
 成分表を見てみると、さらに驚き。何番目かに「紅葉」の文字が。完全に食品扱いです。こういうのを粋なお菓子というのでしょうね。

 酸化しにくいオリーブオイルの続きです。オリーブオイルはそれ以外にも、過剰なLDLコレステロールを下げるという作用もあります。LDLコレステロールは、血管壁の材料であり必要なものですが、過剰になると動脈硬化の原因になってしまいます。オリーブオイルは、その調整弁の役割を担ってくれます。
 オリーブオイルが食文化に浸透している地中海沿岸地域では、動脈硬化が引き金となる狭心症や心筋梗塞が、他の地域に比べて少ないというデータがあります。

 さらに、便秘の人には朗報です。オリーブオイルには、お通じをよくする効果があるようです。そのカギは、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸という脂質にあります。
 オレイン酸は小腸で吸収されにくいため、そのまま大腸まで到達します。吸収されないということは、腸にとっては”異物”扱いで、早く排出しようと反応します。結果として、大腸を刺激して内容物を押し出す動き、ぜん動運動を促すのです。こうやって排便を助けます。

 地中海地域では、昔から便秘になったときにはオリーブオイルが用いられていました。子どもであれば大さじスプーン1杯、大人の場合は大さじ2杯摂るのが習慣だったようです。
 わが国でも、この知恵を実践している人が多いと聞きます。103歳の現役医師である日野原重明氏も、毎朝オリーブオイル入りのジュースを飲んでいることは有名です。
 「直接飲むのはどうも…」という人は、フランスパンにオリーブオイルを塗って食べる、トマトサラダのドレッシングにする(バジルを振り掛けるといいですよ)、といった摂り方もあります。

 オリーブオイルに多いオレイン酸は、アボガド、アーモンド、キャノーラ油にも含まれます。また紅花油も、近年の改良でオレイン酸主体のものになっているようです。

2014年11月12日水曜日

オリーブオイル①

 おはようございます。一昨日と昨日は、本院において加盟店レベルアップ研修を開催しました。今回の研修は、初期研修を昨年受講し、開業して1年前後経つ店舗に限定したものです。


 私も、加盟店を運営していたときには、この2年目というのが結構しんどい時期でした。「あと何が足りないのだろうか」「栄養学の何を勉強すればいいのか」「今やっている施術は、本当にこれでいいのだろうか」。そんなことを日々考えながら過ごしていたような記憶があります。

 そういうこともあって、研修&加盟店の担当になった時から、同じ時期を迎える店舗に向けた研修をやりたい、否やらなければいけない、と考え続けていました。それを今週実施しました。
 屋比久先生をはじめ多くの方の協力を得て、中身の濃い研修が実施できたと思います。参加した4つの加盟店が、これを節目に上昇していただくことを祈っています。

 
 今回と次回は、EPA・DHAにつづいて、もう一つ推奨したい脂質を紹介します。オリーブオイルです。

 伝統的な日本食は、今では世界に冠たる健康食として有名になりましたが、世界を見渡すと、きわめて体によい食事をしている地域がほかにもあります。スペイン、イタリア、ギリシャに代表される地中海地域です。その地中海地域でおもに使われる油が、オリーブオイルです。

 オリーブオイルは、風味がよいだけではなく、ビタミンA・D・E・Kが含まれ、なかでもビタミンEが豊富です。
 もっとも、オリーブオイルを薦める最大の理由は、熱に強く、酸化しにくいことです。脂質が酸化すると、過酸化脂質というものに変性します。これが体に入ると、周囲の細胞や組織が連鎖的に酸化、つまり錆びてしまいます。この細胞の酸化がガンの遠因ともいわれていますので、日頃から意識して発生させないことが大切です。

 この理由から、加熱料理で鍋やフライパンに油を使う場合には、熱に強いオリーブオイルがよいでしょう。
 オリーブオイルにもいろいろ種類がありますが、エキストラバージンと書かれたものを選ぶのがよいでしょう。酸化しにくさの目安である「酸度」という数値が低く、化学的な処理が少ないからです。

2014年11月10日月曜日

亜麻仁油について

 おはようございます。昨日は、親族のヴァイオリニストがソリストを務めたコンサートを鑑賞しました。そのソリストが弾いた、チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、他のソリストが出演した、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲」とウォルトン「ヴィオラ協奏曲」の豪華3曲でした。
  どの曲も、涙が出そうなくらいの熱演でした。まさに至福のとき。 「また聴きたい!」。そう余韻に浸りながら、帰路につきました。
 
 沖縄ではクラシックコンサートの回数が増えているようです。それだけ生演奏に触れる機会があるというのは、私にとって喜ばしい限りです。
 もっとも、クラシックファンの裾野が広いとはいえない沖縄で演奏会を運営するのは、とても大変なようです。協奏曲の場合はオーケストラを伴うため、奏者を集める苦労も並大抵ではないということ。もちろんお客様も集めなければならないし。
 今後、プレーヤーもファンも、さらに拡大することを願わずにはいられません。
 

 先週はEPAとDHAのことを書きました。EPA・DHAについては、8月のセミナーで話をしましたが、そのときに「亜麻仁油はどうなのですか?」という質問を受けました。
 亜麻仁油ってご存知ですか?亜麻という、中央アジアや南ヨーロッパで育つ植物から抽出した油です。この中に、EPA・DHAと同じグループ(オメガ3といいます)に入るα-リノレン酸という油が豊富に含まれます。もちろん同じグループですから、その働きもEPA・DHAのように”いいことづくめ”です。

 そのため、健康志向の高い人のあいだでは、ちょっとした亜麻仁油ブームのようです。じっさいに亜麻仁油は、多くの健康関連本で取り上げられています。『頭のいい人は亜麻仁油を飲んでいる』(南清貴著)や『医者も知らない亜麻仁油パワー』(D・ラディン&C・フェリックス共著、今村光一訳)など、それがタイトルになっている本もあります。
 じつは私も、拙著『40代からのガン予防法』のなかで亜麻仁油を推奨しました。

 ところが・・・・・です。そのあと勉強を重ねてみると、どうも亜麻仁油に関する事実が怪しいことが分かってきました。
 亜麻仁油が体内に入ると、中に含まれるα-リノレン酸が体内でEPAに変換されます。また、EPAとDHAは体内で相互変換されます。結果的に亜麻仁油がEPA・DHAと同じような働きをするのは、そのためです。
 そして、ある物質が違う物質に変わるためには、化学反応を起こす何らかの酵素が必要です。
 
 その酵素をδ(デルタ)6不飽和化酵素といいます。が、ヒトはこの酵素をあまり持ち合わせてはいない、とくに日本人はこの酵素に乏しいようだ、ということを学習しました。だとすると、亜麻仁油(α-リノレン酸)を摂ってもEPAに変わらないことになります。「とくに日本人は」という理由は、はっきりとは分かっていませんが、次のような説があります。

 日本は海に囲まれた海洋国家です。日本人は、昔から海で獲れる魚を常食してきました。その魚からEPA・DHAをしっかり摂ることができるのですから、なにも他の油(α-リノレン酸)をEPAに変える必要がなかった。だから、そういう酵素が発達しなかった、という見方です。この説の真偽はわかりませんが・・・。
 
 この亜麻仁油、値段はというと、200グラムにも満たない小さなビンに入っているものでも千円以上と、相当な高額商品です。私もかつては時々買っていました。
 が、この話を聞いてからは慎重に、というより、やめました。EPA・DHAをしっかり摂ったほうが確実かもしれません。
 
 

2014年11月8日土曜日

EPA・DHA③

 おはようございます。ここまでのブログ(脂質について)で、「脂質」と「」が注釈なしで一緒に使われていました。もう一つの「あぶら」である「」とともに、遅ればせながら説明します。
 常温で液体のものが油です。オリーブオイル、ごま油など、食用油はすべてそうです。EPA・DHAも、もちろん油です。一方で、バターや肉の霜降りといった、常温で固体のものが脂です。この両方を総称して脂質といいます。

 では、「脂質」と「脂肪」はどう違うのでしょうか。
 脂質は栄養学で使う用語です。タンパク質や糖質も「質」がつきますね。脂肪は生化学で使う用語です。生化学とは、生命現象を化学的方法を用いて研究する学問のこと。ちょっと難しいですね。
 実体としては、脂質も脂肪も同じものであると考えてよさそうです。日常的には脂肪という言葉を使いますが、このブログはもちろん栄養学がベースですので、脂質と表記します。

 さてEPAとDHAは、通常ペアで扱われますが、「その違いは?」と聞かれることがあります。両者の働きは半分以上が共通ですが、それぞれ独自のものもあります。
 ただ実際には、EPAだけ摂る、DHAだけ摂る、ということはありません。どの魚にもEPAとDHAが一定の割合で混ざっていますし、サプリメントも同様です。またEPAとDHAは、摂取したあと体内で相互変換されますので、これを区別して摂ることは大きな意味はありません。
 
 EPAとDHAは、アジやイワシ、サバ、サケ、サンマなどの青魚や、ジャコ、イリコといった小魚に多く含まれます。なかでも豊富なのは、頭部の目玉周辺です。ただしそれは、海藻やプランクトンから栄養を摂り入れている天然魚に限ります
 天然魚でも、大きな魚はあまり頻繁に食べないほうがよいでしょう。たしかにマグロはDHAがいっぱいですが、一方で水銀の蓄積が気掛かりです。自然界の食物連鎖で、よいものだけではなく、悪いものも濃縮されるからです。

 もちろん、サプリメントでの摂取も効果的です。ただし、1つ注意点があります。EPAとDHAは、いいことづくめの働きがある反面、たいへん酸化しやすいという欠点を抱えています。
 したがって、酸化防止の策が必要です。多くのメーカーではビタミンEを添加して酸化を食い止めています。購入するときには、念のためにその箇所を確認してください。

 そういえば、北海道・浦河町の港に大量のイワシが打ち上げられた、というニュースが昨日ありました。そのイワシ、EPAに使用されるのでしょうか。

2014年11月6日木曜日

EPA・DHA②

 おはようございます。沖縄はここにきてやっと涼しくなり、本を読むにも打ってつけの時期だと感じます。
 読書の秋です。本、読んでますか。「本は心の栄養」とか、時代がかった言い回しをすれば「本は心の糧」とかいったりします。栄養も、タンパク質、脂質、ビタミン・ミネラル・・・といろいろ必要なように、書物も幅広く受け入れたほうが本当はいいようです。

私は、今でこそ多読家かもしれませんが、中学生までは本1冊すらまともに読んでいません。高校に進んでしばらくして、授業がほとんど分からなくなります。退屈になったので”仕方がなく”校内の庭園で本を読み始めた、というのがキッカケだったと覚えています。
 とんだ事始めではありましたが、何がどう転ぶかわかりません。まだまだ読みたい本は百千ありますが、心に響く本、折に触れて読み返したい本を1冊でも増やしたいと願っています。


  前回は、EPA・DHAが体の中で固まりにくく、結果として動脈硬化のリスクを下げることを書きました。今回は、それ以外のメリットをみていきます。EPA・DHAがすぐれているのは、それだけではありません。

 炎症を抑える、アレルギー症状を抑える、血圧を下げる、中性脂肪を下げる、記憶・学習能力を高める、肝機能の維持・向上など、体に多様なプラス作用をもたらします。
 近年では、乳がん、前立腺がん、大腸がんの抑止効果があるとの研究結果が注目されています。これらはホルモン依存性がんといって、ホルモンの過剰分泌がそのがん細胞の増殖に働いてしまうタイプのがんです。EPA・DHAがホルモンの暴走を抑制しているのかもしれません。
 ちなみに上記のがんは、発症率の増加が顕著ながんのトップスリーです。

 このように考えると、3つのがんをはじめ、昔はほとんどなかったはずの病気が、その後に激増したのには、日本人の魚の摂取量が減少したことと無関係ではないような気がします。

 じつは、まだまだあります。手元に『Nutrition Reporter 2013年版(日本語訳)』という冊子があります。これは、栄養学に関する最新の研究論文のなかから特筆すべきものを抜き出し、ジャック・チャレム氏という専門家が中立的な立場でコメントを加えた医学誌です。
 その中には、EPAとDHAを取り上げた論文が20以上もあります。あくまでも研究段階ではありますが、その及ぼす効果として、うつ病やアルツハイマー、リウマチ、ドライアイ、精神的ストレスの改善、あるいは攻撃的行動の抑止、細胞の老化防止など、挙げればきりがありません。
 今後、EPAとDHAがさらに注目されることは、容易に予想がつきます。
(次回につづく)
 

2014年11月4日火曜日

EPA・DHA①

 おはようございます。昨晩10時から、ヴァイオリニスト・五嶋みどりさんのドキュメンタリーを見ました。五嶋さんは、少女時代にアメリカ等で鮮烈デビューし、35年あまり経った今も、世界で指折りの奏者です。
 1音1音けっして妥協を許さない厳しい姿勢には驚きました。1つ1つのコメントにしても、言葉自体は平凡でシンプルなものですが、その持つ意味は重く、ズシリと響きます。
 まるで別の世界に生きる人という感想を抱きました。
 
 そこまで傑出した人でも、毎日1時間大切にしているのは、「ド~レ~ミ~ファ~♪」の基礎練習。耳をはじめ、肩、腕などのウォーミングアップをして本練習に入るそうです。意外でしたが、その継続によって日々の演奏が支えられていたのですね。
 何事も基本が大切。何年たっても何十年たっても基本が大切。そんなことをあらためて教えられた番組でした。

 今週は、「積極的に摂りたい脂質」として、EPA・DHAを取り上げます。
 昨今、テレビ通販や折り込みチラシ等で、EPA・DHAの宣伝を見る機会がやたらと増えています。これだけ目に触れるということは、よほどすぐれた成分が含まれているのか、と推測したくなります。
 じっさいに、その通りです。魚介類に豊富なEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、積極的に摂りたい脂質の筆頭格です。

 EPAやDHAがすぐれているのは、体内で固まりにくいため動脈硬化を予防するからです。魚は10~20℃前後の水の中をスイスイ泳ぎ、この水温で固まらない脂質が蓄積していると考えられます。
 融点(固体が溶けて液体化する温度)は、EPAがマイナス54℃、DHAがマイナス44℃です。37℃前後である人体で固まることはありえません。

 それに対して、牛や豚の体温が39℃前後です。お肉の中には、この温度でも液体にならない脂質が含まれます。その融点は、70℃(ステアリン酸)や63℃(パルチミン酸)と、魚とは比較にもなりません。
 肉を焼いたときに出てくる肉汁は、この脂質(一部、他の栄養素も含む)です。焼いて「やっと」溶ける温度だという動かぬ証拠です。

 それを食べると、人間の体内でも固まりやすいのは、言うまでもありません。固まって血管に付着している、それらの脂質を溶かして洗い流すのが、EPAでありDHAです。
(次回につづく)