2017年8月18日金曜日

再びビタミンD

おはようございます。来週水曜日からの加盟店研修に向けて、準備を着々と進めている所です。
奥に見える(不気味かもしれませんが)人体模型と骨格模型があるお陰で”生きた”生理学と栄養学の講義ができます。
残暑の強い”熱い研修”になりそうです。


夏の時期は、日光浴とビタミンDという、とくに沖縄では悩ましい問題が浮上します。
このブログでも先日取り上げましたが、それに関して詳細な生成時間や露出面積の数値がある記事を見かけました。
ビタミンDが、骨粗しょう症の予防だけではなく、がん予防アレルギー予防などで注目されていることは既に書きました。先日のテレビ番組では、子供の近視増加もビタミンD不足(外で遊ぶ時間が短い)が原因だと言ってました。

この記事は、どうやって、どのくらい浴びればようのか、という部分に具体的な言及をしています。
「どうして波照間?」と思うかもしれません。波照間島は、日本の有人島の中でもっとも南に位置しているからです。(何にもなく、の~んびりしてる所ですよ)
日光の紫外線は、緯度が低いほど(南に行くほど)、標高が高いほど強くなります。波照間島は紫外線が一番強い、つまりビタミンDの生成時間が短くて済みます。

あらためて、写真の右下の小さな文字を見てください。
日本の成人に必要なビタミンD摂取量15μg紫外線から取り込む10μgが生成される時間(残り5μgは食事から摂取
と書いてあります。
つまり、ビタミンDの必要量を取り込むためには、食事からよりも紫外線からの方がウエイトが高いのです。実際に、厚生労働省が定めている1日当り食事からの目安量は5,5μgです。

上の写真で言いたいことは、適量のビタミンDを日光から生成するのに、それほど多くの時間を要しないということです。30分、ましてや1時間も日なたぼっこする必要などありません。
もちろん、季節によっても浴びる時間は変わります。
那覇の場合、12月の正午で7,5分、7月の正午で2,9分です。
これくらいは太陽に当ったほうがいいんじゃない? ということを私は言っています。

もう少し別の角度からビタミンDを見てみます。
近年ビタミンDは、その働きから、ビタミンというよりはホルモンである、という学説や論文が多数を占めています。

8月4日のブログで、ビタミンAとビタミンDは細胞核にある受容体を共有しています、と書きました。
さらに言うと、細胞核にある受容体は、甲状腺ホルモン副腎皮質ホルモン、あるいは性ホルモン(エストロゲン、アンドロゲンン)とも共有されています。
だとすると、やはりビタミンAとビタミンDはホルモンとしての特性が強いのでしょう。

ビタミンDをホルモンと考えるのであれば、それが不足した場合に体のあらゆるバランス(ホメオスタシス)が保てない、と言っても過言ではないかもしれません。

2017年8月13日日曜日

ルチンとルテイン

おはようございます。本土のほとんどの地域では、お盆の真っただ中です。のんびり過ごしている人も多いかと思います。
中には、こういうタイミングでないと本院に来れない、という方もいらっしゃいます。昨日もそういうお2人連れのエネルギー測定を行いました。

元々は、私が福岡で開業していた店舗に10年も前にお見えになっていた方です。島根県から片道3時間掛けて来ていたことを、今でもハッキリと憶えています。
この仕事を始めてまだ12年ですが、続けていると長い年月にわたって関わるお客様も増えていきます。そういう方から「今、健康だ」あるいは「健康になった」という声を聞けるのは、何とも嬉しい一瞬です。


さて、今日の本題。ある本を読んでいたら、こんな一文に出くわしました。
先般の記事でのβカロチンは、正確にはβカロテンでなければいけません。

あらためて、街中でも観察したら、βカロテンになっていました。
上の商品を推奨しているわけではありません。高熱殺菌などを施されて、ビタミンがどのくらい残存しているのか見当がつきませんので。


このことと、似ているようで似ていない話題を1つ。

抗酸化作用などを持つファイトケミカルの中に、ルチンルテインというのがあります。この2つを、発音の仕方の違いであり、同一のものと思っている人も少なくないようです。(私も5年前まで同じ勘違いをしていました)
しかし、ルチンとルテインは全く別物です。

ルチンは、そば粉などに含まれ、毛細血管強化に働きます。
ルチンは水溶性のフラボノイド系で、英語ではRutinと書き、頭文字はRです。
一方でルテインは、ほうれんそうやケールなどに含まれ、視力低下を防ぐ役割があります。
ルテインは脂溶性のカロノイド系で、英語ではLuteinと書き、頭文字はLです。

まったく別物だということがご理解いただけたでしょうか。

ところで、日本そばを「食べれば」ルチンを摂れると思い込んでいるかもしれませんが、そうは問屋が卸しません。
ルチンは水溶性だと書きました。ということは、麺を茹でているさなかに湯の中に流れ出てしまいます。
ルチンは、あのそば湯の中にあります。そば湯を「飲めば」ルチンをしっかり摂取できるはずです。

「立ち食いそばでは、そば湯まで出てこない」と言うかもしれません。が、これも杞憂です。
そもそも立ち食いそばの麺には、そば粉はほとんど入っていません。そうでなければ、うどんと同じ値段で提供できるはずがないですから。

2017年8月8日火曜日

役に立つ研修を

先週は、埼玉県からお越しになった方に温熱実技の研修を行いました。
研修が終わった後は、きまって息抜き、気分転換をします。
一昨日と昨日は・・・

国際通りでエイサーを見て、元気をもらい

一流演奏家の室内楽をすぐそばで聴いて、感動し

浜比嘉の海を目の当たりにリラックスしました。

気分転換し過ぎかもしれません。


今日からは、今月下旬に予定している研修の準備に着手します。この研修は、先週とは打って変わって学科講習(生理学、栄養学)が中心です。

今年は、生理学、栄養学ともに、研修テキストをすべて見直し、何をどう伝えればよいのか、再度考えています。
その際に重視しているのが、現場で「役に立つ」内容かどうかです。
発想の起点は、この本に書いてある内容です。
書名くらいは聞いたことがあるでしょう。

この本は、学問を志す者だけではなく、生きとし生ける者すべてに多くの示唆を与えてくれる名著だと、私は思っています。7年前にこの本を買って、事あるごとに読みなおしています。
その中に、こんな一節があります。

学問というのは、ただ難しい字を知って、わかりにくい昔の文章を読み、また和歌を楽しみ、詩を作る、といったような世の中での実用性のない学問をいっているのではない。
(中略)一生懸命にやるべきは、普通の生活に役に立つ実学である。(現代語訳)

まったく理論のない薄っぺらい内容では、温熱の現場で人に伝えるには限界があります。とはいえ、理論に終始して、お客様が自宅で実践できない内容では意味がありません。
これを絶妙なバランスで伝えていくが研修の難しさであり、醍醐味だと考えています。

2017年8月4日金曜日

βカロチンとビタミンA

おはようございます。あまりの暑さに休日も出不精になっていたので、気分転換に海を眺めながらのランチ。
手前のメニューは、あまり栄養価のすぐれたものではないので、わざと分かりにくくしてあります。ただの逆光ですが。


前回のβカロチンとビタミンAについて補足します。
βカロチンは、体内でビタミンAに変換するためプロビタミンAとも呼ばれます。その分子構造は、ビタミンAが2個くっついたような形をしています。
ビタミンAに変換する、と書きましたが、実態は切り離されて別々のビタミンAになるわけです。

βカロチンからビタミンAへの利用効率は12から1だと書きました。正確にいうと以下の通りです。
変換以前の吸収率ですが、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、βカロチンの吸収率はビタミンAの1/6としています。
吸収されたあと、βカロチンからビタミンAへの体内での変換率は50%(1/2)と考えられています。

つまり、1/6×1/2=1/12ということになります。
ただし、1/6という吸収率は、実際にはβカロチンを含む食材の種類や量、一緒に調理される食材、調理法、食べる人の消化器機能のレベルなどによって、3%から96%まで大きく異なると言われています。
βカロチンは脂溶性カロテノイドですので、まずは油と一緒に摂取してください。

妊婦さんがビタミンAの摂り過ぎを心配するケースがあります。
ビタミンAは脂溶性のため体内に蓄積されるため、その量が多過ぎる場合には過剰症が懸念されます。妊婦さんの場合には、耳の形態異常などの催奇形の可能性があるという報告もあります。
その点でβカロチンは、体内で必要なときに必要な分だけビタミンAに変換されるので、心配はありません。

ビタミンAの摂り過ぎは、もう一つの問題があります。
ビタミンAとビタミンDは、細胞核にある受容体を共有しています。そのため、どちらか片方ばかりを摂取すると、もう片方の効き目を妨げてしまうからです。
とはいえ、毎日のように鰻やレバーをたくさん食べる、所要量をはるかに超えたサプリメントを飲む、でもしなければ過剰摂取は考えにくいので神経質になる必要はありません。

2017年7月30日日曜日

鰻&穴子

こうも暑い日が続くと、食べたくなるのが鰻。
ですが、予算の都合で上等のうな重とはいかず、「おひつ御膳」なるもので気分だけ思い切り鰻に浸りました。
思いだすのは、名古屋・蓬莱軒のひつまぶし。もう一度食べてみたいですね。

鰻は、古くから夏のスタミナ源として食べられてきた魚です。意外と知られていませんが、海水と淡水を行き来できる珍しい魚です。
関東と関西では調理法が違い、関東は「背開きの蒲焼き」、関西は「腹開きの間蒸し」が一般的だと言われています。
当然ですが、血清毒を持っているので、生食には適しません。

鰻は脂質が多く、αリノレン酸EPAなどオメガ3系脂肪酸が豊富です。もちろん、タンパク質もたっぷり。
それ以外では、比較的摂りにくいビタミンAが多いことで知られています。ビタミンAは、皮膚や粘膜の細胞をつくり出すために必要不可欠です。
ビタミンAが不足すると、粘膜細胞が弱くなるために感染症に罹りやすくなったり、腸管の免疫力が低下してアレルギーの原因になります。

ビタミンAは鰻、レバー、銀だら、ほたるいか、あんこうなど、動物性の食品にしか含まれません。
ビタミンAが足りないときには、にんじん、かぼちゃ、ほうれんそう、春菊などに多いβカロチンビタミンAに変換します。

ただし、βカロチンからビタミンAへの変換は、βカロチン12に対してビタミンA1と効率がいいとはいえません。また、すぐれた抗酸化作用を持つβカロチンは、少しでも体内に残しておきたいものです。
ビタミンAの摂取は、ビタミンAとして摂ることも意識した方がよいでしょう。
鰻と似ている魚に穴子がありますが、鰻のビタミンAは穴子の約5倍含まれています。

その穴子ですが、鰻と違って脂質は多くありません。
鉄やマンガンなどのミネラルを含み、鰻に負けない栄養価でありながらカロリー控えめなのが特徴です。
蛇足ですが、美味しい穴子を食べるなら・・・・・広島・宮島口駅前の「うえの」のあなごめし。広島に行ったときには、ぜひ一度お試しを。

2017年7月25日火曜日

日光浴と余命

数日前、地元紙を読もうとしたら、衝撃的な見出しが目に飛び込んできました。
46位ということはビリから2番目。かつての健康長寿県はどこへやら、真っ逆さまに転げ落ちたという印象です。言葉はよくありませんが。

この調査は東京大学の研究チームが算定した結果で、厚生労働省が5年ごとに発表している平均寿命とは異なります。厚労省が2013年に実施した調査では、女性が3位、男性が30位です。
どちらのほうが実態を反映しているのかは、ハッキリとは分かりません。ただ、記事を読むと以下のようなことが書かれています。

両者とも生存率や死亡率、人口動態統計を基礎データに算出している点は同じ。が、厚労省は基本的に1年間の値を計算式に当てはめているのに対して、東大研究チームは1990年から2015年まで25年間の基礎データを使っています。
研究チームは、病気ごとの死亡率に加え、たばこやアルコールの摂取、高血圧など健康状態も加味しており、「精度が高い」と説明しています。

この調査結果では、各々の原因についての究明はありません。
ということで、ここからは推測に移りますが、沖縄に特徴的な食生活や生活習慣は何だろう、と考えたときに私は3つ浮かびます。

1.油の摂り過ぎ
2.運動の少な過ぎ
3.日光を避け過ぎ

異論もあるかもしれませんが、「3」の日光浴に関して触れてみます。
皮膚の下にあるコレステロールが日光に当たることで、ビタミンD(正確にはD3)が合成されることが分かっています。ビタミンDといえばカルシウムの吸収を助けることで知られていますが、近年それ以外にも、D3がアレルギー抑制ガン予防に働くことなどで注目を浴びています。

スウェーデンにあるカロリンスカ大学の論文で「日光浴と余命」というのがあります。

ガンに罹患したことのない25~64歳のスウェーデン女性29,518人を対象とした、20年間にわたる追跡調査です。
上記の対象を以下の3群に分けて、循環器疾患による死亡率、非ガンや非循環器疾患による死亡率、その他の死亡率との関係を調べました。

①日光を避けるグループ
②適度に日光に当るグループ
③積極的に日光に当るグループ

その結果は、
・①の女性は、②の1,5倍、③の2,3倍も循環器疾患による死亡率が高かった。
・③の女性は、非ガンや非循環器疾患による死亡率が減少したが、相対的にガンによる死亡率が増加した。
・喫煙しない①の女性は、喫煙する③の女性と同程度の平均余命だった。

沖縄とはまったく緯度が違うスウェーデンの調査ですので、そのまま当てはまるかどうかは分かりません。また、この猛暑続きのなか、積極的な日光浴を薦めているのでもありません。
それでも、あまりにも日光を避け過ぎるのも考えもの。朝夕を中心に「適度な」日光浴はやはり必要なのではないかと考えます。

2017年7月21日金曜日

体感気温の男女差

おはようございます。昨日は、猛暑の中ピアノコンサートに出掛けました。。
県内在住の3名のピアニストによる3者3様の演奏で、ドビュッシー、ブラームス、バルトーク、リスト、メンデルスゾーン等をたっぷり堪能。
ほんのひととき、沖縄にいることを忘れてヨーロッパ気分に。

が、外に出ると、もう暑い、暑い! こういうときは夏野菜をということで、ナスの素焼き
岩塩をパラパラっと振りかけただけの超シンプルレシピです。
生姜を少しのせて食べるのもなかなかです。

ナスの栄養素はというと、ビタミン・ミネラルはあまり期待できないようですが、ナスニンというポリフェノールの1種が含まれます。その強い抗酸化作用でさまざまな生活習慣病の予防に働きます。


前回は冷房の話をしましたが、同じ設定温度でも男性は「暑い」、女性は「寒い」と、男女の体感温度の違いから不満がぶつかり合うこともあります。体感温度は人それぞれですが、とくに男女差は大きく、2℃以上もの差があるといわれています

これは基礎代謝の違いが影響していて、男性は女性と比べて脂肪が少なく筋肉が多いため熱生産量が高くなります。女性は男性より筋肉が少ないので熱を産生しにくいのです。

女性の体は女性ホルモンの影響で脂肪がつきやすく、中でも皮下脂肪が多い傾向があります。女性の本能として子宮を衝撃から守ることや、子宮や内臓、骨盤を冷えから守る断熱材としての役割があるためです。
皮下脂肪は熱を通しにくく、一度冷えると温まりにくいので、女性はもともと冷えやすいといえます。

閉経前の女性の場合は、生理中に体内の血液量が一時的に減少するため、全身に血液が流れにくくなり、冷えを生じることになります。とくに子宮や卵巣など女性特有の臓器が影響を受けやすいので、うっ血して冷えやすいといえます。

これらのことも勘案して設定温度を決めるのがいいですね。
おのずと結論は「弱冷房」に行きつくのではないでしょうか。