2018年12月11日火曜日

朝からたんぱく質

『週刊朝日』今週号の記事です。

「10の新常識」は以下の通りです。
すべてをコメントするのは大変ですので、上から3番目の「朝食にたんぱく質~」について。

記事では、その理由を次のように述べています。
時間栄養学という言葉を最近ときどき耳にします。
朝の体内時計リセットを行わないと、自律神経やホルモンバランスに影響を与えますし、セロトニンやメラトニンといった睡眠に関わる神経伝達物質の分泌も乱れます。
朝食を食べることによって体内時計のズレを修正するとのことですが、なぜ「タンパク質」なのかは記事を読むだけでは分かりません。

私が研修等で「朝からタンパク質」を推奨しているのは、別の理由によります。
1日に必要な摂取量を3分割するという、単純な目的のために朝から摂るのです。

1日に必要なタンパク質は、最低でも体重の千分の一、つまり体重60kgの人は60g、50kgの人は50gです。
より積極的な予防、健康増進を目指すのであれば、これに1~2割増しするのが望ましいと考えます。体重63kgの私は、毎日70gはタンパク質を摂るように心掛けています。

ただ、タンパク質は炭水化物などと比べて消化が困難である、という側面を持っています。胃や膵臓、小腸の消化酵素を総動員しても、すべてのタンパク質がアミノ酸まで分解されて吸収されるわけではありません。
アミノ酸まで分解されなかった場合には、未分化タンパクというものが発生して、腸内環境を悪化させます。(覚えていますか?)

未分化タンパクを最小限に抑える対策はさまざまですが、まずは毎日3回に分けることです。
2回で必要量をカバーしようとなると、自ずと1回分が多くなり、消化のハードルが高くなります。


もちろん私は、朝食でしっかりタンパク質を摂ります。
目玉焼きを2つ。それぞれにスライスチーズをかぶせます。それにヨーグルトを100gくらい。
フルーツやパンに含まれる分まで合わせると、朝食だけで25g以上のタンパク質を摂っています。

2018年12月7日金曜日

基本を崩さずに進化を

3日(月)と4日(火)、恵比寿加盟店および武蔵小山加盟店(いずれも東京都)にて、温熱実技のフォローアップを行いました。

2日間、2会場で一緒に実技の勉強をした施療師(オーナー)は計6名。そのキャリア年数が実に多彩です。
もうすぐアシスタント研修を修了する方、研修修了後3カ月の方、同じく約1年、約5年、約10年、約15年の方と、みごとに散らばりました。
新人、若手、中堅、ベテラン、大ベテランの揃い踏みといった様相です。

その方々の施療を見て、また会話を交わしながら感じたこと。

温熱実技の研修修了から歳月が経過したときに、たどるパターンは概ね次の3つでしょうか。
① 初期研修で伝えた内容を、そのまま忠実に守り通している。
② いつしか基本が崩れてしまって、自己流になっている。
③ 基本を崩さずに、それでいて進化を遂げている。

②はもちろんダメ。①は、教えた側としては嬉しい反面、物足りなさが残ります。

中堅、ベテランになるほど③でありたいと考えます。
現場での経験を重ね、試行錯誤を繰り返すことで、「もっといい方法」が浮かんできます。
並行して解剖学や病理学を勉強することで、「より効果的な熱入れ」に近づきます。

では、現状はというと・・・
すべての加盟店の方の施療を見てはいませんが、残念ながら③のパターンはほとんど見掛けません。

このあたりが、来年取り組んでみたいテーマになるかもしれません。
新潟で今年3月、「施療を意識した解剖生理学」の講習を行いましたが、それを発展させて「人体を深く知って施療レベルを高める」実技講習にチャレンジする。
そう考えるだけで、楽しく年を越せそうです。

もちろん私も試行錯誤中、勉強中の身。向上心旺盛な加盟店の方と一緒に前進したいと考えています。



[ おまけ ]
街角で出会った、生後4か月のトイ・プードル、ピピンちゃん。
我が家のチョコ(同じレッドのメス)も、4か月前はこんな感じでした。

東京のまったく知らない人とでも、犬つながりですぐに仲よくなれるから不思議です。

2018年12月1日土曜日

体を温めれば健康になる?

12月になりました。沖縄はポカポカ陽気が続いていますが、本土の各地では寒さも本番。
となると、温熱の季節と言いたいところですが、先日こんな雑誌記事を目にしました。

世の中、Aという意見があれば、必ず反対のBという見解も現れます。
食材や食事法、健康法、サプリメント、薬 etc. 一つひとつの情報に右往左往していては、ただ混乱するばかりです。
しっかり勉強して、ぶれない軸を持ちたいものです。

しかし、それにしても「体を温めるのは有害」とは我が目を疑いました。
読んでみると、もちろん科学的根拠はありません。
その代わりに、医師の迷コメントが書いてあります。
思わず腰を抜かしそうになりました。

体温が高いと代謝がよくなることは認めています。
「代謝」ほど分かっているようで分かっていない言葉もありませんが、代謝といったときには
①エネルギー代謝(文字通りエネルギーを生み出す)
②毒素、老廃物の解毒、排泄
③組織の修復、再生
④免疫の維持、向上
この4つだと思えば、おおよそ当たっています。

つまり、体温が上昇すれば代謝が向上し、健康レベルも引き上がります。

が、「その分、活性酸素が増え~」には仰天です。
吸い込んだ酸素は、細胞のミトコンドリアという所でエネルギーを生み出すときに必要です。その内の1~2%は、不完全燃焼のような状態で活性酸素となってしまいます。
これは不可避的なものです。エネルギー代謝がよければ、これが4~5%に増えるというものでもありません。

活性酸素を大量に発生させる要因は、以下の通りです。
喫煙(受動喫煙を含む)
・強いストレス
激しい運動
・過剰な放射線、紫外線、電磁波
排気ガス
水銀、カドミウム、鉛、ヒ素などの有害ミネラル
食品添加物
・無添加を除く洗剤、石鹸、シャンプー、歯磨き粉
酸化した油トランス脂肪酸
・ほぼすべての
農薬、殺虫剤
抗生物質、抗がん剤

正確な知識を身につけておかないと、どこかの医師のナンセンスなコメントを鵜呑みにして、かえって不健康になってしまいます。
いつもいつも思いますが、健康になりたいと心底願う人は、楽ではないですけど地道な勉強を続けることを薦めます。

2018年11月27日火曜日

出張こぼればなし

講習の前日は羽田から銀座に直行し、銀座FANCLスクエアを4年ぶりに訪問。
ここでは、ユニークなものも含めて、体に関するさまざまな測定やカウンセリングを行っています。

今回、事前に予約したのは体バランス測定というもの。
内容は、骨密度指数(ロコモの兆候がないか)、体成分分析(水分、タンパク質、脂肪、ミネラルの比率)、骨格筋・脂肪の比率、肥満評価、筋肉バランスです。


この中で「なるほど」と感じたのは、骨格筋量筋肉バランス
沖縄に移住して6年あまり。4~5年間は歩かない生活にどっぷり浸ってしまい、筋肉量の減少はハッキリ自覚できる程でした。
それが尾を引いているのでしょう。骨格筋量は標準域ギリギリというレベルに留まっています。

それもあり、1年くらい前からウォーキングに加えて適度な筋トレを始めています。
筋肉バランスでは、右腕、左腕、体幹、右脚、左脚に5分画されています。
自分の体重に対する発達率(%)を見ると、脚 ⇒ 腕 ⇒ 体幹 の順になっています。

もっとも熱心にやったのはスクワット、次が腕立て伏せ、腹筋運動はサボり気味だったので、そのまま結果に現れた、ということです。
このあと取り組むべきことが明確になりました。



それ以外に、予約不要なものを2つ。

一つは、脳年齢チェック
結果はこちら
実年齢よりも10歳若返りました。
まだまだ、いろんなことにチャレンジできそうです。


調子に乗ってもう一つ試してみたのは、ストレスチェック。
自律神経のバランスを見るものですが、頭部、右肩、左肩、胸部と、こちらは4分画です。

「やはり」というか、これも予想した通りの結果です。
全体的には自律神経のバランス良好。が、頭部(脳)だけ交感神経優位になりました。
ようは使い過ぎということなのでしょうか。

自然と戯れる時間、愛犬チョコと接する時間を増やしたほうがよさそうです。
(本気で遊び過ぎているのかもしれません)

フル回転させた脳を休めるために、測定後は和光ビルをバックにバナナケールスムージーでブレイク。




銀座FANCLスクエアでは、先日ブログにも書いた「糖化」度を調べる糖化測定も行っています。
私は4年前に測定して、当時の年齢に応じた糖化度よりも「やや低かった」記憶があります。
来年あたり、あらためて測定しようかと考えています。

2018年11月23日金曜日

分子栄養学講習 in 東京③

糖質制限食のポイント、続きです。
糖質を大幅にカットしたカロリーを補う「別のもの」といっても、タンパク質と脂質しかありません。
結論から言うと、その分のカロリーをタンパク質で補うのは、事実上困難です。
ということは、大部分を脂質でカバーすることになります

そうはいっても、脂質は何でもかんでも摂ればよいというものではありません。
マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸、脂質の種類にかかわらず酸化した油は、もってのほかです。

大豆油、コーン油、菜種油などに含まれ、家庭や外食でもっとも多く使用されるのがリノール酸という脂質です。
これは適量は必要な油ですが、現代では適量をはるかに超えて過剰に摂取している人がほとんどです。過剰に摂ると、がんや炎症、アレルギーなどを促進してしまいます。
ですから、これも糖質制限食には積極的に使えません。

つまり、これらのものを除いた脂質、飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸を含む)やEPA、オリーブオイルなどを中心にカロリー数を積み上げていくことになります。
こうなると細部にわたって学習が行き届いていなければいけません。
糖質制限食を成功させるのは簡単ではないことは、勉強すればするほど痛感します。

だからこそ、今回の講習で時間を割いて取り組みました。
学習した加盟店オーナーにおかれましては、ぜひ患者さんにも紹介していただきたいと願っています。


糖質制限食を学習し終えたあとは、「サプリメント・上級編」「食事・上級編」をおさらいして講習は終了。

昨年2月から5回にわたって開催しましたが、かなり掘り下げた内容まで到達したという実感があるので、東京会場での講習はひと区切り。
来年は違う形での勉強会を継続できないか検討中です。

2018年11月20日火曜日

分子栄養学講習 in 東京②

糖尿病、血糖値スパイク、低血糖症の学習を踏まえて、今回の大きな柱である糖質制限食を掘り下げてみました。
大きなブームとなっている糖質制限食ですが、ダイエットだけではなく、上記の症状にも有効です。というよりも必須だと言えるかもしれません。

長らく糖尿病の食事療法としてカロリー制限が用いられてきました。実際に今でも、病院での食事指導はカロリー制限が主流であることに変わりありません。
しかし、血糖値を上げるのは糖質のみです。徹底的にセーブするべきは糖質です。
カロリー制限をしてしまっては、大切なタンパク質までその影響を被ってしまいます。

何より糖質制限食は、がんの食事療法としても期待を寄せることができます。
がん細胞の唯一のエネルギー源(エサ)はブドウ糖だからです。
ほとんどの加盟店には、がん患者さんが温熱施療を受けに通っています。講習で糖質制限食を取り上げたのは、その方たちの強力な援軍にしていただくためです。

「がん細胞の唯一のエサ、ブドウ糖(糖質)を断てばがんは広がらない」と理屈は明快ですが、いざ実践に移すと一筋縄ではいきません。
糖質を大幅にカットした分、別のもので補わないとカロリー不足、つまりエネルギー不足になってしまいます。
エネルギー不足では免疫を含めたすべての代謝レベルが低下します。これでは病気には勝てません。

じっさいにダイエット等の目的で糖質制限食を行っても、かえって体調が悪くなってしまったという声をしばしば耳にします。おそらくエネルギー不足が原因ではないかと推測しています。
糖質制限食は、見よう見まねでやってしまうと失敗する可能性が高くなります。十分すぎるくらいに勉強し、正確な知識を得てから実行する必要があります。
(つづく)

2018年11月16日金曜日

分子栄養学講習 in 東京 ①

 11日(日)~12日(月)の2日間、都内にて分子栄養学集中講習を行いました。昨年2月から始めて今回が5回目です。
 このような講習の常として、参加人数は次第に絞られてはきます。それでも向上心旺盛な加盟店オーナーが集まり、一段と掘り下げた勉強をする時間が持てました。

前半は、あらためて糖尿病の学習から。関連して血糖値スパイク(グルコーススパイク)、低血糖症について。

 一般的な糖尿病の常識と併せて知っておくべきことは「糖化」です。糖化は、糖(そのほとんどはブドウ糖)がタンパク質と結合した状態のことです。
 糖は元々タンパク質とくっつきやすい性質を持っています。すると、くっつかれたタンパク質はその本来の機能を果たさなくなります。
 その状態が進むと、リウマチや多発性硬化症、全身性エリデマトーデスなどの自己免疫性疾患の一因になるという見解もあります。

血糖値スパイクは、食後に起こる急激な血糖値の上昇のことです。より正確にいうと、空腹時と食後の血糖値の差が大きいことです。
これがあると、比較的太い血管を傷つけて、最悪の場合は脳梗塞や心筋梗塞、足の壊疽(えそ)を引き起こします。恒常的に血糖値が高いことよりも危険である、という見方もあります。
血糖値スパイクは、食後2~3時間経つと元の血糖値に戻るため、健康診断の「空腹時血糖値」はもちろん、「Hg(ヘモグロビン)Ac」では異常は見つかりません。2時間糖負荷検査で、ある程度分かります。

低血糖症はたんに血糖値が低いことではなく、血糖値の上昇下降を繰り返し、血糖値が安定しないことをいいます。この状態は自律神経やホルモンバランスを崩し、メンタルをはじめ、さまざまな不調の原因になります。
 問題は、低血糖症が医師など医療現場でもまだまだ認識されず、「うつ」や「過労」などと診断されてしまうことです。

 臨床で分子栄養学を用いた治療を行う溝口徹氏(新宿溝口クリニック)は、メンタル系の疾患の場合、まず低血糖症の改善治療に取り組んでいます。
必要な栄養素を大量摂取する一方で「糖質制限食」を組み込みます。
(つづく)