2014年6月30日月曜日

タンパク質の必要量は?

 おはようございます。6月末日。今年も半分が終りです。先々のプランを具体的に立てていないと、月日が経つのはアッという間ですね。年の後半に巻き返しを期する方は、今日はじっくり考える日にした方がいいかもしれません。

 さて、続きです。タンパク質をカロリー(1g=4kcal)としてではなく、体の材料として、その体の機能を維持するための材料として必要だということは、ご理解いただけたと思います。 
 では、私たちはタンパク質をどのくらい摂取する必要があるのでしょうか。一般的には、
1日に体重の千分の一ずつのタンパク質を摂取する必要がある
といわれています。体重が50kgならタンパク質を毎日50g、体重が60kgなら毎日60gです。

 その根拠はこうです。記述したように、タンパク質は、つねに新しいものと古いものが入れ替わっています。成人の場合、毎日200~250gくらいのタンパク質が、寿命を迎えて壊されています。もともとタンパク質は、その基本単位であり最小単位であるアミノ酸が、数百から数千結合した化合物です。壊されたタンパク質は、そのアミノ酸に分解されます。

 分解されたアミノ酸は、もう一度タンパク質の材料として使用、つまりリサイクルされます。ただ、分解されたアミノ酸のすべてがリサイクルされればよいのですが、残念ながら全体の70~80%ほどです。ということは、約20~30%分の材料不足が生じます。200~250gの20~30%ですので、40~75gとなり、これが体重の千分の一に相当します。
 この材料不足分を外から、食物として摂取する必要があります。

 1日に体重の千分の一ずつのタンパク質は、高いハードルでしょうか。それとも低いハードルでしょうか。体重にもよりますが、簡単にはクリアできません。
 おもな食品に含まれる、タンパク質の量をみていきましょう。
 卵は1個あたり6~7g、牛乳1本も同じくらいです。納豆は1パックあたり7~8g、絹ごし豆腐半丁もだいたい同じです。

 「肉があるじゃないか」と言われそうですが、肉は意外と脂肪分が多く、例えば豚バラ肉や牛バラ肉、牛ロースを100g食べたとしても、摂取できるタンパク質は14g前後に過ぎません。だからといって肉の過食をしていると、後日述べますが、むしろ弊害が多く出てしまいます。
 同じグラム数であれば、肉よりも魚の方がタンパク質を多く含んでいます。ところが現代食の傾向として、肉の摂取は増えていますが、魚はというと減少が続いています。

 体重が40キロ台で毎日魚を食べる人ならば、何とか達成できるかもしれません。理論的には・・・
(次回につづく)





2014年6月27日金曜日

代謝も免疫もタンパク質

 おはようございます。沖縄は、ようやく梅雨明けです。本土の方からしてみれば「早い!」ということになりますが、梅雨入りも5月の連休からと早かったので、50日を超える長い雨季でした。雨量もその分多かったので、この夏は生活にも農業にも困らないことでしょう。

 では、ブログの続きです。前回は構造タンパク質の話でしたが、今回は機能タンパク質です。
 機能タンパク質は、体内でのさまざまな化学反応に関わる物質、体の働きを調整する物質、輸送に関わる物質の材料のことです。
 
 例えば、血液成分のほとんど。おもに酸素を運搬するヘモグロビン、免疫を担う白血球(リンパ球など、さらに細かく分類される)、同じく免疫に関わるグロブリン(5種類あることがわかっています)、止血作用をする血小板、各種栄養素を運搬するアルブミンなど、血液のほとんどはタンパク質が材料です。
 
 血液のほかにも、体内での化学反応の触媒をする酵素、体内で特定の器官の働きを調整するホルモン、神経細胞や筋肉細胞に興奮または抑制の作用を引き起こす神経伝達物質。それ以外では、細胞が物質の出し入れをするポンプのような役割をするタンパク質、特定の物質と結合して目印となるタンパク質もあります。

 なかでも酵素は、ありとあらゆる生命活動そのものを支えているものであり、酵素なしでは人は一瞬たりとも生きていけません。
 食物を細かく分解して吸収させるのも酵素。農薬や添加物、重金属など、体にとって有害なものを解毒、排泄するのにも酵素は不可欠です。体を酸化、つまり錆びさせる活性酸素の除去に働くのも酵素です。
 
 屋比久先生の『病気にならない体の温め方と栄養力』にも、「私たちがタンパク質を必要とする第一の理由は、酵素の原料を補給するためと言ってもいいかもしれません」(P64)という記述があります。酵素は病気になるかならないかの重要なカギを握っている、ということです。

 体を構成している材料も、その体の機能を維持する物質も、タンパク質なくてはつくれない、ということをご理解いただけましたか。
 しかも、これらのタンパク質は、つねに新しいものと古いものとが入れ替わっています。タンパク質も一定期間が過ぎると、劣化して寿命を迎えるからです。臓器のうち、胃は5~7日、膵臓は3~4日、腸の吸収細胞というところは、わずか1日半と、そのサイクルはかなり短いです。
 
 このサイクルに対応するために、新しい材料を必要なだけ入れ続けないといけません。不足してしまうと、役目を終えたはずのタンパク質に、ムチを打って働き続けてもらうことになります。機能低下は目に見えてます。この状態が続くと、いずれ病気に至ります。
 ここに、タンパク質摂取の重要性があります。
 
 
 
 

2014年6月25日水曜日

タンパク質はどこにあるのか

 おはようございます。
 今回からタンパク質の話を始めます。今まで、高タンパク=× と考えていた方は、しっかりお読みください。また、そのように考えている人が周りにいらっしゃったら、ぜひこのブログのことを教えてあげてください。

 ところで、タンパク質のことを英語でプロテインといいます。サプリメントの名前でも、よく知られていますね。プロテインは、ギリシャ語のプロティオスに由来していますが、これは「第一のもの」「一番の」「第一人者」などの意味をもつ単語です。ここまでのブログで、タンパク質は(水を除けば)体をつくる最大の構成要素であると説明しましたが、そういう意味でも「一番の」栄養素といえます。

 では実際に、体のどこにタンパク質があるのでしょうか。タンパク質は、その働きから構造タンパク質と機能タンパク質に大別されます。
 
 構造タンパク質は名前の通り、体をつくっている材料のことです。
 例を挙げると、ほぼすべての臓器。心臓、肺、肝臓、腎臓、胃、腸、膵臓、脾臓、副腎、子宮、卵巣、精巣、そして脳・・・。なかには脂質の割合が高い臓器も一部ありますが、ほとんどはタンパク質なしではつくれない、と思って差し支えありません。
 
 つぎに筋肉。私たちが毎日、体を動かして仕事や家事、趣味、運動ができるのも、筋肉が伸びたり縮んだりできるからです。筋肉の構造は、アクチンとミオシンという、繊維状になった筋細胞が多数集まって束になったものです。アクチンとミオシンは、2つの櫛の歯が互いに向かい合って、噛み合っています。アクチンとミオシンも、この2つを結合するもの(コラーゲン)も、すべてタンパク質です。
 
 丈夫な血管は、健康のうえで欠かせません。血管の弾力性が失われたり、血管が激しく傷つくと、高血圧や動脈硬化を引き起こします。この血管(壁)の材料も、動脈壁の中にあって弾力性を保つエラスチンという物質も、やはりタンパク質です。
 
 それ以外では、皮膚、爪、髪の毛、目のレンズ(水晶体)。意外なところでは、軟骨。「骨はカルシウムではないのか」と思われるかもしれませんが、骨の心棒の部分はコラーゲンという、繊維状のタンパク質です。建物でいえば、構造を支える鉄骨がタンパク質、周りを固めるコンクリートがカルシウムやマグネシウム、といえば分かりやすいでしょうか。
 
 このように、人体を構成する部品であるタンパク質の種類は、分かっているだけでも2万数千種類あります。
(次回につづく)

2014年6月23日月曜日

健康に必要な栄養素とは

 おはようございます。今日は、沖縄にとって大切な日です。本土にお住まいの方も、沖縄から発信される情報に、ぜひ関心をお寄せください。

 さて、話の続きです。カロリー管理では、タンパク食品のどれもこれもが、1g=4kcalでひと括りにされるということでしたが、それについては脂質も同じです。タンパク質についで、体の主要な構成要素は脂質です。
 
 脂質についても、良質でしっかり摂っていただきたい油もあれば、適量は必要だが大量に摂ると弊害がでる油もあります。それどころか、危険性が指摘されていて、量は関係なく摂るべきではない油もあります。油の優劣の差は、タンパク質以上に開きがあります。 しかしながら、カロリーの世界ではやはり、脂質は1g=9kcalで括られて、そのクオリティについて議論されることはありません。
 
 タンパク質や脂質を単なるエネルギー源と見なした結果が、病気だらけの現状を招いているような気もします。

 カロリー管理の不足点をもう一つ挙げるとすれば、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル(※)の扱いです。この3つは、いずれもカロリーゼロであるために、カロリー管理の対象に入りません。ですが、次の場面で重要な役割を果たします。

①細胞や組織の合成、修復、分解に働く

②体内で、栄養素のつくり変え(変換)に働く

③タンパク質や脂質でつくられる、ホルモンや神経物質、免疫物質を十分に働かせる

④タンパク質や脂質が、活性酸素に攻撃されるのを防御する

⑤エネルギーそのものではないが、エネルギーを生み出すときに、その手助けをする
 (ファイトケミカルは、おもに④の抗酸化作用と、単独で免疫賦活作用に働きます。)
 
 ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルは、一部を除いては体の材料やエネルギーにはなりません。しかし、代謝、免疫の維持・向上、細胞の抗酸化など、健康ために欠かせない栄養素です

 現在でも、栄養学といえばカロリー管理のことだと思っている人が多いようですが、そうではないと感じ始めていただけたでしょうか。
 私は、体をつくっている栄養素、その合成や修復に必要な栄養素、免疫の維持・向上に関わる栄養素、排泄・解毒や活性酸素の除去に関わっている栄養素、そのすべてに関係するエネルギー(の材料ではなく)代謝に必要な栄養素こそ、大切だと考えます。

 このブログでは、そのなかのタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの4つを、よりクローズアップします。次いで、ビタミン、ミネラルと切っても切れない関係の酵素を取り上げ、免疫力と深く関わる善玉菌ファイトケミカルについて解説します。
 次回からは、さっそくタンパク質の話に移ります。

※ファイトケミカル=植物に含まれる、機能性成分の総称


2014年6月20日金曜日

体の材料は何か

 おはようございます。このブログは、初心者の方でもやさしく理解できることを心掛けて書いています。分かりずらい箇所などありましたら、ぜひお問い合わせください。

 さて、3大栄養素という言葉をお聞きになった人は多いでしょう。タンパク質、脂質、炭水化物のことです。この3つは、すべてエネルギーに変換可能です。カロリー管理では、
 タンパク質は1g=4kcal(キロカロリー)  脂質は1g=9kcal     炭水化物は1g=4kcal
と計算され、エネルギーの対象になってしまいます。
 とはいっても、タンパク質、脂質、炭水化物は、同じものではありません。

 人間の体が何からつくられているか、ご存知ですか?平均すると、
 水が65%、タンパク質が16%、脂質が14%、微量ミネラルが5% 
くらいです。
 
 水もタンパク質も脂質も、すべて元素に分解したら、炭素、水素、酸素、窒素、というミネラルの化合物です。微量ミネラルとは、その4つ以外のミネラルのことをいいます。
 体の3分の2が水です。どのような水をどのくらい飲むかということは、もちろん重要です。水についてもいずれ触れますが、このブログでは、おもに食事・食物と、そこに含まれる栄養素について説明しますので、ひとまず水は置いておくことにします。上記の割合から水を除くと、
 タンパク質が46%、脂質が40%、微量ミネラルが14% 
くらいになります。
 
 つまり、3大栄養素のうち、炭水化物は体の材料にはならず、エネルギーとしてのみ消費されますが、タンパク質と脂質は体の主要な構成要素です。タンパク質と脂質は、エネルギーにもなることはなりますが、先にエネルギーの対象として考えてしまうと、体に必要な材料が不足してしまう可能性があります。
 カロリー管理の落とし穴の一つは、そこにあります。

 説明したように、体の最大の構成要素は、水を除けばタンパク質です。タンパク質を摂取できる代表的な食品としては、肉、魚、卵、大豆、牛乳・乳製品があります。これらは同じタンパク食品とはいっても、タンパク質の摂取効率、分解のしやすさ、タンパク質以外の含有栄養素、農薬や有害物質の有無など、さまざまな要素を比較すると、優劣の差が大きく開きます。病気にならないための栄養学は、この点をじっくり追求していきます。
 
 が、カロリーの世界では、どれもこれも関係なくタンパク質は、1g=4kcalでくくられて、足し算の1部分になってしまいます。困ったものです。
(次回につづく)


2014年6月17日火曜日

カロリーと栄養素の違い

 おはようございます。
 もう少しカロリーについて書いてみます。カロリーの話で引っ張っている意図はありませんが、「栄養=カロリー」という、世の見方には根強いものがありますので、十分な説明が必要かと思います。

 カロリーとは、エネルギーのことです。私たちの体は、生命活動を維持するためにエネルギーが必要です。その意味では、カロリーは生きるために絶対不可欠だといえます。
 そのカロリーの1日の必要量は、基礎代謝量+活動量です。

 基礎代謝量とは、まったく運動せずに、安静にした状態で消費されるエネルギー代謝の量のことをいいます。具体的には、呼吸、血液の循環、食物の消化、汗や尿、便の排泄、細胞や組織の合成や分解、などに要するエネルギーの量です。これらは、じっとしていても眠っていても活動しています。
 
 意外なことに、私たちの1日の消費エネルギーのうち、6~7割は基礎代謝量で占めています。それだけ上記に挙げた活動、なかでも食物の消化、および組織の合成と分解には莫大なエネルギーを消費します。基礎代謝量を除いた残りの3~4割が、活動量ということです。活動量には、体の運動のほかに頭を使うエネルギーも含まれます。脳はブドウ糖の消費が大きい臓器なので、頭をよく使う人は太りにくいという事実があります。

 1日の摂取カロリーが基礎代謝量+活動量を下回ると、カロリー不足になり、これは避けなければいけない事態です。戦中戦後の食糧難の時代には、カロリー不足が蔓延したために、必要量のカロリー摂取こそが喫緊の課題だったようです。もちろん今でも、地球全体を見渡してみれば、食糧不足に直面する人は億単位でいます。食糧援助のときには、必要なカロリー量に基づいてその量を計算します。「まずは生きていく」ことが優先課題の場合には、一番重要なのはビタミンやミネラルではなくカロリーでしょう。

 ふり返って、現代のわが国は飽食の時代となり、食糧難は過去のものになりました。逆に問題になっているのは過食であり、カロリー管理が必要な場面は、過食等が原因の糖尿病患者に対する食事指導などです。前回にも記述したように、これを自業自得といっては厳しいかもしれませんが、そもそも自己管理の問題です。
 
 問題の本質は、がん、心疾患、脳血管疾患といった生活習慣病が、死因の大半を占めるようになったことです。これらの疾患は、過食も原因の一つにはなりますが、カロリー以外の重要な栄養素が欠乏することで、その症状が進行します。
 カロリーが中心の栄養学に頼っていては、予防も治癒もおぼつかなくなります。
(次回につづく)

2014年6月14日土曜日

カロリー管理は栄養学か

 おはようございます。今日の朝食は何を食べましたか?体にいいものを食べましたか?
 体にいいものを、といったときに、「お肉よりも、EPAが豊富なお魚を意識して食べる」「ビタミンや食物繊維と摂るために、野菜をしっかり食べる」などを考える人は、相当勉強しているといえます。
 ただ、残念なことに、多くの人はそうではありません。「とんかつや中華料理はカロリーが高いからやめておこう」「1日○○カロリー減らして、あと○○kgやせたい」という考えの方が圧倒的なようです。世の中の見方がそうなのですね。

 私が住む沖縄では、ある放送局と新聞社が「イチキロヘラス」という健康キャンペーンを実施しています。その名の通り、カロリー管理と運動でやせましょう、という内容のものばかりです。
 鉄道のない車社会の沖縄は、とくに肥満や糖尿病が多いことで知られています。それが引き金となる脂質異常症(高脂血症)や動脈硬化が増えれば、いずれは命を脅かすほどの大きな病気になります。その意味では、イチキロヘラスもそれはそれで大切なことです。
 
 とはいってもカロリー管理は、病気(未病)を悪化させないための予防ではありますが、病気にならないための予防とはいえません。肥満や糖尿病、脂質異常症を、なるべくしてなったと言ってしまえば、「厳しい」と叱られるかもしれませんが、それらは最初から防ごうと思えば防ぐことができるものです(※)。過食と運動不足が重なれば、いずれはそうなることくらいは、大人だったら普通は分かります。つまり、自己管理の問題です。
 
 それに対しては、イチキロヘラスのいっている通り「カロリーを減らして運動してください」。それ以上でも以下でもありません。しかし、そのカロリー管理を栄養学だといってしまっては、本来の栄養学の出番がなくなります。

 病気にならないために学ぶのが、本来の栄養学です。必要な栄養素を必要なだけ摂取していれば、代謝、免疫が上がり、ほとんどの病気を予防できます。カロリー以外の、タンパク質、よい脂質、ビタミン・ミネラル、ファイトケミカル、酵素、食物繊維、プロバイオティクス(善玉菌)といった幅広い知識を得て、日常の健康維持に努める。これが栄養学の目的です。
 
 逆の言い方をすると、病気になったということは、必要な栄養素を必要なだけ摂取していなかった可能性があります。予防が目的の栄養学ではありますが、実際には病気の時も出番が回ってきます。ただし、予防のときと違い、必要な栄養素を大量に摂ることになります。これを栄養療法といいます。
 この栄養療法で症状が改善することが、しばしばあります。薬に頼らずに(薬は栄養ではありません)栄養療法で病気を克服しようという人が、近年目立つようになってきました。先日の勉強会でもわかるように、治療で栄養療法を導入している医師も、少しずつ増えています。
 
 栄養は代謝・免疫を上げるだけではなく、体質を変えてしまうくらいの威力があります。健康な人にもそうでない人にも、これからは栄養学が必要な時代になっています。

※ごく一部ではありますが、遺伝性の肥満や糖尿病も存在します。

本日のセミナー、急遽「カロリーと栄養の違い」について、私がしゃべることになりました。お時間のある方は、ぜひお越しください。

 

2014年6月12日木曜日

管理栄養士の仕事

 おはようございます。関東地方や北日本では、激しい雨になりそうです。くれぐれもお気をつけください。

 さて、管理栄養士のお仕事が栄養療法でないとすれば、現場では何をやっているのでしょうか。ここは、管理栄養士ではない私の説明は差し控えて、ある管理栄養士のブログから拝借してお伝えします。

「栄養学はカロリー計算」
 
 私は病院の栄養士になり、病気の人もそうでない人も、健康に生活をしていくための栄養学を伝えていきたいと思っていました。
 
 それから5年、病院で働きながら、栄養学の勉強、実践しながら、憧れの管理栄養士になりました。栄養学は、身体をつくっていくうえで、大切な学問だと思っていました。
 
 しかし病院では、給食を食べられない患者さんからの要望があると、管理栄養士の判断でインスタントラーメンをだすことがありました。カロリー計算を重視した栄養学の考え方から、何を食べるかではなく、お腹を満たすこと、カロリーをとることを、その時は大切に思っていました。

 (中略)私は、33歳の時に乳ガンになりました。抗がん剤の治療前、病院のまねをしてインスタントラーメンを買い置きしました。
 
 (中略)そして、食養学を学び、食べものが体をつくること、食べものの大切さを知りました。
 病院給食の現場では、お腹が満たされればいいという考えから、従業員は毎日、インスタントラーメンを食べていました。
 
 (中略)カロリー計算ではなく、体をつくるために本当に必要な食べ物を選んでいきたいですね。

『管理栄養士 朋子のブログ』2011年10月4日分より抜粋(句読点、改行など一部編集)

 管理栄養士の仕事は、栄養管理というよりはカロリー管理のようです。その違いは後日詳しく説明しますが、少なくともカロリー管理だけでは健康になれそうもないことは、このブログからも推測できるでしょう。

 琉球温熱療法院が2月まで提携していたクリニックにも、管理栄養士が1名在籍していました。相談室には食品サンプルがずらりと並べられ、その一つ一つには、○○kcal というシールが貼ってあります。よく見ると、その中には危険な添加物や、危険な油脂が混入されているものもあるのですが、そういうことはあまり関係ないようでした。
 その管理栄養士も、不整脈などの持病を抱えていました。

 そろそろ、カロリー計算だけの健康管理から抜け出したいですね。
 (次回に続く)


 今週土曜日(14日)の午後2時から、琉球温熱療法院(北中城村)で、屋比久勝子先生のセミナーが開催されます。講演テーマは、奇しくも 「カロリーと栄養の違い」 です。
 お時間のある方は、ぜひお越しください。無料です。
 

2014年6月10日火曜日

医者と栄養学

 おはようございます。7日(土)~8日(日)は東京に行ってました。
 現在、東京のあるドクターが主宰している、分子栄養学実践講座というものを受講していて、その勉強会に参加するためです。約70名くらいの人が出席していました。私は今回が2回目ですが、驚かされるのは、その中に数名、本当に碩学(せきがく)の人がいて、自分の勉強不足を痛感させられます。よく解釈すれば、まだまだ伸びしろが残っている、ということになるでしょうか。
 
 この勉強会ですが、参加者のおおよそ3分の2くらいが医師、または歯科医です。どちらかというと歯科医が目立つようですが、この講座になぜ歯科医が多いのか。これについては、とても重要なことですので、このブログでも必ず取り上げます。

 いずれにしても、医者といえば、ひと昔前までは栄養に関しては無知、無関心というのが常識でしたが、少しずつ流れが変わっているようです。 全体のなかでは、まだほんの一握りに過ぎませが、今後このような講座に参加する医師が増えれば、予防にも治療にも栄養療法が欠かせない、という常識が根付くのではないかと期待します。

 ところで、大多数の医師は、なぜ栄養学を勉強しないのでしょうか。多少の推測も混じりますが、いくつか列挙してみます。

1.医学部のカリキュラムに、栄養学の講義がある大学がほぼまったくない。あるとしても、数時間程度でおよそ体系的な学問とはいえない。(これは事実です。)
2.医師になってからは仕事が忙しく、栄養学を勉強している時間がない。または自分の専門分野の勉強で手いっぱいで、栄養学までは回らない。(これも大体当っていると思います。)
3.食事のアドバイスや栄養指導をしても、お金(診療点数)にならない。
4.大学病院など大きな病院では、診察や治療の方法が厳格に決められていて、栄養療法などの違うやり方はできない。(3と4は、いくつかの本に書いてあったことです。)
           そして
5.大学病院など大きな病院では、管理栄養士がいる場合が多いので、医師が栄養学を勉強する必要がない。

 管理栄養士は、国家資格です。難しい学問をしっかり勉強した人たちです。管理栄養士が臨床で栄養療法を生かしているのであれば、医療の現場も先が明るくなるのですが、どうもそうではないようです。そうではないからなのか、先日の勉強会にも管理栄養士の女性が参加していました。
 この点を、次回お話します。

2014年6月6日金曜日

食事と病気の因果関係

 おはようございます。このブログは、途中で息切れせず長く続けるために、週2~3回くらいの無理のないペースで更新します。

 さて、どうして食事を改善して予防に努める人が増えないのか。それを解き明かすには、昔と今のある違いをみる必要があります。ここでは、60年前と現在を比較してみましょう。
 
 一つは病気の内容、とくに死に至る病気の違いです。60年前の死因といえば、結核をはじめ、インフルエンザ、コレラなどの感染症がほとんどでした。当時の衛生環境や医学レベルを考えると、感染症の予防はほとんど不可能でした。栄養状態がよければ免疫力も上がるので、ある程度の予防にはなるでしょうけれど、当時の食糧事情を考えれば、それは無理というものでしょう。この状況では「食事に気を使って予防する」という発想自体が起きないはずです。

 時代は移り、かつては命を脅かした感染症は、ワクチンや抗生物質の進化によって、ほとんど影をひそめました。それに代わって死因の上位に名を連ねるのは、ガンをはじめ、肥満や糖尿病、動脈硬化が引き金となる、心臓病、脳血管疾患になりました。これらの病気を生活習慣病といいます。長年の食事内容やライフスタイルの乱れが原因で発症する病気です。それを改善すれば予防できる、食事で予防できる時代になった、ということです。
 どうも、そこに気がつけない人が多いようです。

 食事以外にも、ストレスや運動不足、睡眠不足も間違いなく生活習慣病の引き金になりますが、ここでは食べ物、その悪さからくる栄養の欠乏をクローズアップします。というのは、ストレスや運動不足、睡眠不足が体によくないことは、おそらく誰もがわかるでしょう。対して食事の良し悪しは、何が良くて何が悪いのかが、多くの人には知られていません。
 
 「一流企業が提供している食事や食材だから大丈夫だろう」とか「テレビ、新聞で大学教授や医者がコメントしていたことなので間違いない」といった基準で判断していませんか。
 それらがすべて危険とか誤りだとはいいません。しかし、栄養のことを勉強すればするほど、消費者の健康よりも利益優先で考える企業が、圧倒的に多いことが透けて見えてきます。メディアでの識者の発言も、明らかに学習不足である場合や、聞きかじり程度の内容である場合が、多々気になります。

 結局のところ、自分で勉強して、自分の健康は自分で守るしかありません。いち早く、そのことに気づかれた人へ向けて、予防に最適な食事、必要な栄養を、このブログで発信します。
 タンパク質、脂質、ビタミン・ミネラルが3本柱です。目指すのは、初心者の人でも無理なく理解できる、日本一わかりやすい予防のためのブログです。
「食事と栄養で予防できる」。これを理解した人から健康になっていきます。健康になったご自身をイメージしながら、楽しく読んでください。

2014年6月3日火曜日

we are what we eat.

 タイトルの言葉をご存知でしょうか。

「我々が食べたものが我々自身である」
「我々の体は我々が食べたものでしかできていない」

誰がいつ言ったのかは知りませんが、日頃の食事がいかに大切かを表現した、わかりやすい一文です。どなたでも理解できるに違いありません。
 じつは、この言葉にはもっと深い意味があって、予防をするにも、あるいは病気を治すのも食べ物次第である、というメッセージが込められています。体をつくる材料がよければ病気になりにくい。体をつくる材料が悪ければ病気に罹りやすい、ということです。
 歴史上の偉人の言葉を借りても、古代ギリシャの医聖ヒポクラテスは、

「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」
「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」

と2500年近くも前に言っています。
 江戸時代の学者である貝原益軒も、300年前にその代表作『養生訓』のなかで

「医はすなわち食にあり、食はすなわち医である」
「其このめるにまかせ、ほしゐままにすれば、節に過ぎて脾胃をやぶり諸病を生じ、命を失ふ」(好きなものを好きなだけ食べていれば、胃腸など体の限界を超えて病気になり、やがては命を失う)と書いています。

 食と病気の因果関係は今や明白になっていますが、実際に「食事内容を変えないと病気になってしまうよ」と忠告しても、それを理解して実践に移してくれる人はほとんどいません。それほど難しい理屈とも思えないのですが、これが本当に受け入れてもらえません。自分自身のことなのに・・・
 予防を手助けする仕事に携わって9年になりますが、それを不思議に思っています。 どうして、食と病気との因果関係が理解されないのでしょうか。
(次回につづく)