2017年5月19日金曜日

分子栄養学講習・続編①

こんにちは。13日(日)と14日(月)の2日間、都内で再び栄養学集中講習を行いました。今回も11名の勉強熱心な受講者と一緒に、密度の濃い時間を過ごしました。

初日は、前回の講習で出来なかったことを学習しました。脂質、糖質、食物繊維、酵素、腸内環境、添加物。

分子栄養学の立場で考えれば、脂質はとりわけ重要です。体をつくる材料として一番多いのは(水を除けば)タンパク質ですが、それに続くのが脂質だからです。
それも、ただ量が満たされていればよいということではありません。何の油で構成されているかという「質」が健康状態を左右するからです。

そこで重要になってくるのが、オメガ3(おもにEPA / DHA)とオメガ6(おもにリノール酸)の比率。この比率を適正に近づけるのが如何に難しいのかを、具体的に食品に含まれる量を引き合いに出して説明しました。

もう一つがコレステロール。これも大切なのはLDLとHDLのバランス。コレステロールがよくないのではなくて、このバランスが崩れたときに動脈硬化のリスクが高まるのが問題です。
講習では、何がそのバランスを崩すのか、逆に何がバランスを整えるのか、ということを学習しました。

それ以外にも、
「なぜ、外食や中食には揚げ物がやたらと多いのか?」
「なぜ、『メガビタミン』があって『メガミネラル』がないのか?」
「なぜ、40歳を過ぎると体は衰えていくのか?」
「高校時代の食物繊維不足が乳がん発症リスクを高める」
といった興味深い話題についても一緒に考えていただきました。

初日の講習終了後は、例によって懇親会。あっという間の3時間でした。
楽しすぎて、写真撮影を忘れてしまいました。
(つづく)

2017年5月12日金曜日

血管年齢&健康診断

おはようございます。昨日、某所で血管年齢の測定をしました。明後日から行う講習のテーマの一つ、「血管の老化」について関心を高めるための一環です。
結果はこうです。
実年齢よりも低いのはよかったのですが、40代を狙っていたので少し残念です。
「8:2」をキープしつつも、まだまだ食事の改善の余地がありそうです。


話かわって、少し前のことですが、3月に受診した健康診断の結果が出ました。それがこれです。
聴力が弱いのは昔からなので仕方ありません。だから声が大きいのでしょう。
それ以外は、ABC評価だけ見ると良好のように見えるかもしれません。ほとんどの人は、ここで「健康そのもの」と安堵してしまうのですね。

しかし、生理学や分子栄養学を学んでいくと、あるいは紙面に表記してある「基準値」の意味を知ると、とても手放しでは喜んでいられません。ある種の大切な栄養素の不足がこの表から読み取れるからです。
具体的なことは追い追い書くとして、ここでは基準値のことだけ触れておきます。

検診で用いられる基準値とは、20~60歳くらいの健康な人(この定義が怪しい)の検査結果をもとに、上限と下限の2.5%ずつを外したもので、残りの95%の人が含まれる範囲を「基準値」とするわけです。
したがって、基準値=適正値 では必ずしもありません。より積極的な予防、健康増進を求める人は、このことを押さえておく必要があります。


ところで私、健康診断に含まれる胃のバリウム検査は毎回パス(拒否)しています。
理由は放射線被曝です。やり方や技師によって時間は変わってきますが、いずれにしても数分のあいだ被曝し続けるのですから、その量は看過できません。

この表が掲載されていた『週刊現代』3月11日号には、以下の記事もありました。

実は患者にはほとんど知られていないが、この技術は日本で開発されたもので、このような検査法を行っているのは日本だけである。世界に広がらない理由は単純で、検査の意味がないからだ。
新潟大学名誉教授の岡田正彦氏が語る。
「バリウム検査で行われる胃がん検診については、ランダム化比較試験(偏りを避け、客観的な治療効果を測るために行う試験)がまったく行われていません。つまり、日本の胃がん検診を受けると余命が延びることを示すデータは一切存在しないのです」

別の識者のコメントで、「バリウムや胃カメラを飲んでも5%しか、がんは見つかりません」とも。

胃カメラについても、私は40歳を最後に受けていません。
理由は「5%」以外にもあります。が、今回はこのくらいにして、それが掲載された記事を見かけたら、そのときに紹介するとします。


明日から東京出張。2月に開催した栄養学講習の続編です。私の健診結果の何が問題なのか、取るべきアクションは? といった実践レベルのことも盛り込みます。
動脈硬化(血管の老化)に関しても、たっぷりと。
勉強熱心な皆さんにまた会えることを、ワクワク楽しみにしています。

2017年5月7日日曜日

8:2 の法則

おはようございます。大型連休も今日で終わりです。琉球温熱の本院では3日~5日の3日間お休みでした。
3日間。通常であれば、栄養学の書籍を片手にじっくり勉強の時間に充てるところです。東京での栄養学講習も迫っていますし。
しかし今回は、気分転換にまったく違う本を楽しみました。

マンガです。焼き物の街、萩(山口県)を舞台にした陶芸ロマン『緋が走る』全15巻。
タイトルの由来は、こうです。

15年くらい前、30代のときに読んだものを、もう一度まとめ買いしての読み返しです。
焼き物も萩の街も大好きな私にとっては興味を引かれますが、こんなマニアックなマンガを読む人は今どきほとんどいないでしょう。当の私が「こんなマンガがあるのか」と驚いたくらいですから。

ストーリー等は書き始めるとキリがないので書きません。
ただ、この中で妙に頭に残っている一場面がありました。

師匠が弟子に指南する言葉。それは、用が8、美が2
「陶芸家たるもの、自分の作品、すなわち美を追求したいのは誰もが同じ。自分の窯を持てばつい作家に走る。だが、それは全仕事量を十とすれば二にとどめなくてはいけない。
夢や理想だけを追えば百人が百人必ず潰れる。現実をしっかり見つめ、残り八は職人に徹す」

芸術を追えば用を足さぬ。用を追えば品位が落ちる。
自分の作品だけで生活していけるのは、人間国宝などほんの一握り。99%の作陶家は、日用的な茶碗や皿、小鉢などを地道に作り続けなければいけない。しかし、用だけに埋もれてしまっては、作品レベルが保てない。
その最適なバランスが「8:2」ということです。

この原理原則は、あらゆる場面で通用する気がします。

これを強引に応用して私が勝手に編み出したのが、
食事における 「8:2」 の法則

 が、予防・健康のことをしっかり考えた食事。栄養素を優先させます。
タンパク質、ビタミン&ミネラルファイトケミカルをしっかり摂り、それに腸内環境のことも考えて、食物繊維善玉菌の豊富な食材を選びます。
一方で、炭水化物はほどほどに。トランス脂肪酸酸化油、有害性が疑われる添加物は、できるかぎり口にしないよう気を配ります。

しかし、何事も禁欲的過ぎるのはよくありません。毎日3食そればかりを考えていては、食事のバリエーションが限られてしまいます。ストレスが溜まり、続かないかもしれません。
そこで、残りので、いろんなものを食べて楽しみます。カレーライス、沖縄そばやラーメンなどの麺類、タコライスやドリアなどご飯もの、年に数回はピザやハンバーガー、牛丼も。

それでも、なんでもOKということではありません。マーガリンやショートニング、合成着色料などは避けるようにしていますし、インスタントラーメン、コンビニ食、酸化油での揚げ物もほぼ食べません。最低限の歯止めは掛けています。
こんなふうに「2」を楽しむことによって、楽な気持ちで健康な食生活が続けられる、と考えています。

ただし、これは予防に備えた場合でのこと。大病を患ったときには 「8:2」 などと悠長なことは言っていられなくなります。
そういう意味からも、日頃から予防に気を使うことをお薦めしているのです。

2017年5月2日火曜日

羊と鋼の森

こんにちは。この1週間は、ある事情でたっぷり読書をする時間が持てました。そこで、久しく接していなかった小説を手に取りました。
タイトルは『羊と鋼の森』。書店販売員が選ぶ本屋大賞、昨年の受賞作です。

「羊と鋼の森」って何のことだかわかりますか?

ピアノのことです。
「羊」は弦を叩くハンマーのことで、羊の毛を圧縮したフェルトというもので作られています。
「鋼」は、もちろんその弦です。
「森」は、ピアノの最大の材料である木材を指します。

では、この小説の主人公はピアニストかというと、そうではなく調律師です。あまり知られていない調律という立場から、ピアノという楽器の魅力と奥深さを描いています。

明るく澄んで、それでいて小気味よいテンポ感のある文体に引き込まれてました。難解なセンテンスや語句がまったく見受けられず、読み進めやすい小説です。
と、書いていてもイメージできないでしょうから、一節を抜粋します。

 なだらかな山が見えてくる。(中略)山だと思っていたものに、いろいろなものが含まれていたのだと突然知らされた。土があり、木があり、水が流れ、草が生え、動物がいて、嵐が吹いて。
 ぼやけていた眺めの一点に、ぴっと焦点が合う。山に生えている一本の木、その木を覆う緑の葉、それがさわさわと揺れるようすまで見えた気がした。
 今もそうだ。最初はただの音だったのに、調律し直した途端に、艶が出る。鮮やかに伸びる。ぽつん、ぽつん、と単発だった音が、走って、からまって、音色になる。ピアノって、こんな音を出すんだったっけ。葉っぱから木へ、木から森へ、山へ。今にも音色になって、音楽になっていく。その様子が目に見えるようだった。

もう少しだけ、抜粋を。

指一本で鍵盤を叩いた。それは基準音となるラのはずだったのだけど、音の伸びる方向にすうっと景色が開けるのが見えた。銀色に澄んだ森に、道が伸びていくような音。そのずっと奥で、若いエゾシカが跳ねるのが見えた気がした。


音を言葉で写しだす表現方法もさまざまですが、この本ではタイトルにもなっている「森」をキーワードにしています。
だんだん蒸し暑くなってきた季節に、一服の清涼感に触れることができました。読後感は温かさに満たされたものでした。あと1~2回は読み返したい本です。


この本を手に取ったのは理由があります。
私はかつて5年弱、楽器店に勤めていました。そのとき調律師ともよく話をしましたが、若気の至りというのか、「調律の何がおもしろいの?」と単刀直入に聞いたことがありました。
その返答はよく覚えていないのですが、おそらくこの本に書かれていたようなことを言いたかったのでしょう。今ごろ納得しました。


話が少し外れますが、調律師が書いた本があります。


この2冊の著者は、私がその楽器店に勤めていたときに大変お世話になった上司です。
宣伝半分ですが、じっさいに読むと興味深い話が満載です。
ピアノを弾く方、ピアノ演奏が好きな方はぜひ。


今回は、本題とは関係のない本の話で終わってしまいました。が、栄養学や生理学の書籍ばかりではなく、心が澄みわたるような小説もときどき必要だと、切実に感じました。

2017年4月24日月曜日

チョコレート④

おはようございます。
チョコレートシリーズの冒頭では、本土や海外のチョコレート菓子ばかり紹介してきましたが、沖縄も負けてはいません。
宜野湾市にある洋菓子店では、本場ウイーン仕込みのザッハトルテをつくっています。

イートインも可能なので、ザッハトルテと紅茶でひとときのウイーン気分・・・と言いたいところでしたが、BGMがモーツァルト(はよかったのですが) → サティ(フランス) → エルガー(イギリス) → グリーグ(ノルウェー)と、どんどんウイーンから離れていってしまいました。
それでも、ザッハトルテは絶品でした。


高カカオチョコレートの補足です。
内閣府と明治製菓による共同研究で、高カカオチョコレートを継続摂取することにより、脳の若返り効果の可能性が言及されました。
45歳から68歳の成人男女30人(15人ずつ)に高カカオチョコレートを4週間摂取してもらったところ、大脳皮質の量が増えたそうです。
サンプル数が少なく、カカオのパーセンテージなど詳細が分からないので現時点ではコメントのしようがありませんが、さらなるデータを待ちたいところです。

明治製菓の高カカオチョコレートで人気が出たためか、他社からも同様のチョコレートが発売されています。


カカオ分を増やして相対的に砂糖を減らすのはいいことですが、”デリシャス”とか”ざくろ”を見ると、今度は別のことが気になります。
そこで成分表を調べてみると、案の定「香料」の2文字が入っていました。
果たして、どこまで健康のことを考えているのか、いないのか・・・

参考までに、こんな商品もあります。

このブログを熱心にお読みいただいている方は、ある記事を思い出しているかもしれません。
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砂糖がない分、こういった人工甘味料がちゃっかり、もとい、しっかり入っています。
一事が万事。こういう会社はおおよそ何を考えて商品を企画、製造しているのか、学習すれば透けて見えてきます。
それでも、そこまで学習する人はほんの一握りなので、やはりこの商品も売れているようです。

賢い消費者のみが自身の健康を守れる。そういう時代なのかもしれません。
皆さん、勉強しましょうね!

2017年4月18日火曜日

チョコレート③

おはようございます。 北海道産のジャガイモが不作のため、一部のポテトチップスが製造・出荷を停止しているようです。昔の私であれば無関係ではありませんでしたが、今では年に2~3回くらいでしょうか、縁遠い話になりました。

スーパーの店頭では県産のジャガイモが並んでいます。

出荷時期は決まっていて、2月から4月。生産量がそれほど多くはないので、どこでも見かけるというわけではありません。
もうすぐ時期が終わると、それに代わって北海道産で埋めつくされますが、今年はどうなるのでしょうか。



チョコレートの話を続けます。このチョコレートもお気に入りの一つ、Leonidas(レオニダス)のオランジェット。

細切りにしたオレンジの皮がビターチョコレートでコーティングされています。
Leonidasは、ベルギー王室御用達のチョコだそうです。


さて、チョコレートに含まれる砂糖は、そんなに多いのでしょうか。
それを確かめる前に、原材料表記の復習です。原材料表記は、原料(天然)の多いものから少ない順に、続いて添加物の多いものから少ない順へ、という配列でした。
    ⇓      ⇓      ⇓

じっさいに、スーパーやコンビニ等で「砂糖」が何番目に表記してあるか確かめてください。
ほとんどの商品は、主原料であるカカオマスを押しのけて堂々1番目に記されています。「ビター」味のチョコレートでさえ、そのほとんどは砂糖がトップに位置しています。どこがビターなのでしょう?

おそらく、そうしないと日本人には苦すぎて食べられないのでは、と推測できます。
なんか、似たような話を何か月か前にブログで書いたような気がします。

ところが、数年前から本当に砂糖を抑えた高カカオチョコレートが登場しています。

○○%とは、全重量に対するカカオ豆の割合です。従来のチョコレートは、30~40%のカカオを含みます。それに対してカカオの含有量が70%以上のものを高カカオチョコレートと一般的には呼ぶようです。

あま~いチョコレートに慣れ切ってしまった人は、相当な苦みを感じるに違いありません。
が、次第に舌が慣れてくると、チョコレート本来のカカオマスの風味が口の中に広がってくるはずです。

95%は、さすがに苦くて閉口してしまいますが、中間の86%であれば何とか口にできます。72%は、ほんのりとした甘さが漂い、人気があるようです。
カカオ分が多いほど、ポリフェノールの含有量も多くなります。

カカオは脂質が多いため、エネルギー量は相対的に高くなります。「砂糖が少ない分、ダイエット効果がある」というのは勘違いです。
ともあれ、食べるならこういったものがお勧めです。

2017年4月14日金曜日

チョコレート②

 おはようございます。沖縄では、ほんの束の間かもしれない過ごしやすい日が続いています。車のウインドウを空けると心地よい風が吹き込んできます。
 こんなとき聴きたい音楽はボサノバ。
軽やかな気分を感じたいときには、そのシチュエーションを最高に引き立ててくれます。 



 チョコレートシリーズ、つづき。下の写真は「横濱煉瓦」というチョコレートケーキ。フォークとスプーンは本物ではなく、テーブルマットに描かれている絵です。
横濱煉瓦は、少し重いくらいに濃厚なチョコを使っています。好きな人は病みつきになるかも。


 さて、最近はこんなチョコレートも人気があるようです。

 乳酸菌は、ないよりあるに越したことはありませんが、こういうメーカーの目玉だけを見て飛びつかずに、それ以外の成分等も確かめなくてはいけません。
 ここのメーカーは、とりわけ注意が必要です。ウェブサイトを見ても、どこにも成分表示がありません!? このメーカーの商品については、また後日に登場します。


 ポリフェノール以外に、チョコレートに欠かせない成分としてテオブロミンがあります。テオブロミンはカフェインと似た作用を持ちます。
 脳の神経細胞を刺激して集中力を高めます。その刺激で、疲労して低下した記憶力を元に戻す効果も期待できます。
 とはいえ、集中力を高めるテオブロミンの効果はカフェインより弱く、コーヒーを飲んだほうがはるかに効果を得られます。
 
 テオブロミンには、脳を興奮させることによって、食欲を抑える効果もあるそうです。食前にビターチョコをひとかけら(5~10グラム)食べることによってダイエット効果もある、と言う専門家のコメントも見ました。
 が、これも一筋縄にはいきません。多くのチョコレートには、とんでもない量の砂糖が入っているからです。
(次回につづく)