2014年6月17日火曜日

カロリーと栄養素の違い

 おはようございます。
 もう少しカロリーについて書いてみます。カロリーの話で引っ張っている意図はありませんが、「栄養=カロリー」という、世の見方には根強いものがありますので、十分な説明が必要かと思います。

 カロリーとは、エネルギーのことです。私たちの体は、生命活動を維持するためにエネルギーが必要です。その意味では、カロリーは生きるために絶対不可欠だといえます。
 そのカロリーの1日の必要量は、基礎代謝量+活動量です。

 基礎代謝量とは、まったく運動せずに、安静にした状態で消費されるエネルギー代謝の量のことをいいます。具体的には、呼吸、血液の循環、食物の消化、汗や尿、便の排泄、細胞や組織の合成や分解、などに要するエネルギーの量です。これらは、じっとしていても眠っていても活動しています。
 
 意外なことに、私たちの1日の消費エネルギーのうち、6~7割は基礎代謝量で占めています。それだけ上記に挙げた活動、なかでも食物の消化、および組織の合成と分解には莫大なエネルギーを消費します。基礎代謝量を除いた残りの3~4割が、活動量ということです。活動量には、体の運動のほかに頭を使うエネルギーも含まれます。脳はブドウ糖の消費が大きい臓器なので、頭をよく使う人は太りにくいという事実があります。

 1日の摂取カロリーが基礎代謝量+活動量を下回ると、カロリー不足になり、これは避けなければいけない事態です。戦中戦後の食糧難の時代には、カロリー不足が蔓延したために、必要量のカロリー摂取こそが喫緊の課題だったようです。もちろん今でも、地球全体を見渡してみれば、食糧不足に直面する人は億単位でいます。食糧援助のときには、必要なカロリー量に基づいてその量を計算します。「まずは生きていく」ことが優先課題の場合には、一番重要なのはビタミンやミネラルではなくカロリーでしょう。

 ふり返って、現代のわが国は飽食の時代となり、食糧難は過去のものになりました。逆に問題になっているのは過食であり、カロリー管理が必要な場面は、過食等が原因の糖尿病患者に対する食事指導などです。前回にも記述したように、これを自業自得といっては厳しいかもしれませんが、そもそも自己管理の問題です。
 
 問題の本質は、がん、心疾患、脳血管疾患といった生活習慣病が、死因の大半を占めるようになったことです。これらの疾患は、過食も原因の一つにはなりますが、カロリー以外の重要な栄養素が欠乏することで、その症状が進行します。
 カロリーが中心の栄養学に頼っていては、予防も治癒もおぼつかなくなります。
(次回につづく)

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